2人の世界旅 日々の記録

4年3ヶ月、1日も欠かさず綴った旅日記
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キューバ>2009年07月20日(Mon)
ハバナ
:: 旅802日め : 世界旅133ヶ国め : 和人222ヶ国め : あづさ150ヶ国め ::

■2つめのホームステイ
昨日はロドルホ兄さんの家に泊まりました。今日は、ホルヘ兄さんが、おじさんの家に泊めてくれることになっているので、朝から移動開始です。パラメリカーナ地区という、比較的ハイソな地区の3階は、風通しが良くて良い所でした。何よりパトリシオおじさんが一見無愛想でも実に良い人で、嬉しかった。

衝撃を受けたことがあります。配給手帳を見せられたときでした。
社会主義を標榜するキューバは、国民の平等が政策の根本にあります。配給手帳には家族構成(どの年代の人が何人いるか)を記入する欄があり、それによって配給される物資の量が決まってきます。

配給手帳

ここで言う「配給」とは無料配布ではなく「格安で購入できる」という意味です。例えば石けんを月に3個まで配給手帳価格で買える家庭は、4つめを買うときには市販価格になるということです。

キューバの平均月収は20CUC(2000円強)と言われています。でも、数円といった単位で生活必需品が買える上、医療や教育は無料です。

日本は? 全部を100倍にして考えてみましょうか? 平均月収が20万円強あって、数百円の単位で生活必需品を買う。ふむふむ、ここまではキューバと同等。しかしその上、医療(医療制度を支えるための納税も含めて)や莫大な教育費がかかることを考えると、ひょっとしたらキューバでの月収20CUCは、悪くないのかもしれません。

パトリシオおじさんには、家賃のこと、光熱費のこと、あらゆるキューバの支出状況について教えてもらうことができました。しかし家賃すら本当に安くて興味深い(※月数百円なので100倍にすれば月数万円・・・、あらら日本の感覚と同じなのかも)。キューバ文化の筆頭とも言えるこの制度のことは、和人も真剣にメモを取っていました。

ただ、街を歩いて人々の生活ぶりを見ていると、流石に月収2000円じゃこれは買えないでしょと思うようなもの(1CUC(120円の缶ビールとか1.5CUC(170円)の炭酸ジュースとか)がよく売れています。100倍にしたら、缶ビール1万円とかですから、明らかに高すぎます。推測するに、国からもらえるお金以外に、闇で得る収入があるのです。それは後日私たちが、闇営業の食堂や闇営業の宿に入った事実や、キューバ人の外国への出稼ぎ労働者が実存することが裏付けてくれます。

最初ね、あまりに不思議で仕方なかったんですよ。たった2000円の月収ですから生活はぎりぎりかと思っていたら、例えばテイクアウトのランチボックスでは、みんな肉だけ食べて豆ご飯は残すし、かなり多くの家庭で犬を飼っているし。

さてさて、7月下旬のキューバは暑いです。暑すぎます。猛暑、酷暑、とにかく暑い。「昼寝するから、散歩は夕方からしよう」というホルヘ兄さんの意見に従い、私たちは夕方まで扇風機のある部屋で過ごしました。そして夕方からは、要塞都市ハバナの観光に出ました。ハバナは、あの小説「老人と海」で知られるノーベル賞受賞のアメリカ人作家ヘミングウェイが20年間暮らした街でもあります。ヘミングウェイが通い詰めていたバー(今も高級バー)や、住んでいた宿(今は高級ホテル)などが見所になっています。そしてフォート(要塞)を観光しました。

社会主義国キューバは、何だかとっても、裏がありすぎるように思えて仕方ありません。

最大の謎は、結構豊かな暮らしぶりに、「これ、本当に月収2000円でやってるの?」という疑問です。しかし別統計で、かつて「キューバの平均年収は10000USドル」という記述を見たことがありまして、ひょっとしてそれが正解なのではないかとも思ってしまいます。

これが、キューバの「裏」、ということなのでしょうか。

さて、実質滞在初日から、キューバの経済三重構造の解明の糸口を見つけてしまいました。結構面白いじゃない?

キューバの旅は、社会主義国家 -つまり資本主義国育ちの我々にとっての明らかな異世界- たる、経済の「裏」をどれだけ見つけられるかが、旅の楽しみどころとなりそうです。
本日の旅
行動 :泊まるところを変えるために移動、ハバナ観光
朝食 :Cafe(カフェ、コーヒー)/パトリシオおじさんち
昼食 :Bisdec de cerdo(ビステクデセルド、薄いポークステーキ)、Arroz Moro(アロースモロ、黒豆ごはん)、Ensalada(エンサラダ、きゅうりとレタスのサラダ)、Vianda(ビアンダ、ゆでスウィートポテト)、Lomo al Carbon(ロモアルカルボン、スモークポーク)/パトリシオおじさんち
夕食 :Arroz Moro、Vianda、Habichuela(アビチュエラ、ゆでいんげん)、Habichuela(アビチュエラ、ゆでいんげんのレモンあえ)、Fricase de Cerdo(フリカッセデセルド、豚の生姜焼きっぽいソテー)、Pollo Asado(ポヨアサード、鶏のにんにく煮)、じゃがいも煮/パトリシオおじさんち
宿泊 :パトリシオおじさんち
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旅情報
1兌換ペソ(CUC)=116円
1人民ペソ(MN)=5円

*キューバでインターネット
インターネットが自由化されていないキューバでは、地元民もインターネットは使っていない(オフィスや大学にある場合は別だが政府検閲があるらしい)。旅行者は外国人用ホテルなどでネットをすることになるが、1時間7CUC(800円)もする上、パスポートを提示しないと使えない(つまり地元キューバ人はそこでもネットすることができない)。私たちは滞在10日間まったくネットしませんでした。