朝食は昨日買ったソーセージとパン、リンゴ。
日本出発前に妻は11針縫う大けがをしている。最初は出発前に抜糸できるという話だったが、回復が間に合わず、抜糸せずに出発となっている。そのために、毎日傷口を洗って消毒し、薬を塗り替えて包帯を巻き直す処置をしている。テント泊の時はきれいな水がないことが多く、その点で適切な処置に苦労した。今夜もワイルドキャンプ予定な上に、途中に水場はなさそう。出発を遅らせ、今日は出発前に処置をする。傷口はもうふさがってきたようだが、今は糸の縫い目が赤くなっており、かゆくてしかたないという。本来なら抜糸を済ませている時期ということもあり、妻は昨夜自分で2ヶ所の糸を切り、一部の抜糸をしている。今朝はそこをじっくり見させてもらうが、問題はなさそう。あと数日様子見し、抜糸した場所に問題が発生しなければ、全部取ってしまおうということに。
10時過ぎに出発する。宿の前のハイウェイは世界遺産でもあるクルアーニー国立公園の境界線になっており、道路の左側は既に世界遺産である。

10時45分にクルアーニー湖に到着し、景色の素晴らしい湖畔で一休み。砂浜の辺りは国立公園の敷地を外れているので、自由にキャンプができる。ここでテントを張っている人もいた。ちなみに国立公園内のキャンプは有料で事前申請が必要になる。

さらに20分ほど走って、スリム川周辺にある4つのトレイルの基点となる駐車場にやって来た。昨日インフォメーションでお勧めされたシープクリークトレイルを歩くためである。往復10キロでかなり高低差のあるトレイルだ。自己判断で抜糸した日に無理はしたくないということで、妻は歩かないで待つという。違うコースも考えたが、途中のビューポイントまででもよいと勧められたこともあり、一人で行くことに。登り坂が始まるまでの数百メートルだけ一緒に歩き、そこで妻は引き返した。

待ってもらっているのでペースを上げて歩くが、予想外に坂がきつくて、大変だった。40分歩いてビューポイントに到着。確かに景色は素晴らしい。氷河がいくつも見えているが遠くばかりで、少し残念。先日のベアー氷河の方がずっと迫力があった。

このトレイルはここからは平坦で、最後に下ってマウンテンシープのいるシープクリークのほとりに続いている。行きたくはあるが、車で待ってもらっているので予定通りここから引き返す。往復約90分のトレッキングだった。
駐車場からハイウェイに出る道の途中でリスがいた。歩いている時にいたリスはすぐに逃げたのに、このリスは逃げない。食事をしていたのだが、嬉しそうに目を細めそしゃくする様子が、本当にかわいかった。

国立公園内の道がハイウェイに合流する辺りは、スリム川がクルアニ湖に流れ込む場所で、デルタのようになっている。そこに2頭の灰色熊が悠然と歩いていた。

しばらくするとアラスカハイウェイは国立公園から離れ、山並みは遠くなる。
14時20分、クイルクリークにあるレストエリアで休憩。高台になっており、クルアーニ川の流れる谷が見下ろせる。

レストエリアで昼食。朝と同じメニューの食事である。これでアラスカに持ち込めない果物や肉類は全部食べ切ったことになる。

17時前にカナダのイミグレーションが見えてきた。出国は基本的に審査なく、素通り。

イミグレーションから25分走って、ようやく本当の国境に到着した

その2分後にはアメリカのイミグレーションに到着する。交通量は非常に少なかったのに、ここでは列が出来ている。入国審査は厳しいのだろうか?

しばらく待って自分たちの番に。少しの口頭質問の後、車を駐車して建物中に入るよう言われる。外国人だけ入国に料金がかかり、中で2人分12ドルを支払う。荷物チェックをされている車もあったが、我々は免除され、無事入国手続きが完了する。並んだ時間を入れても20分ほどですべてが完了した。バンクーバー時間の17時40分、アラスカ時間の16時40分だ
10分ほど走ってテトリン国立保護区のビジターセンターに立ち寄る。ベランダからテトリン国立保護区がよく見える。しかし営業は16時までで、トイレも閉まっていた。

この辺りなら良さそうなキャンプ地もあるが、食料がないので最初の街であるトックに向かう。19時過ぎ、トック到着後、まずレストランへ入った。しかし混雑しており、あまりに時間がかかったので出てしまい。まず給油。そしてスーパーマーケットへ。スリーベアーズアラスカというスーパーで、3頭の熊が目印だ。この熊は、アラスカにいる3種類、つまり、黒熊、灰色熊、白熊を意味している。

カニ足の大袋があり、さすがはアラスカと思って買ったのだが、よく見るとカニ風シーフードとある。タラが原料のカニカマ~。しかし、縦に裂ける身の見た目はカニ足そっくりで、味も結構似ている。カニカマもここまで進歩しているんだと感心してしまった。

お腹いっぱいカニカマを食べ、20時半に出発。21時過ぎにジャン湖到着。湖畔でのキャンプが人気の場所だが、湖畔に出る道がぬかるんでおり、あまり走りたくない感じ。

テントは駐車場に張ることにして、車の中で夕食の続き。カニカマは32オンスパック。1キロ近くあるので、まだまだある。カニカマだけだと飽きるので、ホッティーという胡瓜の辛いピクルスも食べた。

ジャン湖周辺はあまりに蚊が多いので、もっと進むことにする。21時でようやく夕方になってきた感じだが、太陽の沈む角度が水平に近いので、太陽はここからまだまだ沈まない。

ワイルドキャンプが出来るという場所に行ってみたが、そこも蚊が多く、さらに進む。1時間ほど走ったガースル川の辺りでもまだ太陽は出ていた。

この日はガースル川近くのキャンプ場で泊まることにした。到着は23時前、本日の走行は594キロだった。
トイレや炊事場もあるちゃんとしたキャンプ場だが、テント場は草ぼうぼうで蚊が多い。風が通って比較的蚊の少ない駐車場にテントを張る。
