:: 旅620日め : 世界旅89ヶ国め : 和人217ヶ国め : あづさ109ヶ国め ::
■イエメン脱出作戦・2
寝たのか何だか分からないまま、ベッドから体を起こす朝。
昨日の顛末がいまだに頭の中でごちゃごちゃしている。
朝7時に警察に出頭するよう言われていたので、ほとんど寝ていないまま警察へ向かいました。昨日深夜に私たちと話をしたポリスに、部屋で待つよう言われて、ずーいぶん時間が経った頃、そのポリスは私たちに簡単な朝食を買ってきてくれました。
そこからが長かった。
ずいぶんずいぶんずーーーーーーーーいぶんと待っているのに、誰も何も声をかけてこない。
「私、待ってるんですけど!!」(▼▼)!! と、署内にいたその辺のポリスに、ちょっと強い口調で言ってしまった。
ポリスの回答・・・「私は何も知らないが、どうして君はここにいるんだ?」ですって。何それ? 署内の誰も、私たちのことを知らないのです。この時点で朝10時。私たちが代替で乗れるかもしれなかった7時発のバスなど、とーっくに乗れなくなっています。
・・・めちゃくちゃ悔しかったですね。
私たちを代替のバスに乗れなくしておいて、それだけでトンズラ。まったく何たることなのでしょう・・・。
幸い、その時点で署内にいたポリスは優しい人が多く、昨日から今日のことを説明するとむしろ協力的な態度で接してくれました。そして私たちがもう一度ムカラAl-Mukalla行きのチケットを買いたいということを伝えると、バス会社まで一緒に来てくれたのです。もちろん、外国人には一切チケットを売らないチケット窓口の人だって、警察の指示があれば簡単に2人分のチケットを切ります。
バスは今日の15時発だそうです。ムカラよりも先のガイダAl-Ghayda行きバスなので、私たちはより遠くへ行こうとガイダまでのチケットを買いました。
15時、バスはアデンを出発しました。前回強制下車させられているときとは違う会社のバスだからでしょうか、今度は検問所でも兵士が車内に入ってきません。すなわち、私たちは兵士に見つかりませんでした。
あづさは昨日ほとんど寝ていなくて、そのスリルな瞬間を爆睡して幸せに(笑)過ごしていましたが、スリルというよりも真剣に緊張していた和人は、検問をクリアしてバスが再出発する瞬間、心から安堵を覚えていたそうです。
でもまだまだ油断は禁物。
アデンからムカラの間は外国人誘拐地域の1つなので、窓はカーテンを締め、窓側に座っているあづさは黒ベールで顔を隠し、外(にいるかもしれない地域部族達)から外国人がいると悟られないようにしていました。
ムカラ到着は夜10時。ムカラを出ると、バスの車掌が、「もう前に座っていいんだよ」とばかりに私たちを前席に呼んでくれたのです。もう、外国人誘拐の心配はないということでしょう!!
「わーーーーー!!」 って、心から喜びの声がわいてきました。
バスの中で、私たちは本当に本当に喜んでいました。
サナアSana'aに着いてから8日めにやっと見えてきた光、陸路でのイエメン脱出が、これでほぼ成功しました!! (長かったなぁ・・・ぐすっ)
本日の旅
行動 :アデンからガイダへ移動中
朝食 :ホブス(アラブの薄パン)、ギブダ(レバーソテー)、シャイ(甘いストレートティー)/アデンの警察の中
昼食 :ビリヤニ(スパイス炊き込みご飯)、ダガーグ(鶏の炭火焼き)、マカローナ(ターメリック和えスパゲティー)、モース(バナナ)/アデンのインターネットカフェの主人の部屋
夕食 :サハーウ(トマト玉ねぎきゅうりヨーグルトのミキサーがけ)、ベール(玉ねぎトマト入りスクランブルエッグ)、ホブス、フール(にんにくが利いたつぶし煮豆)/ムカラの食堂
宿泊 :ガイダ行きバスの中
旅情報
1リアル=0.47円
*アデンからガイダへの移動
日記本文にもある通り、最大の難所はバスチケットを購入すること。チケットが購入できれば、1人3500リアル、所要14時間でガイダに到着できる。15時発翌朝5時着なので、車中泊となる。