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2025トリスタンダクーニャ、サウスジョージア、南極クルーズ

ケープタウンからウシュアイア3週間の南氷洋クルーズ

2025年11月26日(Wed)

17日目-3 -サウスジョージア・グリトビケン-

 サウスジョージア島は、サウスジョージア・サウスサンドウィッチ諸島という英国海外領土におけるメインの島だ。国際標準化機構 (ISO)が国コードを定めた249ヶ国の一つだが、国の三要素とされる国民がいない。そういうところは今まで訪問国数に数えていなかったが、自己基準に達する未訪問国がなくなり、もう15年も経っている。今回の旅を機に基準を変更し、トリスタンダクーニャと共にここも訪問国として数えることにした。よって今日で訪問国数は248となる。
 18世紀後半からアザラシ猟のために人が滞在するようになり、20世紀に入ると捕鯨基地としてノルウェーやイギリス、アルゼンチンなどから捕鯨船がやってくるようになる。最盛期には6000人もの人が捕鯨基地で働き、冬でも200人ほどの人が暮らしたという。この地で生まれた子供もおり、何十年もこの地で暮らして亡くなった人もいる。その当時なら国の三要素である国民がいたということが出来るが、当時は英領フォークランド諸島の一部であり、国とは言えなかった。
 1985年、サウスジョージア・サウスサンドウィッチ諸島はフォークランド諸島と分けられ、一つのイギリス海外領土となった。しかし、すでに住民はいなくなっており、英国から派遣されてくるイギリス南極観測局職員を中心とする基本一年未満のみの滞在者が住むだけとなっている。
 首都はこれから訪れるグリトビケンだと思っていたが、グリトビケンは人々が19世紀から20世紀にかけて住んでいた捕鯨基地のあった場所の名前で、今はその1キロほど手前にあるキングエドワードポイントが首都なのだった。停船した場所から見えていた建物はキングエドワードポイントだった。
25/11/27 03:19:52
 ここにはサウスジョージア・サウスサンドウィッチ諸島の役所があるので、上陸に手続きがいる。そして役所から来た係官が靴底などについているごみなどを一人一人チェックをし、やっと上陸用のゾディアックボートに乗ることが出来るのだ。
 停船してから一時間以上経って、ようやくの出発、波は全くなく、写真も撮りやすい。
 いよいよ上陸、もうすでに17時半である。砂利浜の上陸地点はトリスタンダクーニャの岸壁への上陸よりも容易で助かった。
25/11/27 04:27:08
 まずは近くの博物館に向かう。博物館と郵便局は18時までなので、すぐ行かないと閉まってしまうのだ。しかし、博物館に続く道にはオットセイが待ち構えている。近づいてはいけないということなので、大回りしてサイドから博物館を目指す。
25/11/27 16:30:24
 山の方は雲に覆われているが、海側は快晴! 雪の天気予報だったが、それてくれたようだ。廃船と壊れた桟橋でも青空だと明るく見える。
25/11/27 04:30:10
 博物館の前にも様々な展示物がある。南アフリカのサイモンズタウンで見たのと同じ鯨油を集めるためのポットがここにもあった。
25/11/27 16:32:02
 博物館は小さいが当時の暮らしが分かる展示物がたくさんある。できればもっとゆっくり見たいが、クルーズ船の乗客が一斉に集まってしまっており、ゆっくり見る気分にはなれない。
25/11/27 04:33:08
 鳥や動物のはく製もそろっており、今回の旅で見た鳥や動物を同定しようとたくさん写真を撮ってみる。鳥の卵で一番大きいのはキングペンギンではなくアルバトロス。右の上から2番目がキングペンギン。一番小さい単語はヒバリ。South Georgia pipit という固有種で、南極地域でさえずる唯一の鳴鳥だそう。
25/11/27 16:37:10
 ここで暮らしていた部屋の再現だが、かなり快適そうに見える。
25/11/27 16:44:00
 クジラの数が減少し、捕鯨が出来なくなった最後になって日本水産など日本の会社が基地を借りることが出来た。最終にいたのが日本の会社なので、日本のものが一番きれいに残っている。
25/11/27 16:46:22
