ホステルの食堂が居心地良いので、妻は朝早くから起きて色々やっていたそう。私は少し寝坊。8時頃に朝食をとる。すぐに出るつもりだったが、そのままのんびり写真整理などする。気が着いたらチェックアウト時間の10時を過ぎており、急いで出発準備。走り出したのは10時20分だった。
ゴールデンは小さな町なのでハイウェイに入るとすぐに美しい山々が迫ってくる。

ブリティッシュコロンビア州内には時差があり、ゴールデンまではアルバーター州と同じ時間だが、グレイシャー国立公園に入るとバンクーバー時間となる。
1時間ほど走ってロジャーズ峠にあるグレイシャー国立公園のビジターセンターに到着する。周りの山々が美しいビジターセンターだが、ここも工事中で中の施設の大半が閉まっていた。

本日の宿泊地となるイレシールウェイットキャンプグランド到着は11時前。本日の走行は87キロ。
サイトを決めてテントを張り、支払いなどを済ませ、火をおこす。まだ昼前だが、ゴールデンまでの時間だと昼を過ぎており、もう空腹。焚火をしながら昼食をとり、せっかく火をつけたのでデザートには今日もスモア。
12時40分から、一人でトレッキングに出る。このキャンプ場からは4方にトレイルが伸びており、どの道を歩くか迷ったが、地図を見て一番景色の良さそうに思えたアヴァランチクレスト(Avalanche Crest)のコースを選び、歩き出す。往復10キロ、標高差800メートルでコースタイムは5時間だ。一昨日歩いたコースよりも道幅は狭く、傾斜もきつい登山道だ。

どんどん標高を上げていくと景色は徐々に良くなるが、林が続き、写真ポイントがない。

1時間半ほど歩いたところに川があり、水はすごく澄んでいる。

さらに歩いていると、いきなり蜂に刺された。なぜ襲ってきたのかさっぱりわからないが、近くに巣があったのだろう。結構痛いのでしばらく座り込み、戻ることも検討したが、大丈夫そうなので、進むことにする。
ようやく森林限界の高さに達したようで、景色は開け、気持ち良い。

景色は十分に良くなったし、予想以上に傾斜がきつく疲れたのと蜂に刺されたのが腫れてきたのとで、引き返そうと思い、しばらく休んでいた。すると上から人が降りてきて、素晴らしい景色だったと絶賛されてしまう。3ヶ月カナダを旅行してるけどここが一番だとのこと。そうまで言われては行くしかない…。

尾根道に出たところで鳥がきれいに鳴いていた。そういえば今日は動物どころかとりさえほとんど見ていない。

尾根上に峰がいくつもあり、そのうちの一つにエンドオブトレイルと書かれた柱が建っていた。疲れていたのでもっと時間がかかったと思っていたが、出発してから2時間50分で到着である。

まだまだ尾根は続き、さらに高い峰が点々と延びているが、もうここで限界。頂上からの景色を堪能する。

360度のビューがある場所で、眼下の谷底には午前中に立ち寄ったビジターセンターが見えている。

尾根の先、一番高い山まではもう本格的な登山であり、トレッキングで気楽に進む道ではないのだろう。

帰りはほとんど下りばかりなので、さほど休む必要もなく、どんどん進めた。それでもテントのところまで戻りついたのはもう18時半。6時間近くかかったことになる。
氷河からの川で妻が冷やしてくれていたビールで乾杯! つまみは、ベーコン、チーズ、ナッツ、ピクルス、そして玉ねぎとレタス。

焚火で缶詰のヌードルスープを温め、主食にする。ここのキャンプ場も他と同じで薪はあるが、太い。基本は自分の斧を持ってきて割るのがカナダのキャンピング。まあ割らなくてもよく燃えるので問題はないのだ。

トレッキングに行かずキャンピング生活をのんびり楽しんだ妻はご機嫌だ。

一方、私は蜂に刺された腕が腫れてきてジンジンするし、日ごろの運動不足が祟って6時間のトレッキングでもうヘトヘト。なので、ただボーっと火を見ながら幸せに浸る。