朝5時半、初めて南極大陸が見えた。曇天だが波は穏やかで、流氷も少ない。これは南極大陸上陸が出来そうだとうれしくなる。

しかし、6時半頃にもう一度外を見ると一面に氷が広がっている。岸はすぐそこで、これなら行けそうな気はするが・・・。

不安に思っていても仕方ないので、ベランダで南極大陸とその周辺の氷を見ながらコーヒータイム。

7時過ぎに停船。波は穏やかなまま。これからスタッフが上陸地点の調査に行くのだろう。

7時半にいつもの朝食。しかし、今日の行動が決まっていないので、落ち着かない。

食事中にアナウンスが入る。全員が上陸可能な地点だと判断し、今いるケープデュブゼ(Cape dubouzet)で上陸するという。南極本土上陸だ! レストラン内で歓声が上がった。
8時に食事を終えて外を見るとスタッフが何人も乗り込んだゾディアックボートが岸に向かうのが見えた。後で聞いたところ、スコップを持って上陸地点の雪ならしに向かったのだった。

「上陸は準備が出来次第、予定を早めて決行する。それまで船室で待機するように。」とのアナウンスが入る。しばらくして最初のグループの呼び出しがかかる。いつもグループは3つに分けられており、日によって順番は入れ替わるが、今日の我々は最後のグループ。順番が来るのが待ち遠しい。乗船場所の混雑を避けるためにアナウンスが入るまで部屋で待機と指示されているが、今日は待ちきれずエレベーターの前まで行ってしまう。8時50分頃、乗船場所へ行くようにアナウンスが入った。すぐに乗船場所に移動。
9時にはもうゾディアックボートに乗って南極大陸に向かっていた。

9時5分、ついに南極大陸に上陸! 天気予報が良くないので、上陸時間は45分だけの予定。
上陸地点は雪のない砂利浜で下船は問題なし。ただそこから雪を登って平らな部分に出なければならないために、スタッフは雪の階段を作り、上まで行くのに補助もしている。

岸から上がる部分の雪は柔らかだったが、上に出ると固い雪で普通に歩ける。時間制限があるからか皆さんどんどん進んでいる。

周回コースになっており、要所要所にスタッフがいる。前のグループに追いついてしまうと人が多すぎるので、この辺りからはゆっくりと進んだ。

小さな丘の上にジェンツーペンギン。

ここが一番高い場所ということもあり、ここで記念撮影。

雪がちらつき非常に寒かったが、ペンギンにとっては夏で暑く、雪の上でゴロゴロしているペンギンも多い。

雪の下は氷の板で固いので歩きやすかったが、時に氷の下が空洞で、踏み抜いてしまうこともある。

アデリーペンギン! JR東日本のSuicaのキャラクターのモデルになったのがこのアデリーペンギンで、目の周りが白いのが特徴。ペンギンズバーのマスコットとしていつもカクテルとともに写っているペンギンもSuicaのグッズなので、このアデリーペンギンだ。

滞在時間は結局55分で終わってしまったが、最後になって天気が悪くなり吹雪いてきたので、急いで船に戻る。
戻った時のウエルカムドリンクはホットミントティーで冷えた体にはありがたい。
昨日は夕食後遅くまで外にいたためか風邪の引きかけで、2人とも喉が痛い。それでも南極上陸がうれしくて、着替えをして、すぐにバーに行く。バーテンダーのお兄ちゃんに風邪の引きかけに良いカクテルと相談するとホットトディを作ってくれた。甘くて暖かい上にレモン味ですっきりしていて、のど越しはすごく良かった。

船は2か所目の上陸地点を探しながら岸に沿って進んでいるはずだが、外は吹雪いてきて陸地は見えない。それでも氷の塊が次々流れてくるのを見ながら飲むカクテルは格別で、心地よい。今日もペンギンたちが乗っている流氷が次々やってくる。

気分がよく、そのままカクテルをお代わり。2杯目はアイリッシュコーヒーだ。

雪や止んだのでデッキに出てみると鳥が歩いていた。サヤハシチドリ(Snowy sheathbill)。南半球の寒い地域に住むチドリの仲間。くちばしにシート状の組織がかぶっているのでさや(鞘)はし(嘴)と名付けられている。

本日のランチはフィリピン料理。シェフはフィリピン人が大半なのでまさに本場の味が楽しめる。どれもが白飯に会う味で、ワインはいらない。

スープはエビ=ヒポン(Hipon)の入ったシニガンナビポン(Sinigang na Hipon)。シニガンはタマリンドを使った酸味のあるスープで家庭料理の定番だ。

デザートはココナッツライスプディング。

午後もどこかで上陸するはずだが、場所は状況次第ということで決まっていない。雪は降ったりやんだりで、見通しが立たない様子だ。不安に思いながら部屋で次のアナウンスを待つ。
****この日も長くなるので日記は2分割。21日目-2に続く。****