 4日ほど前に学んだ英国の探検家シャクルトンの名を冠したスコッチウイスキーが土産に販売されている。シャクルトンが探検に持ち込んだウイスキーの味を再現したものだそう。スコットランドの会社が作っているウイスキーだ。この国の通貨はフォークランド諸島ポンドだが、UKポンドと等価なので、実質使われているのはUKポンド。1万2千円以上するが、帰国して日本のネットで調べると輸入代理店の定価で5500円。3500円くらいで売っている店が多い。クルーズの乗客は足元見られすぎだ~。
25/11/27 16:38:54
 南極探検の英雄シャクルトンの業績で最も評価されているのが、1915年に南極縦断の挑戦をした際に氷に阻まれ、遭難した後、助けを呼ぶために小さな救命ボートで南極のサウスシェトランド諸島エレファント島から、サウスジョージア島まで、約1,500km を小さなボートで渡ったものだ。その時に使われたジェイムズ・ケアード号のレプリカが博物館横の別館に展示してある。よくもこんな小さな船で・・・。これが南極点到達に敗れたにもかかわらず英国で最も人気のある南極探検家だといわれる由縁なのだろう。
25/11/27 04:49:44
 博物館別館の海側にある巨大な廃墟が、クジラの解体プラントだ。クジラはここで肉はもちろん、脂肪や毛まで余すことなく分別され、出荷されていたのだ。
25/11/27 16:51:42
 もうあと10分で郵便局が閉まるというのに妻が博物館から出てこない。おかしいと思って戻るがもういなかった。時間が迫っているのに博物館の売店で粘るから声をかけて先に進んだのに…。
 もう時間がないので郵便局へ。今のサウスジョージア・サウスサンドウィッチ諸島の収入源の一つがこの郵便局だ。郵便事業は英国本土に任せているのに、コレクターのために独自の切手を発行し、世界のコレクターに通販で販売している。土産物の品ぞろえも博物館より良いくらいだ。しかし、クルーズの皆さんが殺到し会計の列が建物からあふれんばかりに並んでいた。スタッフは不慣れに見える女の子一人で、時間までには終わりそうにない。当然ここで絵葉書を出したかった人も並びながら書いてる感じで、かわいそうだった。クルーズスタッフが預かって次回ここに来た時に投函すると後で言っていたのは、通常サービスなのか、時間足りなかったとクレームが来たから決めたのかw
25/11/27 04:53:42
 私が郵便局に入っているのと同じ時刻に妻は至近距離でペンギンの写真を撮っていた。このペンギンに誘われて郵便局が閉まる時間を忘れたの?
25/11/27 16:59:42
 順路から少し奥まったところにグリトビケン教会がある。見た感じ途中に妻はいないが、教会の中かもしれないのでパスせずに立ち寄ることにする。
25/11/27 04:58:16
 このノルウェーアングリカン教会は1913年に建てられた木造教会で、この地で死亡したシャクルトンの葬儀もここで行われている。傷んで長年放置されていたが、1996年から98年にかけて修復され、今は礼拝などが行われているそう。
25/11/27 05:01:16
 私が境界まで行っている間、妻はペンギンといろいろ戯れていたようだ。
25/11/27 17:00:16
 このエレファントアザラシのメスは、全く動かないので、5分ほど後できた私も同じ写真を撮っている。
25/11/27 17:00:38
 私は同じ時間にまだ教会の中。夏のピーク時でも人口が20数名なのに、ベンチの数が多い。
25/11/27 05:02:12
 丘の上に集まるキングペンギン。彼らは見晴らしの良いところにおり、2人で同じような時間に別角度で撮影している。
25/11/27 17:04:38
 1950年に建てられた新しい宿舎がこの白い建物で、100人が住んだ建物だ。当時は夏の人口500人、冬の人口90人くらいで、大半がノルウェー人だったそう。近くには映画館や銭湯、肉屋などがあったという。
25/11/27 05:06:18
 オットセイ。ここは人の歩く道にやたらといるのでゆっくり観察できる。
25/11/27 17:08:08
 左の船は1928年にノルウェーで建造された捕鯨船。この辺りは捕鯨船の修理や整備が行われたドックだった場所だ。
25/11/27 05:09:22
 やっと私の方にもペンギン登場。右側で写真を撮る女性に見向きもせず私の方に向かってきた!
