:: 旅735日め : 世界旅117ヶ国め : 和人218ヶ国め : あづさ136ヶ国め ::
■沿ドニエストル
そうだ! 昨日の日記に書き忘れたことがある!
モルドバの首都キシナウChisinauを歩いていて、女性の巨乳に度々目を奪われました。・・・いえ笑い事ではなく、太った女性もスリムな女性も胸がボヨーンと大きいので、今までの国々(日本も含め)の旅感覚からすると、すごく違和感があるのですね。
一緒に歩いている人にそれを言ってみたら、「厚着してると分からん(すなわちつまらん)」なんて言ってましたっけ。ぷぷ。まだまだ寒い時期ですから仕方ないのですが、これが夏日だったら、もっと衝撃的な街歩きとなっていたでしょう^^
さてさて、そんなキシナウ(どんなキシナウやねん)を離れ、今日は移動しますよ。
昨日、キシナウからウクライナへ行く列車は値段が高いことが分かったので、バスでいったん沿ドニエストル(別名トランスニストリア、略称PMR、モルドバ国内で1990年に独立宣言をしたロシア系住民が多く住む東部地域、要はモルドバ本体から分離したがっている地域だが世界諸国は独立非承認)の中心都市ティラスポリTiraspolへ行くことにしました。
モルドバと、モルドバから分離独立したい沿ドニエストルでは、民族構成比率が違うこともあり、たびたび中央政府軍と紛争を引き起こしています(1990年~。92年に停戦合意したが緊張状態は続いていると言われる)。今回は、そんな背景での、モルドバ本体→沿ドニエストルへの移動です。
バスを出て1時間ほどでPMR側入国審査があります。私たちは最初からトランジット(通過)で入国する予定だったので、窓口で「トランジット」と伝えました。トランジットの場合はビザなし(もしくはビザ代無料のどちらか)で入国できるのです。そうしたら、入国スタンプを押すカードには、規則上10時間の滞在期間があるはずなのにも関わらず、およそ「8時間後」の「22:00」と書かれました。・・・えーっと、これって、出国期限時刻だよね? どうみてもそうだよね? つまりはこれにより、私たちの、深夜2時発のウクライナ(首都キエフKiev)行きの夜行に乗るという予定は不可能になりました。くそー。
この川が、基本的にはモルドバ国内の東西冷戦の境界線となっています。
ティラスポリのバスターミナルに着き、時刻表を確認したら、あらら2時間後のバスに乗ってキエフに行くしか手段はなさそうです。沿ドニエストルは独自通貨を使っているので、まずは両替をして現金を得て、バスの切符を買って、あづさが荷物番、和人が食糧買出しへ行きました。
閑話休題。
さて、現在、モルドバ本体部分(沿ドニエストルではない部分)の経済状況は大変厳しい状態にあります。それは、もともと強い産業がない上、国内主要工業地域である沿ドニエストルが独立宣言をし、周辺国から経済封鎖を受けているためです。なので「そりゃあお金稼げる工業生産地域にバイバイを言われちゃったら残るものは少ないよねえ」なんていう発想でいました。
話を元に戻しましょう。
上記背景から、沿ドニエストルの工業地帯はどんなものなのだろう?(→ひょっとして結構すごいのかも!?) と関心はやまやまでした。でも、和人が食べるものを買って帰ってきて、あづさが「この町はどうだった?」と聞いたら、早速帰ってきた答えが「工業地帯しょぼい!」「廃墟!」でした。古い共産主義体制の名残「だけ」が残るところだったのだそうです。
・・・ますますモルドバという国のイメージが、身についてきたかも・・・。
こんなんで果たして沿ドニエストル共和国は独立出来るのでしょうか? そんな心配をよそに、私たちを乗せたバスは沿ドニエストルの草原地帯をひた走り、夜10時頃、PMR側出国手続きを完了したのでした。これ、実に出国期限日時(22:00と書かれたあの時刻)とドンピシャリでした。
なお、国際的には「モルドバ」という国の国境であるにも関わらず、モルドバの出国手続きはありません。あくまで沿ドニエストルの出国手続きだけ。
不思議な感覚を持たずにはいられない、モルドバ&沿ドニエストルの旅も、これで終了です。
本日の旅
行動 :キシナウからティラスポリへ移動、ティラスポリ観光、ウクライナ行き夜行バス乗車
朝食 :パン、紅茶/セルゲイさんち、КВАС(クバス、コーラを炭酸で割ったような飲料)、BELEASまたはБеляш(ベリャシュ、玉ねぎソテーが入った揚げパン)/キシナウの路上
昼食 :Голубцы по-кореиски(ゴルツポクリースキ、にんじん酢漬けのロールキャベツ)、зелбч домашниа(ジェルツダマーツニ、豚ゼラチンを固めたプルプルハム)、パン、白チーズ、капуста(カプスタ、キャベツにんじん千切りとアニスシードの酸っぱいサラダ)/バス車内
夕食 :なし(移動していた)
宿泊 :キエフ行き夜行バス
旅情報
1モルドバレイ=9.1円
1沿ドニエストルルーブル=10.5円
*沿ドニエストルのお金
沿ドニエストルは、モルドバ内の独立宣言地域で、独自の通貨を使っている。ティラスポリのバスターミナルには両替所があり、主要通貨(モルドバレイ、ロシアルーブル、USドル、ユーロ)から両替ができる。沿ドニエストルルーブルは持ち出しても国外では使えないので、必ず使い切ろう。ただし、沿ドニエストル内を北上するバスに乗った場合、途中のトイレ休憩は沿ドニエストル内となるため、小額の「トイレ使用料」が必要になる(北部国境近くの駅では5ルーブルだった)。トイレ代くらいは残しておいたほうがいいかもしれない。