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2016 北東アジア周遊
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中国東北部、シベリア、極東ロシアの旅
Day36 ウスリースク→绥芬河(スイフンガ)
いよいよロシアも最後である。26日間、結構頑張って動いたけど、まだまだ行きたい場所がたくさんある。物価の安いうちにまた来たいと思う。
今日は快晴、最後はゆっくり街を歩きたいところだ。しかし、ネットの不自由な中国を前に、やるべきことがあれこれと思い出され、出発が思ったよりも遅くなってしまった。
宿の近くにも小さなストリートマーケットができていたのを4日目にして初めて知る。
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バスに乗って街の中心にあるドラ公園を訪れる。
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ウスリースクで最低限見ておきたかったのが、ドラ公園にある石の亀趺(きふ)である。ここにあるのは金時代の物。金は女真族(のちの満州族)が建てた国家で、12世紀から13世紀に栄えた。建国時の首都は今のハルビンだが、後に首都を北京に移し、中国の心臓部といえる中原までをその版図としていた。沿海州もその版図であり、ウスリースクは重要な都市の一つとして栄えていたのだ。遺物のいくつかはウラジオストックの博物館にあったが、街の中心部の公園にも一つ残して展示されているのだ。
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バスターミナルに行って、中国行きのバスの切符を買った後に、残金を全部使って昼食をとる。ロシアの最後はやっぱりボルシチ(右側)かと思って注文するも、ここのはこれまで食べたのとまったく味付けが違っていた。
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12時半発の国際バスは満席となって出発した。東ロシアの平原といえば、ここまではずっと荒野だった。しかし、緯度が北海道並みに下がったこの辺りでは、地平線まで耕作地帯が連なっている。
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ロシア側の国境の町ポグラニチニのバスターミナルでしばらく停車。
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ターミナルの裏は市場になっており、ここに買い出しに来た大勢の中国人が大量の買い物をしている。ターミナルの中に入り、ここからのバスをチェックする。ここから中国側の绥芬河に行くだけのバスもたくさんあった。绥芬河まで料金は、1100ルーブルから1400ルーブルで、午前中のバスが高い。今乗っているバスは、ウスリースクから绥芬河まで1250ルーブル。ここで乗り換えたら高くなっていた。
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町のターミナルから国境前まで移動し、そこで今度は1時間以上停車した。バスは1台ずつ国境に入るシステムで、順番待ちなのだ。トラックはトラックで別の列をなしており、バスよりもずっと待たされている模様だ。
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イミグレーションに入るのはバスごとなのに、先を争って列を作らないで割り込みばかりしようとするロシア人に驚いた。ここでは中国人の方がきちんと列をなしている。
ロシア側の国境の町に着いてから中国の入国を終えるまで総計3時間近くかかったが、無事に中国入国完了。バスは绥芬河の国際バスターミナル行きだったが、中国国境からは市バスもあるためか、ターミナルまで乗った人は少なかった。この国境は時差が2時間もあるので要注意。
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丘の上に大光明寺が見え、国際バスターミナルの大体の位置を確認し、街の中心を目指して歩く。
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北海公園。
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路上で中国将棋を興じる人々を見て、中国に戻ってきたなと思う。
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ロシアから買い出しに来る人が多い街なので、ロシア語の看板も多い。ビールはロシアの方が安いのか、味が好まれるのか、大量に運ばれて売られている。
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最初に入った宿がきれいで良かったので即決した。
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まずは明日の列車を確保しようとすぐに出かける。ホテルのある賑やかな繁華街から東に進むと古い建物が集まっている地区に出た。現在病院である写真の建物は、1916年に旅館として建てられたもの。
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現在は宿として営業しているこの建物は1919年に鉄道員の宿舎として建てられたもの。
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1899年ロシアによって建てられた旧绥芬河駅は、つい最近まで現役の駅として使われていた。移転を知らずにここに切符を買いに来て、閉まっていたので??? 現在は数キロハルビン寄りに新しい駅ができている。
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線路を越える橋が、ウラジオストックの新しい橋に似ている。
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1913年に建てられた東正教堂。
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新しい駅まで切符を買いに行くのは後にして、久しぶりの中華料理。
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ビールを飲んで気持ちよくなり、切符を買うのは明日にして散歩を続ける。路上で焼かれる羊の腿。食べたいなーと思うが、お腹いっぱい。
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ホテルの一本下の道が歩行者天国で、夜市のようになっており、賑やか。中国各地の食べ物が出ており、見て歩くだけでも楽しい。
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宿に戻って、インターネットで明日乗る夜行列車の残席チェック。出かける前とほぼ同数空いていたので一安心。今日の同じ列車の出発寸前だが、そちらもまだ残席があり、明日も満席にならず出発すれば良いなと思う。
*本日の宿:鑫海(しんはい)賓館
*本日の移動 バス:ウスリースク→绥芬河