25/11/27 05:09:58
 また私に挨拶してくれるかと思いきや、水たまりの前で左折したので急いでこちらから会いに行く。
25/11/27 05:10:56
 集落の奥にある墓地の前でいつも船のバーでカクテルを作ってくれるバーテンダーのお兄ちゃんが、シャクルトンウイスキーを持って待っていた。こういうサービスが今回の船の気が利いているところだ。売っているのを見てどんな味だろうと考えた後なので、すごくうれしかった。先について待っていた妻は、なんともう2杯目だそう。
25/11/27 17:11:24
 この地で死んでここに埋葬されたシャクルトンの墓の前で献杯。
25/11/27 17:13:24
 そのあと墓地の奥でシャクルトンウイスキーを味わっているとクルーズの専属カメラマンがいつの間にか写真を撮っていてくれた。
26/01/24 10:12:24
 帰りは2人でゆっくりと海獣やペンギンを見ながら歩く。相変わらずアザラシはグデーっと動かない。
25/11/27 05:14:02
 それに比べオットセイは活発でかわいらしい。
25/11/27 17:30:28
 川の近くに発電所があった。閉まっているがガラス越しに中をのぞく。
25/11/27 05:35:16
 ここまでキングペンギンばかりだったが、ジェンツーペンギンが海沿いでグデー。
25/11/27 05:38:38
 手前3匹がナンキョクオットセイで奥がミナミゾウアザラシ。オットセイは小さくて活発で、アザラシは大きくて動かない。
25/11/27 05:40:26
 さらに歩いていると道をオットセイの子供が走るように横切った。
25/11/27 05:47:46
 出産したばかりでアザラシのごとく動かない母オットセイに赤ん坊オットセイがまとわりついている。
25/11/27 17:55:48
 クジラは解体し余すところなく利用するというが、骨はたくさん残っていた。建材やアクセサリーに使うこともあったようだが、やはりこれは余ったのだろう。
25/11/27 05:58:12
 何か所かで見たサウスジョージアの紋章。オットセイとマカロニペンギンが下部に描かれている。サウスジョージアで知られているペンギンは、キングペンギン、ジェンツーペンギンともう一つがこのマカロニペンギンだ。これも見たかったが今回は見ることが出来なかった。初期の捕鯨船で持ち込まれた家畜は牛や豚、トナカイだったが、牛や豚はこの土地の冬に耐えられず育たなかったそう。トナカイは冬越えをし、一部は逃げて野生化し、どんどん増えたという。島にいる唯一の大型陸上動物となったので紋章の図案に選ばれたのだろう。その後、増えすぎて島の植生を食い尽くしそうな事態となり、駆除され、2014年に絶滅が確認された。同じく人が持ち込んでしまった動物にネズミがいる。これも駆除が決まり、2015年、完全駆除に成功したのだそう。
25/11/27 18:00:26
 ここでもアジサシがたくさん飛んでいた。
25/11/27 18:00:46
 ぼろぼろの桟橋にも自由に入れてしまうのが、こういう場所の良さでもある。
25/11/27 18:01:30
 時間が余りそうだったのでキングエドワードポイントに向かったが、気が付いたクルーズスタッフにそこは許可がないと行けないと止められてしまった。時間的に行ってもすぐ引き返すことになりそうだったので素直に引き返す。しかし後で調べたところ、グリトビケンの上陸許可の範囲に含まれると政府のウェブサイトに書いてあった。いい加減なことを言いやがって・・・w
 帰りのボートの時間に上陸地点に戻ったが、次のボートはまだおらず、まだ時間がかかりそうなので、待機せず、少し戻る。
25/11/27 06:19:40
 歩いていなかった博物館の裏通りなどを歩く。裏通りは朽ちた遺物も見当たらず、普通の村っぽい気がする。でもこちらで泊まる人はおらず、今はスタッフも全員キングエドワードポイントに帰っているという。博物館が閉まってしまい人のいなくなったグリトビケンはやはりさみしい場所に感じた。
25/11/27 18:22:50
 90分ちょっとの上陸時間。満足してゾディアックボートに乗り込む。時間がなくいつものブリーフィングができないからと、ボートに乗る時に明日の説明を受ける。「今日は天候にも恵まれ早朝から頑張ったので、3か所訪問が出来た。予定がこなせたので今夜からもう南極に向かう。」とのこと。元の予定ではサウスジョージアは2日間で4か所のはずだったのに~~~~。でも嵐の迂回で予定よりも一日遅れていたので仕方ないのかな。明日もあると思っていただけに離れるグリトビケンを見て名残惜しくなってしまう。
25/11/27 06:36:12
 20時過ぎに船に戻ってすぐにレストランに移動する。今日の夕食は夕食としては久しぶりのビュッフェスタイル。乗客がバラバラに戻ってくるのでアラカルトは難いのだろう。ビュッフェの方がサーブを待たなくていいので今日のように遅くなった日はありがたい。昼食にワインを楽しみ、グリトビケンでもウイスキーを飲んだのに、またもやワインを注文する。とってきたおかずもつまみになりそうなものばかりだ。
25/11/27 19:07:36
 食事途中の20時半に出航。
 白ワインも進められ、両方いただく。白が特に美味しく、白はお代わりもしてしまった。
25/11/27 19:15:50
 今日はデザートの種類が多く、デザート用のテーブルまで出ていた。食べたのは、チョコレートコーヒーケーキとココナッツロール。
25/11/27 19:58:42
 食後にバーへ移動し、今日もカクテルを注文する。ナティアイリッシュ、カンパリソーダ。
25/11/27 20:10:00
 カクテルを堪能しながらピアノコンサートを楽しむ。今日は早朝から3時台に起きたためか、遅い時間にコンサートに来ている人は少なく、いる人もみな眠そう。我々も最後まではおらず、部屋に戻って就寝。
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