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2023年冬オーストラリア»9日目 クレイドルマウンテン-タラ-クイーンズタウン
タスマニア州、ビクトリア州、南オーストラリア州、ニューサウスウェールズ州
2023年02月12日(Sun)
9日目 クレイドルマウンテン-タラ-クイーンズタウン
夜半からずっと雨、明け方はかなり強く降っていた。快晴の昨日に景色は十分楽しんだので雨なら歩きに行くのは止めようかと思いながらゆっくりと朝食をとる。チェックアウトの10時までのんびりしていたら雨は止んだ。山が誘ってくれているかのようにも思えたので今日も歩くことにする。
のんびりしていたのでシャトルバスは10時40分発になってしまった。100キロ離れたところに泊まっていた昨日とスタート時間が20分しか変わらない。
シャトルバスが徐行したと思ったら、すぐ道路脇にワラビーがいる。動物にとっては快晴よりもどんよりとした天気の方が活動しやすいのだろう。ワラビーはバスを怖がることなく、道路を横切って去って行った。
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ダブ湖に到着し、昨日と同じ湖畔にまずは下りてみる。山は雲に覆われ、水面は波立っており、昨日の景色が嘘のように寒々しい場所に思える。
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リラ湖までの5分ほどだけ昨日と同じ道を歩き、そこからは昨日と違う道を進む。道が濡れているので今日は坂のない初級コースを進むことにする。昨日と比べると鳥の鳴き声が色々と聞こえてくる。
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森林地帯を抜けると草原が広がる。平らな歩き易い木道が続く。
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よく見ると草の塊のあちらこちらに穴が開いており、その前にはサイコロのような立方体の糞がある。これはウォンバットの糞なので、穴はウォンバットの巣だろう。やたら数が多いのですごい密度でウォンバットが住んでいるのだと思ったが、実際には中が繋がっている一つの巣穴であることも多く、各入口に一頭でないよう。ウォンバットは糞で縄張りを主張するそうで、目立つ場所にため糞をする。木道は恰好の場所のようで、たくさん糞があった。
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どこかにいないかなと探しながら歩いているとついにウォンバット発見。初めて間近で見たが、第一印象は「コアラに似ている」だ。色もそうだし、顔の形や耳はそっくりだ。思ったよりも巨体でコアラよりはかなり大きい。草食動物のようで一生懸命草を食べていた。
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目の前でウォンバットを観察できたのは一度きりで、後は遠目で一度見つけただけ。それでも十分に楽しんだのでラッキーだったと思われる。
雨が降ってくれば、トレッキング道がバス道と交差するロニークリークのバス停で終わる予定だったが、雨にはならないので、そのままバス道と平行に設けられたクレイドル渓谷ボードウォークを進む。アップダウンはあるが、基本的には下りで、谷には橋が架かっており、歩きやすい道だ。鳥は姿を見せるが、動物は中々姿を見せてくれない。
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幸い雨が降ることもなく、のんびりと木道を歩いてゆく。山火事でできた白骨林地帯があったり、湿原のような場所があったりと、風景が変化してゆく楽しい道だ。
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遊歩道の終点であるレンジャーステーションの周りには短い周回コースが3つ設けられており、一番手前の雨林ウォークを歩く。途中でワラビーの集団に遭遇した。
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ペンシル・パインの滝がトレイルの最後にあたる。ここで滝や鳥を見ながらのんびり過ごす。
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レンジャーステーションから車を置いているビジターセンターまでは近いが、ちょうどシャトルバスが来たので、バスに乗る。メイン道路に出てバスが停車。何かと思ったら蛇が道路を横断していた。タスマニアにいる蛇は3種類だけだが、いずれも毒蛇だそう。
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14時半にビジターセンター到着。15時前には次の目的地クイーンズタウンに向けて車をスタートさせる。
山岳地帯を約1時間走り、最初にある集落がタラである。銀などの鉱山で栄えた街で、鉱石の積み出しのためにここまで鉄道も敷かれていた。道路脇には昔の鉱山で使われたトロッコやクレーンなどが展示されている。
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元鉄道駅にある公園で昼食をとる。昨夜の肉とニンジンを炒めなおした具でサンドイッチ、そしてチーズやジュースだ。
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元鉄道駅は鉄道博物館のようだが、閉鎖している。線路には朽ちている鉄道の残骸がたくさんあった。
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ぱっと見では完全に閉鎖かと思ったが、車庫を金網越しにのぞくと動かせそうな機関車が2台あり、整備道具も並んでいる。つぶれたばかりなのかなと思っていたが、公式サイトを後日に発見。今も時々汽車を動かしているのだった。
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18時前にクイーンズタウン到着。ホテルにチェックインし、すぐに街に出る。ここも鉱山で栄えた歴史ある街だが、街の中に観光スポットがある訳ではない。でも落ち着いた雰囲気の静かなだ。
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街では買い物を済ませただけで、宿に戻り夕食。今夜はカレーだ。
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宿の中庭に焚火スペースがあり、大きな薪も用意してある。雨で薪が湿気ていたが、着火剤を使って他の部屋の客が火をつけていた。私は眠くて先に休んだが、妻は遅くまで火の近くにいて、彼らと語らっていた。