2人の世界旅 日々の記録

■フォークランド最終日とそれぞれの想い
「強い雨、強い風、厳しい寒さ」、３つが揃った今日の朝。雨は、強く降ったり時に止んだりを繰り返していて、天候不順を感じさせてくれます。こうしてフォークランドは、冬を迎えていくのでしょう。

今日はフォークランド諸島滞在の最終日です。どこかへおでかけをしたかったのですが、諦めました。それでも和人は「鳥の写真撮りに行きたい」と、雨の弱い時間を見計らって、出かけていきました。


あづさはというと、しょっちゅう雨が降るのを窓越しに見ながら、テントや宿のリビングにいたのですが・・・、「やっぱり、何かしなければ」という気持ちが強くなり、自分でも歩き始めることにしました。

何故ならば、今日はフォークランド最終日だから。そしてもう多分ここに来る機会はないと思うから・・・。

あづさの心残りといえば、「ディッドゥルディーdiddle-dee」の写真を撮りそびれたことです。和人が、まだまだ鳥の写真を撮り足りないように、あづさにも足りないものがあったのでした。ディッドゥルディーとは背の低い植物がつける赤い実のことで、フォークランドでは伝統的にこれを使ってジャムなども作られてきました。雨が降る中、ケイおばあちゃんのリビングで、フォークランド料理レシピ本を読んでいるとたびたびディッドゥルディージャムのレシピに目が行ってしまうんですね。２日目にジプシーコウブGypsy coveに行ったとき、ディッドゥルディーを見つけたのですが、写真を撮っていなくて、それで今日、和人のことを思うと「やっぱり私も撮りそびれた写真を撮りたい」と思うようになってしまったのです。

もう午後ですが、歩き始めました。途中で見つけることができればそれでも良いのですが、スタンレーStanleyの街はきれいに整備されていて、そういう自由に生える草はなかなかみかけられません。

歩いて走って、歩いて走る、・・・このまま、往復４時間以上かかるジプシーコウブを３時間で帰ってこようという覚悟も持ちつつ、ときどき走りながら、歩いていました。

そうしたら、スタンレーの街の外れで、遠くに和人を見つけました！　散策を終えてスタンレーに戻るところのよう・・・。手をふったり、声をかけたりしますが、和人は気づきません。「ああどうしよう」と思って足元を見ると・・・、わあっ！ディッドゥルディーだっ！　びっくり。和人を見つけた地点に、ちょうどディッドゥルディーが足元にあったのです！



味見用にといくつか摘んで、走って和人のところに行きました。和人も速足なので、追いつくのに時間がかかりました。そうしてびっくりの対面を果たして、２人で仲良くスーパーマーケットに行って買い出しをして、宿に戻りました。


和人もいっぱい野鳥の写真を撮ることができたようです。あづさも可愛いベリーの写真、きちんと記念に残せました。

楽しかったフォークランド１週間の滞在は、宿が良かったことも、たくさんのペンギンに出会えたこともあって、良い思い出を残すことができました。明日チリに戻ったら、首都サンチアゴSantiagoを目指して、私たちはいよいよ南米の旅を終えることになります。