2人の世界旅 日々の記録

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マダガスカル>2008年10月23日(Thu)
★フィアナランツォ
:: 旅532日め : 世界旅82ヶ国め : 和人216ヶ国め : あづさ103ヶ国め ::

■高原の町の観光
フィアナランツォFianarantsoaを出るのは今日の夜行ですから、昼間はめいっぱい観光に時間を費やすことができます。嬉しいな。

ここはマダガスカルの高原地帯。その気候の良さから生まれたワイナリーなども知られています。私たちは喧騒の町から外れて、のどかな郊外を歩くことにしました。

世界100選に選ばれているというフィアナランツォで最も高いという丘。その路地を登る階段造りもレトロな感覚を引き起こしてくれます。今日はお天気が良くて喉が渇くので、その階段脇にある小さなカフェに入りました。カフェっていってもお洒落なカフェテリアのようなものではなく、マダガスカルの庶民的な、狭い狭いコーヒー飲み処です。コーヒーはマダガスカルではカフェって言います。そして、濃くて美味しいコーヒーが1杯50アリアリ・・・何と3円! で飲めてしまうのです♪ コーヒー好きの私たちですから、当然マダガスカルにいる間は、当然美味しい3円コーヒー(多く入って100アリアリのときは6円コーヒー)を飲み続けることになります。・・・フランスにいるとき、1杯を4ユーロ(約700円!)で飲んでいたのを思い出すと、コーヒー1つで本当に別世界を感じますよね。

丘の上から見渡す眺めはすがすがしく素敵です。一面の田園風景が広がります。マダガスカルに来た人々はマレー系の海洋民族ですが、なのにこの地に定住した人々は、丘陵の国土を上手に耕し、段々に切り開いて、坂にも上手に田んぼを作っています。まずはこの田園風景が、このあたりの魅力の1つでしょう。

丘から降りて田園地帯の民家街をも散策することにしました。南部ベレンティーBerenty保護区で見るものと思っていたワオキツネザルを不意にみかけたことは、「何でワオがここにいるんだ!?」と、和人も大変に不思議がっていました。

住居スタイルは、土壁にかやぶきという伝統的なもの。質素な造りなのに、上手に二階建ての家を作っているのですから、驚きます。民家街を歩いていると、サイザル麻の葉から手作業で繊維を取り出す女性や、染色工程を経たサイザル麻の繊維を織りあげていく女性に出会いました。サイザル麻はマダガスカルの特産品の1つで、フランス語ではリサール、マラガシー(マダガスカルの言語)ではタレッツァと言います。

サイザル麻

そんな感じで、いろいろと歩いてはいろいろと発見をもらった、今日のフィアナランツォ歩きは、お天気の良さもあり、大変に楽しく充実した時間となりました。

ちょっと早めに宿に戻って、のんびりして、約束どおり、夕方6時にバスターミナルへ行きましょう。

・・・あづさは少し疲れているみたい。テーブルのある椅子に座ったら、うつぶせてしばし寝てしまいました。

■バス会社オフィスでの大騒動
昨日到着時に、南部フォールドーファンFort Dauphin行きバスを探しました。
料金は65000アリアリ、明日の夜行だから明日夜6時に来るよう言われました。
約束の時間に行ったら、「バスはまだ来ないから、もうちょっと待ってて」ですって。

料金を支払いました。2人で130000アリアリです。
さらに待ったのに、「ドライバーも待っているの」(男性を指さす)といい私たちを待たせます。
運転手も待っているなら、仕方ないなと思い、ベンチに座っていました。

交替でコーヒーでも飲みに行きましょう。まずはあづさがカフェへ。
あづさが戻りました。さきほどの運転手も待ちぼうけ。
時間も遅くなってきました。和人がコーヒーを飲みに行きました。
カフェの店員が和人に、「あの会社はよく騙すから気をつけてね」と。
そして、「夜になっても出発しないなら隣の会社に乗り換えなさいね」と。

でも、気づいたらオフィスは開いているのにお金を持った職員はトンズラ。
残った職員はいるけれど、お金を持っていません。
夜ももう遅い。そして運転手と言われた人は、騙し会社の職員だと判明。

そういうことか! この会社はお金だけ徴収して車を出す気は毛頭ないのです。
ムカ!! 憤慨してオフィスを見ますがお金はどこにもありません。

そのとき見つけた料金表、裏面を見ると、正規価格が!!
何だこれは!? 私たちの支払いより全然安いぞ!?
ヤラレタ!! まさかボッタクリ用料金表を念入りに作成していたとは!!

