:: 旅1315日め : 世界旅213ヶ国め : 和人245ヶ国め : あづさ220ヶ国め ::
■入院
腸閉塞とは?
あづさにはイレウスのほうが言いやすいのですが、疾患英名は「intestinal obstruction」。腸内容物が腸を通過できない病気です。人は生きている間には「お腹が痛い」という症候には頻繁に遭遇するため、「お腹が痛い」症状を呈する疾患の1つである腸閉塞を、つい軽視しがちですが・・・、
例えば、ソーセージをイメージしてみる。ソーセージは腸詰めっていうくらいだから、ソーセージの皮は腸。もし、ソーセージの片側をふさいだ状態にし、反対側から新たに何かを押し込んだらどうなる? イメージはできるでしょう、最悪、腸の皮は破裂する。その痛みなど想像したくない激痛であることも・・・。
「腸」と言っても全部がソーセージ状態であるわけではない(空腸、回腸、大腸等部位によって腸壁の厚さは違う)ので、これはすごく突拍子もない例えにとどめておくべきなのですが、とりあえずは分かってください、腸閉塞は激痛を伴う苦しい病気であり、特に絞扼性イレウスの場合診断と処置が遅れると致命的なものであることを。
今日は朝イチで、昨日まで私たちをブータン地方めぐりツアーに連れて行ってくれたタクシードライバー、ソナムさんの運転で、総合病院へ行きました。朝イチと言ったって、症状が出始めてから2日経過しているのだから、もう痛みをこらえる我慢は限界に来ています。
医師はブータン人ですが、彼らはインド、スリランカ、英国、米国等で医学を学んでいるそうです。インド人っぽい顔立ちの若い救命救急専門医に、この2日間放屁(ほうひ、おならのこと)ゼロであることを伝え、症状の変化を時系列で説明。あづさのほうがこれまで英語医療用語に接してきているので、医師と和人の間には始終入っていようと決めています。
で、「I think it's a ... intestinal」(多分、腸・・・)と言ったところで、医師は自信ある顔で「obstruction」(閉塞)と言った。和人の昨夜の予測はおそらく当たりだろう。
医師は優秀そうだが、技師はナントモ(苦笑) 点滴のための注射針を指すだけでベッドが血まみれになってしまいました。
リンゲル輸液、鎮痛剤ワンショット静注、腹部X線検査。
各国がブータンに援助金を投入している賜物か、医療設備はなかなか良いな(少なくとも事前に聞いていた劣悪な評判よりは)と思いました。
外科部長による直腸診(お尻の穴に指入れるやつ)。
最初の診断名としてdistention、腸の弛緩、膨張、そんな単語を告げられた。
制吐剤静注、鎮痛剤再度静注、生理食塩水点滴、グルコース点滴。このグルコースは水分確保が目的。
坐剤(下剤)服用指示が出る。便も屁も出ないのなら、坐薬に頼れってことか。
夕方、ソナムさんが来てくれた。あづさがビスケット2袋とカップラーメンを1つ、付き添い時の食事がわりに買っていたのを知っているはずなのに、お弁当を作りミルクティーを大きな水筒いっぱいに詰めて持ってきてくれた。マットと寝袋と暖かな毛布も持ってきてくれた。
90%グリセリン坐剤投与。しかし便通、放屁共になし。
一般病棟はベッドが空いていない。
今日は緊急病棟で、夜を過ごす。
本日の旅
行動 :入院・1日目
朝食 :玉ねぎねぎ入りラーメン/青田御殿
昼食 :チョコビスケット、バタービスケット/病院
夕食 :シャモダツィ(きのこと野菜のチーズ絡め煮)、ごはん、ガジャ(ミルクティー)/病院
宿泊 :ジェネラルホスピタルGeneral Hospital
旅情報
1ニュルタム=2円
*ブータンで病気を発症した場合
病気の発症で出国が遅れることになる場合、1人1日200USドルが徴収されます。ビザ延長手続きなども複雑そうですので、体調管理をしっかりと。なおタクシードライバー兼ガイドのソナム氏によると、短期旅行で来た外国人を病院へ輸送したことは今までも何回もあり、その多くは高山病と関連した症状だということです。首都ティンプーで標高2500mですので、高山病対策はしっかりとしましょう。