:: 旅677日め : 世界旅100ヶ国め : 和人217ヶ国め : あづさ119ヶ国め ::
■イラクの旅の最後
朝、ドホークDohokの町を散歩しました。今日もお天気は上々で、橋の上からは町の遠景がきれいに見えました。
ドホークから国境の町ザホZakhoへは、タクシーも、コースター(中型バス)も走っています。コースターだと1人300円くらいで移動することができますから、昨日の移動費がとても高かったと改めて思います。
で、コースターに乗ってザホの町に到着・・・ヤバイ・・・非常事態に遭遇し、藁にすがる思いで警察に助けを求めに行きました。よんどころなき事情ってやつで。
警察は友好的に私たちを助けてくれ、美味しいケバブ(肉の串焼き)までご馳走してくれました。問題が解決したあと、警察官は私たちをタクシー乗り場まで送ってくれ、その差しのべてくれる優しさに従うまま、ザホ国境から、イラクを出国したのでした。
■イラクの旅を終えて
21世紀になってから始まった、かのイラク戦争を受け、この世界旅に出発する頃は、とてもではありませんが、イラクには行けないと思っていました。だから、アフリカを旅しているときは、イラクのことを調べることは、一切しませんでした。
アフリカの旅がジブチでぷつっと切れ、そのまま中東イエメンからオマーンに入ったとき、私たちはマスカットMuscatで、自由にネットをつながせてくれる家で5日間の滞在をすることができました。
そんな折、夜な夜なネットでニュースや旅情報をあさっていた私たち。あづさは、ふと、英語サイトを眺めつつ「Iraq」について見ようと、ふと思ったのです。そうすると出てきたものは、今は旅行者が、個人旅行が出来るという情報でした。
それを和人に報告し、そこから私たちは、ネットできる環境があれば、かなりの時間をイラク渡航の可否の模索に費やしました。
好転の兆しとはいえ、北部クルディスタン地域でさえ悪いニュースは皆無ではありませんから、時間をかけ、熟考を重ね、最も大事な“綿密な下調べ”を重ねました。そうして踏み込んだイラクの旅は、それまでの苦労の大きさの裏に、素晴らしい感激の世界が広がっていました。
もちろん、クルド人とアラブ人の2分化されたこの国で、数箇所を見ただけでの体験では何も語ることはできませんが、個人旅行ならではの地元の人との触れ合いは大きく、得る感動の大きさは、計り知れないものがあった、その点には間違いがありません。
現在、イラクは、旅が出来ない最たる国の1つとなっています。でも、この国が平和になったら、古代文明を支えた肥沃な大地と素晴らしい人々と出会える、最も素晴らしい旅が出来る国になると思います。
「・・・そうだ、今日の写真は何にしよう」
アルビルErbilの良さに感動し、サイトのトップページにも選んだ、大好きな写真。
行きたいと思っていた国、行けないと思っていたイラク。
オマーンで“行ける事実”を知ってしまったときの感激を、裏切らない旅になって、嬉しい。
尋常でない“綿密な下調べ”をこなしてくれた和人には、本当に感謝している。
世界旅100ヶ国、本当にありがとう。
中東では難しいけれど、いつかワインが買える街に行ったら、めいっぱい乾杯しようね♪
本日の旅
行動 :ドホーク観光、ドホークからシャンルウルファへ移動、イラク出国、トルコ入国
朝食 :ババア(ひし形のパンを開いて牛肉やファラフェル(豆コロッケ)を詰めたサンドイッチ)/ドホークの食堂
昼食 :ケバブ(ひき肉の串焼き)、玉ねぎのソマック(梅干し味がする酸っぱい粉末)和え、焼きトマト、生トマト、きゅうり、ナン(薄パン)、チャイ(紅茶)/ザホの警察署長室
夕食 :なし(移動していた)
宿泊 :ホテルドゴHotel Dogu
旅情報
1イラクディナール=0.0847円
1トルコリラ=56.5円
*イラクからトルコの国境越え
私たちが使ったのはザホ-シロピルート。ザホの町から国境まではタクシーで移動したが、コースター(中型バス)も走っていると教わった。町から国境まで、タクシーなら1台3000ディナール(1人あたりの料金は人数割り)、コースターなら1人500ディナールで行けるそうだ。なお、イラク側ザホ国境からトルコ側シロピ国境は大した距離はないが、徒歩での越境は認められていない。ザホ国境からシロピの町まで行く乗り合いタクシーに乗る。1人20トルコリラ(or15USドル)は距離を考えると暴利な値段だが泣く泣く受け入れるしかない。乗り合いタクシーはシロピのオトガル(バスターミナル)すぐそばで終了するので、そのまま次の町への移動を続けることができる。