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■フンザ最終日
今日は朝から雨が降っています。絶好の晴天の昨日があって、本当に良かった。もし滞在中がずっと雨だったら、「せっかくフンザに来たのに(プンプン)」と神をも呪うところですが、昨日、一昨日と快晴に恵まれた後なので「雨の谷もオツなものね」と天候の変化を楽しむことさえできます。こんな、気分に流される旅人でごめんよ、神!
哲ちゃんは、更にパキスタンを南下するために、今日、我らが宿「ガーデンロッジ」を巣立っていきました。旅の最後の最後になって、尊敬できる素晴らしい旅人と出会えて嬉しかった。彼は、日本人や日本人宿に頼らず、自分のちからで旅の道を切り開いている。そして一人旅でも、きちんと旅を動かして、地元の人との交流を、ハートいっぱいに作り上げています。そういう旅人に、日本人宿って要らないんですよね。日本での社会経験の話にも随所に見習いたい点がいっぱいある、素敵なバックパッカーだったのです。もう、こういう旅人には出会えないだろうなあ(もうまもなく私たちは帰国するから)と思いながら、スズキに乗って旅立つ彼を、目いっぱい手をふって見送りました。スズキとは、パキスタンらしいド派手な装飾が目立つ、乗り合い軽トラのことです。
毎日、朝食は、陽気で気立ての良いサモサ屋のおじさんのところで、「朝9時の揚げたての時間」を狙ってサモサを食べに行っています。1つ10ルピー(10円)、じゃがいもはほくほく、皮ごとマッシュされていて、あとは千切りキャベツとミント(これが結構いける)を加えて、それらが熱によりしなって、なかなか良い具になっています。何しろ朝の揚げたては美味しい~。ここのおじさんのミルクティーは、他の店よりもミルクも紅茶も濃くて、美味しい。だからここのところ毎朝決まってこの安サモサ屋に通っています。
あっという間に、パキスタンはフンザ滞在も最終日を迎えてしまいました。
あづさが、フンザでやっておきたいことが、あと4つ。
1)両替(US$→パキスタンルピー)
2)同じ宿にいるコリアンオンニ(韓国人ママ)に、世界のどこでも作れる熟練のワザのキムチを教わる。
3)庭で和人とバドミントン
4)宿の人にブルスシャピックを作ってもらう
となっています。面白い組み合わせ。
で、結果報告です。
1)なかなか良い両替レートを出してくれるところがなく、まあまあのレートで完了。
2)私たちの隣の部屋に長期滞在している韓国人夫妻。そのおじさんが、「キムチ、食べるか」と、私たちに美味しいキムチをプレゼントしてくれました。「フンザは野菜があまりなくて・・・」と言ってたそのキムチは、青菜と玉ねぎ。パキスタン人だったら「サブジ」という野菜カレーを作る材料です。でもそのキムチが絶好に美味しくて、あづさは「こんな辺鄙な田舎でこれだけのキムチが作れるなら、絶対イイ! 日本でどんな季節でもどんな野菜でも作れそう!」と思って、是非その作り方を教わりたかったのです。今日、丁度そのオンニ(おばさん)のところに若い韓国人グループが遊びに来ていました。その1人が、大阪在住の在日韓国人2世で、オンニとの間に通訳に入ってくれ、更にその2世くんも、自身が焼き肉屋でバイトをしていたので、冷蔵庫でタッパサイズで作るキムチはお手の物! オンニと2世くんの双方のアドバイスを教わり、日本でのキムチライフにすっかり夢が膨らんでしまったのでした(*^-^*)
3)中庭があって、ラケットとシャトルがあって、なかなかナイスなロケーションだったので、ついバドミントンをやりたく、うずうずしていました。足の怪我があるので大きく動けませんが、昔少し本格的にやっていた感覚を思い出して、楽しかった。
4)フンザに来て間もない頃、民家街を散策していたら、1人のおじさんが自宅へ招いてくれました。伝統造りの質素な家のかまどを囲んで、いろいろとパキスタンの話を聞かせてくれたとき、「このフンザで食べるブルスシャピックが美味しいよ」と言ってくれたのです。それを聞いてしまうと、もちろんあづさは「ブルスシャピック」を食べたくなる! そして、宿のオーナーとそのことを話し、「ゲストだから特別に作ってあげる」と、宿のオーナーは言ってくれたのです。チャパティ(極薄焼きのパン)にアプリコットを塗り、チャパティを重ね、白チーズにオニオンやミントのみじん切りを混ぜたものを塗り、チャパティーを重ね・・・、これはまるで「北部パキスタン風のミルフィーユ」です。出来あがったブルスシャピックは「その土地の食」で紹介しますので是非見てください。そしてこれが、本当に美味しかった・・・。お出かけしている和人の帰りを待って作ってもらった甲斐がありました。2人で美味しい美味しいと感激しながら食べたのでした。
ブルスシャピックを作ってくれた宿のシェフ。
贅沢な味で本当に美味しかった、ありがとう!
さあ、ここフンザの谷、カリマバードでやりたいことは全てやりました。
明日、中国へ戻るべく、この素敵な「アプリコットの谷」を離れます。
旅気分を徐々に中国へ、そして日本へと戻していきます。
本日の旅
行動 :旅準備、旅計画
朝食 :サモサ(じゃがいも入り三角揚げ)、チャイ(ミルクティー)/カリマバードの食堂
昼食 :ブルスシャピック(チャパティーに刻み野菜入り白チーズとアプリコットオイルを重ね挟んだもの)/宿
夕食 :チキンカライ(スパイシーチキンカレー)、ケバブ(肉の串焼き)、ナン(窯焼きパン)/カリマバードの食堂
宿泊 :ガーデンロッジGarden Lodge
旅情報
1ルピー=1.04円
*カリマバードの電力事情
カリマバードは、その周辺の村よりは電気事情はましだが、1日数時間しか電気がこない。1日4~8時間くらいが多いように思った。しかし私たちが到着する前は10日連続して電気が来ず、充電に困ったツーリストの話を多数聞いた。その際には発電機を持っている宿に頼んでデジカメ等の充電ができたと言う。安宿は発電機を持っていないので、注意。