この日も夜中に州境を越え、パブロダール州に入っている。
4時半頃、人々の動きと明るさで目が覚める。大きな駅に停まっている…、州都のパブロダールだ。パブロダール州で下車できるほどの時間停車する駅はここだけなのだ。慌ててホームに降りたが、すぐにもう乗れと言われてしまう。夜明け前だが、すでに明るい。
パブロダール出発は4時55分。出発してすぐに大きな川を渡り、耕作地の広がる平原出る。パブロダールの巨大工場が遠くからずっと見えていた。

隣町レニンスキにあるジョルクドゥク駅に停車。ここからでもパブロダールの工場の煙が見えている。

6時頃に日が昇り、列車の真横かっら日が射している。

早く起きすぎて眠くなり、7時半頃にベッドへ戻る。
再び目が覚めたのは9時半。寝ている間にまた州境を越え、アバイ州に入っている。この辺りはまだ亜寒帯気候だが、半乾燥地で場所によってはステップ地帯のようにも見える。馬が放し飼いされている。

9時50分、チャガン駅に停車。終点が近づいてきた。

10時半、タルディンが最後の途中駅。町から離れており寂しい駅だ。

セメイの街に入ると左手に見える大きな新しいモスクはアバイモスク。

セメイを二分するエルティシ川は、北極海に流れ込むオビ川の支流の一つだ。エルティシ川の上流は中国まで続いており、源流から河口までの長さは5570キロ。世界で4番目に長い河川なのだ。川を渡るとすぐに終点セメイ駅だ。

11時22分、定刻ぴったりにセメイ駅到着。3泊4日、62時間42分の列車旅がここで終了した。楽しい列車旅のおかげで、体調も随分良くなった。何とか帰国までがんばれそう。

駅前にはタクシーの客引きが大勢いた。国境までと呼びこんでいる。ここからロシア国境は近いのだ。予約したホテル方面への市バスもあるが、アクタウ同様に基本がQRコード支払いで払うのが難しそう。そんなに遠くないので歩くことにする。
駅前広場の騎馬像はカバンガイ・バティル。18世紀の軍人で、カザフ民族解放運動の英雄。

セメイは1718年にロシア人が築いた街で、中央アジアの街というよりもシベリアの街に雰囲気が似ている。シベリアでよく見かけた木造建築の建物は、シベリアの旅を思い出すものだ。

「カザフスタン民族の団結」というテーマで2023年に制作された壁画。

ホテルまでは2キロ強。元気になったと思っていたが、食事が少しできるようになっただけで、6日間もまともに食事できなかったのだから、体力はかなり落ちている。結構きつい道のりで、ホテルに着いたときはほっとした。
1時間半ほどホテルで休んだ後、散歩に出かける。市場で昼食。まだ一人で一食分食べるのは難しいので、私は食べるつもりがなかったが、2種類のラグマンの食べ比べをしたいという妻の希望に妥協して二人で二品注文。
一品目は、スルラグマン(スープラグマン)。スープと言ってもうどんみたいにスープに入った麺というのではなく、スープは麺が浸っているだけ。

もう一つは、ツォミャンラグマン。面が短いラグマン。

今日は朝からリンゴくらいしか食べていないので一人分くらい食べられると思ったが、胃が小さくなっており、半人前くらいしか入らなかった。
食後は市場を散歩。内陸なのに鮮魚がいっぱい。

広大な敷地に小さな店がたくさんある。中央アジアの市場で見るものは何でもあるかな。

肉売り場はきれいで清潔感のある建物。肉の種類でコーナが分けられている。左上の看板は絵でわかるように羊肉。上がカザフ語の羊肉で、下はロシア語。他には牛肉の看板、馬肉の看板などが目についた。

ビクトリー公園の飛行兵士の像。いかにも旧ソ連時代のモニュメントだ。

同じ公園の中心には永遠の火。奥に見えているレンガ色の建物は泊まったセメイホテル。ソビエト時代に建てられた当時には街を代表する建物で、高級ホテルだった。

16時前にホテルに戻った。バスタブにお湯を張って、湯舟を堪能する。
夕食はスーパーで買った馬乳酒。

そしてバウルサク。カザフの伝統的揚げ菓子。

まだまだ食が細くて、体力がないが、旅は続けられそう。という訳で、この先のルートを寝るまでいろいろと検討する。そして次の行き先を決め、列車予約と宿予約をして就寝。