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2022 欧州 北極圏から地中海まで
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30日目 -アディスアベバ-
夕食を終え、少しうつらうつらしたと思ったらもう朝食の時間だ。6時間半のフライト時間で2食は必要ない気がするが、出されたら食べてしまう。もっとも飲み物と菓子パンだけの軽食だったので食べることができたのだが…。
欧州時間だと6時半、エチオピア時間の7時半にアディスアベバ空港に到着した。来る時と同じ空港なので、入国方法は分かっている。しかし、ホテルバウチャーをスマホで表示させようとしたら、オフラインではバウチャーが表示できないアプリだった。エチオピアで使えるシムカードは持っていないし、空港のWIFIには繋がらない。仕方ないのでイミグレーションよりも手前にあるエチオピア航空のカウンターへ。表示できない予約を確認するのが面倒だったのか、カウンターでは新たに別のホテルのバウチャーをくれた。元の予約は来る時と同じホテルで、外出を邪魔されたホテルだったので、別のホテルに変わってラッキーである。入国係官にも乗り継ぎビザの入国でもホテル内にいなければならない規則などないと確認をしてもらった。これでアディスの街を見れるはず!
空港からホテルまでは前回よりも若干遠いだけだったが、工事中の道路で渋滞に巻き込まれ、予想外に時間がかかった。
今回のホテルは非常ににぎやかな商業地区にあり、目の前にもコーヒーを飲ませている店があった。赤い布を巻いた女性が飲んでいるのが、コーヒーだ。女性の手前にある黒い容器に入っているのがコーヒーで、手にしている白いカップで飲む。右側の女性が飲んでいるのは紅茶。紅茶は左下のコンロにかかっているやかんに入っている。エチオピアに来るたびにこういう店で朝食をとったものだ。
ホテルにチェックインし、部屋に行く前にビュッフェの朝食会場に行く。インジェラフィルフィルやフールなどエチオピアらしい料理があり、味も来る時のホテルよりも良く、嬉しくなる。
朝食が終わってようやく部屋へ。部屋も前回のホテルよりもきれいだ。まあ安い航空券についてくる無料ホテルなので、どんな所でも良いが、行きと帰りが逆なら、帰りはすごくがっかりしていたと思う。
移動に時間がかかったこともあり、部屋に入ったのが10時。夕食時間の19時までが自由時間となる。食べ過ぎなのでランチは抜いても良いが、どんな料理が出るか知りたいので、街を見に出掛けるのはランチ後の13時頃に決める。とはいえ、ホテル周辺もおもしろそうなので少しだけ歩こうということになり、外に出る。
エチオピアは写真を嫌がる人が多く、被写体となった人よりも周りの人が難癖付けてくることが多い。エチオピアを最後に旅行してから10年以上経っているが、今も昔と同じ。カメラを持っているだけでいろいろ言ってくるのだ。私は面倒になり、ほぼカメラを出さなくなったが、妻はトラブルも辞さずにシャッターを押す。アディスでの写真はすべて妻が頑張って撮ったものだ。
コーヒーをデリバリする女性の来ている服は、おそらく店の制服。緑と赤と黄は、エチオピアを象徴する色の組み合わせで、国旗にも使われている。
何車線もある道路に、幅広い歩道は、以前は見なかった光景だ。でも乞食が歩道の真ん中にいるのは昔と同じ。乞食はいても道の端というのが、世界的な傾向となっている。初めて来たとき(1994年)に変わった文化だと思ったことを久しぶりに思い出した。
エチオピア文化の代表でもあるブンナベット。いわゆるコーヒーハウスだ。エチオピアはコーヒーの原産地で、コーヒーセレモニーというものがあるほど、コーヒーを飲む行為を大切にしている。
タッジベットもエチオピア文化の代表である。タッジは蜂蜜酒で、ベットはブンナベットのベットと同じで家を意味する。タッジは自家醸造するためか、グーグルマップでタッジベットは醸造所と訳されている。本格的な外出前に両替するつもりだったので、エチオピア通貨であるブルは持っていない。飲めないのでちょっとのぞくだけのつもりであったが、中に入るとすぐに席に着かされてしまう。タッジを入れてくれようとするので慌ててお金がないのでと断ったが、通じずに注がれてしまった。まあ口をつけずに返すしかないかと思って、そのまま周りの人と話をする。英語の分かる兄ちゃんが出てきて、なぜ口をつけないと問うので、金がないと答えると、良いから飲めという。出してくれるのかと思ったら、店の人に話をつけてきてくれ、無料になったらしい。日本円にしたら一杯50円くらいなので、もめたら1ドル紙幣を押し付ければ良いかと考え、こっそり1ドルだけポケットに忍ばせる。そしてようやく、タッジに口をつける。うーん、懐かしい味だ。無料になったので、断っていた妻も入れてもらい2人で楽しく飲む。ワインと同じくらいのアルコール度数なので、酔っぱらっている人も多い。写真をとっていたら雰囲気が少し悪くなったので、潮時だろうと同じテーブルの人や店の人にお礼を伝えて、退散する。
エチオピアの文化といえば、生肉を食べるのもその一つだ。牛ミンチの生肉であるキトフォはレストランのメニューなどに載っており、食べる機会は多いが、もっと人気なのはカットしただけの牛肉であるテレスガだ。新鮮な牛肉が必要なテレスガは基本的に専門店にしかないが、これがエチオピア人には大人気となっている。外から見ると肉屋にしか見えないが、下の写真がテレスガレストラン。店の上部にある電話番号の左右に、さらに乗ったテレスガとインジェラの写真が飾られている。客は肉屋の店先のようなところで、希望の部位を指差しで伝え注文していくスタイルだ。これを食べられるなら、ホテルのランチやディナーをパスして、後で食べに来ても良いなと思う。ただ、昔聞いた話ではたまに寄生虫に当たることがあるらしい。薬局で売っている薬を飲めば一発で治るというが、日本でその薬が簡単に入手できるかどうかわからない。ましてや機内で発症したらシャレにならないので、今回は我慢か。
昔はなかったライトレールはアディスの街を走っている。長距離用の鉄道は昔からあるが、市内交通用の列車が走っているとは驚きだ。
軽くホテルの周りを見るだけのつもりが、面白くて後から行くつもりだった市場まで行ってしまい、見たかったものはほぼ見てしまった。お酒を飲んだこともありランチはパスしてベッドへ。夕方になって、妻は近くのショッピングセンターに出かけたが、私は夕食時間まで休む。
夕食はビュッフェ形式ではなく、2種からの選択制で、アサグラッシュ(魚の炒め煮)を選んだ。
空港までは渋滞もなく、15分ほどで到着。終に日本に向けて出発だ。今回は遅れることもなく、定刻の22時35分に離陸した。日が変わる0時過ぎに夕食が出る。ほとんど食欲がないのに、付け合わせがライスなのにサラダもライスで、開けた瞬間食べる気をなくす。エチオピア航空の機内食にはここまで満足していたが、これはダメ。