:: 旅1316日め : 世界旅213ヶ国め : 和人245ヶ国め : あづさ220ヶ国め ::
■退院できず
「幸せの国ブータン」で、和人は入院しました。
本当に重病で、ここで旅が終わるとしても、何だか愛に満たされていて不思議と幸せです。
あづさもベッドサイド、床の上で寝泊まりしています。
今まで旅の間中いっぱい幸せだったし、これからも幸せでいられる。
だからもう、これで、帰国してもいいんだ。ナンテ、ずっと考えていました。
朝ドイツ人医師が、昨日の外科部長と共にベッドサイドに来ました。今日も退院はさせられないと告げられました。しかしだな、ドイツ人医師の判断には理解できない点がある。検査指示のうち腹部X線と腹部エコー。これはいい。なのに血液検査指示票をナースに見せてもらうと「血算、エレクトロライト(電解質)、BUN、Scr、尿酸・・・」。
BUN(尿素窒素)、Scr(クレアチニン)ったら腎障害の指標値だよ。
尿酸って痛風腎疑ってんのかい?
でも痛いのお腹だよ、背中じゃないよ。
腹痛がひどくてまだ腸炎だって否定できていないんだから、CRPくらい見るべきなんじゃない?
まあ、何を検査されたところでブータンは医療費無料なので良いのですが、検査1つ1つに全部医療点数(つまりお金)がかかる日本だったら「チョットマッター」を出しているところですね。
一般病棟に移り、リンゲル液輸液、絶飲絶食指示が続きます。
喉が渇いたときのみ最小限の飲水可。ジュース類でもOK。
青田さんが持たせてくれたスポーツ飲料を有り難くいただきました。
血圧:収縮期120拡張期90。まあまあかな。
輸液が変わった。デキストリンと生理食塩水を交互に入れることになった。
デキストリンは代用血漿、血液の浸透圧の保持だろう。
昨日に引き続き坐剤(下剤)服用指示。
90%グリセリン坐剤投与。しかし便通、放屁共になし。
あづさは先ほどの意味不明の血液検査の結果を知りたくて何度もナースステーションへ足を運ぶ。が、結果は今日は届かなかった。
ソナムさん、ありがとう。
1日病院で付き添いをするあづさに、朝と夕方、お弁当を作って持ってきてくれた。
ブータン人が作るブータン料理は、唐辛子もチーズもいっぱい入っている。
あたたかいミルクティーもたっぷり作ってくれている。
和人がついベッドの上から「うまそー!」と反応したのはエマダツィ -唐辛子のチーズ煮- だった。でもゴメン、あなたは絶飲絶食中。私1人でいただきます。お弁当がいつも2人分の量入っているのは、ひょっとしたら、回復が見られて食事許可が出たときの和人のことを思って、ソナムさんが2人分の量を作ってきてくれているのかもしれない。でもまだそれはできないので、あづさがいつも、ちょっと苦しくなりながら2人分を全部食べていました。
今とっても暖かいのは、唐辛子ではなく、ソナムさんの心尽くしの優しさのお陰だね。
今日は12月16日。出国は18日。
今持っているビザは18日までしか有効でないので、何が何でも、18日までに退院したいのが、2人共通の気持ちです。
本日の旅
行動 :入院・2日目
朝食 :ごはん、ケワダツィ(じゃがいものチーズ絡め煮)、ガジャ(ミルクティー)/病院
昼食 :ガジャ/病院
夕食 :シャッカムダツィ(乾燥牛肉を戻してじゃがいもとチーズ絡め煮)、ニシオカライス(日本米)、エマダツィ(唐辛子のチーズ絡め煮)、ガジャ/病院
宿泊 :ジェネラルホスピタルGeneral Hospital
旅情報
1ニュルタム=2円
*禁煙国家ブータン
ブータンでは公共・公衆の場での禁煙が全面禁止。タバコの販売も禁止されている。外国人の持ち込みは制限量以内なら可だが持ち込み税を徴収される。