オフィス内ベンチには乗客と思われるおばちゃんが1人。
11時に隣の会社のバスが到着して、おばちゃんはそっちに乗り移ろうとした。
おばちゃんはこの騙し会社にお金を払っていないからそれができるのだ。

ムカムカムカ!! 私たちのときは「まず金を払え」とせびったのに。
座席確保をするにはお金が必要だ。なのにトンズラされてしまったのだ。

隣の会社のバスが行ってしまった。
ターミナルはまだ人がたくさんいる。
その人々がオフィスに無用の出入りをしているうちに、職員はいなくなった。
払ってしまった130000アリアリは戻ってこない。

明日になったら警察か、もう、27日に予約したベレンティーロッジには行けないのか。

悔しい。防ぎようがないだけに、悔しい。
あづさ、熱が出てきた。夕方の疲れは前兆か、数時間で40℃の発熱!

和人がオフィスからぼったくりの証拠帳簿でもないかと探すが、出てこない。
深夜1時半、怒りがおさまらない私たちのところに、1人の男。
バスターミナル内の客引きだ。かなり早い時間からあづさに何があったのかと聞いてきた男だ。

120000アリアリを私たちに差し出す。
男は明日、オフィスから騙し取ったお金を取り戻すと言う。

そしてさらに、このターミナルから出るバスは毎日ではないけれど、
この前の道を通るフォールドーファン行きのトラックは毎日あると言う。
私たちは荷物をまとめて、ターミナルの前の路上で、男がトラックを拾う姿を見ていた。

しかし、深夜3時になっても拾えなかった

40℃の熱は辛い。マラリアの可能性は十分ある。
深夜3時から5時まで、騙し会社のオフィスの床のゴザの上で、寝た。

朝5時、男に起こされた。フォールドーファン行きのカミオン(トラック)が来たのだ。
「ああこれでベレンティーに行ける・・・」
私たちは、薄明るい空の下を、苦い気持ちと安堵感に交えながら、出発した。

体を起こしていられないあづさは、和人の足を枕にして横になる。

これから先、丸2日、昼夜にわたる悪路の移動に・・・

  ・・・だめだ体が熱すぎる。今は耐えられそうにない。
本日の旅
行動 :フィアナランツォ観光、ボリ会社との戦い
朝食 :Omby(オンビ、牛肉のトマト煮込み)、Vary Anana(ファーリアナナ、苦野菜入りおかゆ)、Compose(コンポーゼ、そのときそこにあるサラダ系おかずを盛り合わせにしたもの。今回はスパゲティサラダ(パツォン)、ポテトサラダ(ウーフィ)、マカロニサラダ(マカロニ)だった)、Rano vola(ラヌフラ、おこげ茶)/フィアナランツォの食堂
昼食 :Omby(オンビ、牛肉のトマト煮込み)、Kisoa(キソア、豚のトマト煮込み)、Vary(ファーリ、ごはん)、Rano vola(ラヌフラ、おこげ茶)
/フィアナランツォの食堂
夕食 :Akoho(アクー、鶏のトマト煮込み)、Lelany(ルロン、牛タンシチュー)、Vary(ファーリ、ごはん)、Rano vola(ラヌフラ、おこげ茶)/フィアナランツォの食堂
宿泊 :KOFIFI社バスオフィス

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旅情報
1アリアリ=0.056円

*KOFIFI社、フィアナランツォの騙し会社
フィアナランツォバスターミナルにて。
1)オフィスには架空料金表を用意している。
2)車を用意していないのに「ここにドライバーも待ってるから、車は遅れているけど待ってて」という。
3)実はそのドライバーは客を騙すための職員だった。
4)周辺の食堂のおばさんが「この会社はよく嘘をつくから」と他の会社を勧めるほど日常茶飯事の悪業。
5)客を待たせている間に徴収したバス代を持って職員トンズラ。
・・・という、とにかくひどい、強烈なボリ会社でした。フィアナランツォでKOFIFI社には絶対かかわらないことを勧めます。私たちは最終的にはお金もほぼ取り戻せ、定価よりも安い値段でフォールドーファン行きのカミオン(トラック)に乗れたから良いのですが、そんなことができたって、気分は最悪です。