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■いよいよ、ジンバブエへ
2008年、ジンバブエは、大変な国となっています。
ロバート・ムガビ大統領の悪政にまつわる経済破綻。ハイパーインフレーションと呼ばれる通貨大暴落。今年の大統領選挙騒動。
アフリカの報道が薄い日本でも、ジンバブエニュースはテレビでもよく見かけたと、日本からメールをくれる友人は教えてくれました。
インフレ。「通貨価値が下落する→物を買うのに紙幣がたくさん必要になる→桁が増えた紙幣を新しく作る→それでも通貨価値は下落を続ける→再び桁が増えた紙幣が作られる」・・・の悪循環の結果でしょう、つい先月、「10000000000ジンバブエドルを新1ジンバブエドルとする」というデノミ(平価切り下げ)が行われました。ジンドルだとピンときにくいけれど、例えば日本で0を4つ取るデノミが行われて10000円が1円になっちゃったら、混乱しちゃいますよね。実は先月の0を10個取るデノミの前に、2006年に0を3つ取るデノミも行われているのだそう。まったく何という国なのでしょう。
さて、経済破綻を起こしたこの国では、スーパーに行っても物がない、という状況です。私たちはかなり前から、例えばこの国のバス会社などがガソリンが得られない事態になれば、ジンバブエでは移動すら阻まれる大変に困難な旅を迎えることになるのではないかと危惧していました。しかし幸い、最近ジンバブエに行った人にケープタウンCape Townで会うことができ、その心配はなさそうだと教えてもらっていました。
今日は、いよいよ、ジンバブエへと向かいます。
駅近くのバスターミナルで、ジンバブエのブラワヨBulawayo行きのバスを見つけました。・・・なんか、恐い。アフリカではいっぱいバスに乗ってきたけれど、このバス、内装が軍隊バスのようで、恐いと感ずにはいられません。恐怖感を持ったまま、ジンバブエはどんな苦しい旅になるだろうかとも考えてしまいます。
国境を越え、夕方、ブラワヨ着。
おかしいな、スーパーマーケットに人の出入りがない・・・?
パン屋は開いていたけれど、パンは2、3種類しかなく、そんなに美味しそうではなさそうなのに値段は“異常に”高いのです。「まだこの先で食べるもの買えるよね」と、宿へ向けて歩いていたら、・・・とうとう食べるものに、出会えなかった。
泊まった宿には、庭にバーベキュースペースがありました。火を起こして、夕食を作るジンバブエ人たちがいました。
食糧が入手できなくても、その覚悟はあったから、「おなかすいた」とは言い出せません。でもコンソメキューブを使って「具のないスープだけでも」と、庭でしょんぼりお湯を沸かしていたあづさに、ジンバブエ人の男性陣(若者)は「今日は何食べるの?」と聞きました。
「今日は何食べるの?」と聞かれ、「食べるものがないの」と、答えるあづさ。
・・・アフリカ旅が長いのに、こんな体験、初めて。
みじめで、泣きたくなった。けど泣かなかった。みんなの前だからね。
男性の1人が、「僕達の食事から分けてあげるよ」と言ってくれた。驚いた。
男性の次のセリフ、「もし僕が日本に行って困っていたら、君はどうする?」
・・・あづさがとっさに答えた回答が、「I can help you.」(助けます)。そして、男性は、笑顔を湛えた。
この日以降、ジンバブエでの旅では、インフレに伴う物価の高騰の煽りを受け、しかも食べるものに出会えない、“この旅始まって以来の食糧危機”から、大変に苦しい旅を強いられることになります。
国は滅茶苦茶なのに、人は優しい。
彼らはこのサザ(今回分けてくれたジンバブエの主食)に幾ら払ったんだろう、私は、もう泣きたい。
本日の旅
行動 :フランシスタウンからブラワヨへ移動、ボツワナ出国、ジンバブエ入国
朝食 :マッシュポテト、焼きにんじん、ミルクティー、カフェオレ/宿
昼食 :Papa(パパ、とうもろこし粉を炊いたもの)、Koko(ココ、チキンのトマトスープ煮、チャカラカ(野菜のマイルドカレー)、Rape(レイプ、青菜ソテー)/バス車内
夕食 :サザ(とうもろこし粉を炊いたもの)、肉シチュー、ルイボスティー/宿
宿泊 :シティオブブラワヨキャラバンパークCity of Blawayo Caravan Park
旅情報
1ボツワナプラ=16.3円
1南アフリカランド=14円
1USドル=111円
1ジンバブエドル=0.26円
*フランシスタウンからブラワヨへの移動
レンキニバスターミナルから直行バスが出ている。1人40プラ、所要約6時間。レンキニバスターミナルは鉄道駅に比較的近いところにある。私たちが泊まった宿からはミニバスでバスターミナルへ楽に行けた。
*国境で取るジンバブエビザ
パームトゥリーロード国境でジンバブエビザが取得できる。
1ヶ月シングルビザ(1回入国用)が、30USドル、210南アフリカランド、180ボツワナプラ、20英国ポンド、25ユーロのいずれでも支払い可。私たちが旅した当時、それぞれ順に、3300円、2900円、3000円、4600円、4000円という日本円換算であり、南アランドでの支払いが最も得であった。
写真不要、イエローカード提示不要。