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2023年冬オーストラリア»7日目 ローンセストン-リリコビーチ-ペンギン-バーニー-サマーセット-バーニー-サマーセット
タスマニア州、ビクトリア州、南オーストラリア州、ニューサウスウェールズ州
2023年02月10日(Fri)
7日目 ローンセストン-リリコビーチ-ペンギン-バーニー-サマーセット-バーニー-サマーセット
久しぶりにゆっくり眠って、元気になった。朝食はチーズにベビーリーフサラダとトースト、そしてマンゴージュース、コーヒー、いちご。昨夜の夕食用に買っておいた肉は運ぶことにする。
ローンセストンの観光はパスし、すぐに高速道路を使って西に進む。北部の港町デボンポートまで一気に行けるかと思っていたが、ガソリンの残量が厳しくなり、手前のサッサフラスで一旦高速を降りて給油する。オーストラリアの高速道路は一部は有料となっているが、タスマニア州に有料区間はないので、気楽に乗り降りできる。基本的に給油はセルフサービスで、料金は後払いとなっている。スタッフは外にはおらず、給油の終わった客が店に入って支払うシステムだ。車のキーを給油タンクの蓋に差し込む方式があるなんて全く知らなかったので、最初はガソリンタンクの開け方が分からず苦労した。ここまで約510キロで、ガソリンはほぼ40キロ入った。燃費は13キロ/リットルを割っている。山道だっとはいえ、小型車の割には良くない。料金は72.4ドル≒6800円だった。
デボンポートの街を過ぎ、海岸に出たところが、ペンギンを見ることのできる海岸の1つリリコビーチだ。タスマニアに住むペンギンは、ペンギンの中では最も小さい種類で、リトルペンギンと呼ばれる。明け方海に出て、日没後に巣穴に戻ってくるため、ペンギン観察は日没後となるのが一般的である。昼前の今はペンギンに会える可能性あまりないはずだが、ルート上なので立ち寄ってみた。
駐車場からは観察用の木道があり、そこからペンギンの巣穴が見えている。
木道の先には海岸に降りるゲートがあり、18時以降はペンギン保護のために立ち入り禁止となっている。今は大丈夫なので海岸まで降りて、沖の方を見るが、ペンギンらしき影はなし。
海岸を歩いているとワラビーがいた。ワラビーはカンガルーと同じくカンガルー科の動物で、小型のカンガルーを指している。
さらに歩いていると巣穴の中にいるペンギン発見!寝ぼけているのかあまり動かないが、かわいい。
リリコビーチの20キロほど西にペンギンの名を持つ街がある。愛称ではなく街の正式名称がペンギンである。19世紀後半に開拓されたこの街は近隣に数多く生息していたペンギンにちなんで、ペンギンと名付けられた。残念ながらペンギン町のペンギンは絶滅してしまっているが、町の東にも西にもペンギンの住むコロニーがある。実物のペンギンが見たくて数多くの観光客がやってくる地域なので、ペンギンの名を持つこの町も観光客誘致を考え、町のあちこちにペンギンのモニュメントを作っている。スーパーの入口屋根には大きなペンギン。
あちこちにあるごみ箱もペンギンだ。
最も人気を博しているのが海岸の公園に立つ The Big Penguin と呼ばれる巨大なペンギン。1975に建てられた巨大ペンギンは高さが3.15メートルある。普段は裸のペンギンだが、この日は2日後に開かれるマラソン大会のシャツを着せられていた。
ツーリストインフォメーションでもペンギンの像が迎えてくれる。中はペンギングッズでいっぱいだ。
15分無料の場所で車を停めたので、土産を買う時間はなく、車に戻る。この町は正式名称がペンギンなので、駅はペンギン駅、郵便局はペンギン郵便局、教会もペンギン教会で、ペンギン好きには堪らない町だ。この木造の教会は1903年に建てられたもの。
