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■アフガニスタンの日曜日
今日の教授回診の結果、和人の下痢が長引くことを心配しているボス医師が、「これはアフガニスタンでは下痢の第一選択薬なんだ」と言って、あづさにST合剤たる薬を手渡してくれました。
スルファメトキサゾール・トリメトプリム合剤。日本じゃ下痢の第一選択薬にはしちゃいけない薬だよー(^^ゞ でも「アフガニスタンに入ってはアフガン医師に従え」ということですね。なので服薬を開始しました。
今日は日曜日。国境は閉まっています。
明日、和人が退院したとしても、もう私たちは、他の地域には行かないでしょう。
例えばイシュコシムからかなり近いところでもあるのですが、あづさがポリオくんのドライブで行った家の近くのゼボック地域の次の地域「ワルドゥージュ」は、ケシの産地として有名です。今や反政府勢力となったタリバンはイスラム原理主義的正義を掲げて活動に及ぶ組織ですが、アヘンの採取は推奨しており、イシュコシム地元民の中にはワルドゥージュにはタリバンが関与していると言う人もいます。アルカイダっていう人も、単に反政府グループという人もいるけれど、大事なことは、イシュコシムで話を聞く限り、全員が「ワルドゥージュは危険だ、近寄るな」と言っていることです。
その理由も、ここ数日でたくさんの人に聞いて、やっとまとまってきました。
イシュコシム地域を中心に、ゼボック地域、ワハン地域、シュグノン地域が隣接し、その4地域はほぼ100%「イスマイリー(イスラム教シーア派に属する1派)」が住む地域。そしてアフガニスタンがどれだけ悲惨な内戦、国際戦争になっても、一度も被害が及んだことがない地域です。しかしゼボックの先にあるワルドゥージュは、イスラム教「スンニ派」の地域だったのです。そしてタリバンもスンニ派である。
くれぐれも、スンニ=悪者っていうことは決してありえない。トルコやサウジアラビアなどなど、世界のイスラム教を主体とする国は、主にスンニ派で構成されている国のほうが多い。ただしかし、アフガニスタンの現時点の情勢においては、上述の構成によって「イスマイリー地域は治安が良く、スンニ派地域が危険である」と、ある程度の治安が説明できるというわけなのです。ただし、こういう判断はにわかに出来るものではありませんから注意して下さい。今や反政府勢力の筆頭であるタリバンも少し前は政府勢力だったこともあり、アフガニスタンの情勢把握にはある程度の知恵と知識が必要です。
和人は、今日は朝以来、下痢をしていません。確実に病状は回復しています。きれいな水で手を洗え、水洗トイレで過ごせるこの病院にいられたおかげだと思っています。
明日は、もう一度、あの国境を通るんだね。
最後の最後まで、素敵なアフガニスタンを楽しみましょう。
今日のうちに余ったアフガニーを使い切るために、あづさはまたバザールを散策しました。
本日の旅
行動 :入院
朝食 :ノン(薄いパン)、マロイ(クリーム)、チョイ(お茶)/病室
昼食 :パロウ(トマト炊き込みごはん)、コルマ(豆とじゃがいものシチュー)、ノン、チョイ/病室
夕食 :コルマ(豆のトマト玉ねぎ煮込み)、ノン、チョイ(お茶)/病室
宿泊 :クリニック
旅情報
1アフガニー=2円
*イシュコシム
イシュコシムは、本当は市町村名ではなくて、「District名」(地域名)である。その中に、スコモン村、オーアンガルディー村・・・と幾つもの村が含まれている。1つ1つの村は人口が少なく、乗り合いタクシーなどは、移動先を示すのに大雑把に地域名を使っている。また、村と村の境界が明確でないこともあり、このサイトでも、訪問地名は、地域名で記載した。