公園に移動し、昼食をとることにする。昨夜の夕食を宿のキッチンで作るつもりで、スーパーで見つけたワラビーの肉を買っていた。それを食べずに運んだので、今日のランチはどうしてもバーベキュー設備が必要だった。幸い、スマホに入れているアプリで公共のバーベキュー設備の場所がだいたい分かる。なので、今日はバッチリ調べて、この公園にやって来たのだ。しかし、この公園には鴨やハトが異常に多く、バーベキュー設備の周りに集まってくる。最初は目出ていたが、食材から離れると狙ってくるので、途中からは何度も脅して追い掛け回す。
朝の残りのチーズとサラダ、さらにもう一種のチーズも開けて、その横でワラビーの肉を焼く。
ワラビーの肉は、赤身で柔らかく、牛肉に近い肉質で、非常においしい。450グラムもあったが、二人でペロリと食べてしまった。
食事の後は、再びペンギンタウンのメインロードに戻る。今度は2時間無料の場所に停めたので、ゆっくり海辺の公園や店などを見て歩く。そしてツーリストインフォメーションで妻はペンダントなどの土産を購入した。
ペンギンの町を出て、海岸の道を西に進む。やっと天気が良くなり、海がきれいだ。この辺りは点々とペンギンのコロニーがあるらしい。20キロほど走ったバーニー町にリトルペンギン観察センターがある。ここはほぼ確実にペンギンに会える場所として知られており、今夜訪れる予定だが、どんな場所かを見ておこうと立ち寄った。車を停めて歩いているとここでもワラビーに会えた。
さらに西に10分ほど走ったサマーセットにあるサマーセットホテルが本日の宿だ。バーニーに安い宿がなくこちらにしたが、オーストラリアの田舎に残るバーがメインの施設で、客はビリヤードをしていたり、スロットマシーンで遊んだり、馬券を買って競馬中継を見ていたり。宿泊客は他にいなさそう。チェックインもバーのカウンターだった。
しかし、きれいで広い部屋にはホッとする。昨夜は十分寝たとはいえ、その前は三晩合計で一晩分くらいしか寝ておらず、まだ睡眠は足りていなかったよう。少し休もうと思って横になったら4時間以上経っていた。
急いで出発し、バーニーへ戻る。スーパーに行って食料の買い出し。明日から山に行くので五食分のつもりで購入だ。そしてリトルペンギン観察センターへ。20時45分の到着だが、夏時間なのでまだ十分に明るい。昼はほとんど人がいなかったのにびっくりするほど大勢の人が集まっている。しばらくすると巣穴からペンギンの幼鳥が出てきた。
産毛の抜けきっていない幼鳥で親の戻りを待ちきれずに出てきたのだ。
ペンギンは赤い光なら眩しくないそうで、ボランティアのスタッフが赤いランプでペンギンを照らしてくれる。明るい時間だとランプ無しでも見えるが、暗くなってくるとランプは必須。知っていれば持ってきたのにと思う。
日が暮れ、だんだん暗くなってくる。海は結構遠いが、ここの海岸は昼間でもペンギン保護のために降りるのは規制されている。
他の巣穴で待つペンギンもだんだん入口に近づいて姿を見せてくれる。真っ暗になる前なら自分でゆっくり観察できる。
暗くなると親の戻りを待ちきれない子ペンギンたちが付近を歩き回る。羽ばたいている翼は小さくてかわいい。しかし、この翼では全く飛べそうにない。
海からペンギンがいくつかの集団に分かれて上がって来た。しかし、移動は遅く中々近づいてこない。最初は肉眼で見える明るさが残っていたが、途中からはライトで照らさねば全く見えない暗さになってしまった。
ようやく親子が再会! 最初に子ペンギンが姿を現してから1時間以上たってようやく親が戻ったのだった。
宿に戻ったのは22時15分。そこから遅い夕食、というよりチーズとサラダをつまみにワインで乾杯。ペンギンがたくさん見ることが出来て満足した。