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2023-24年地中海»2日目 上海-イスタンブール
2023年12月12日(Tue)
2日目 上海-イスタンブール
辺りが騒がしくなり、目が覚める。0時半、搭乗が始まるところだった。急いで準備し、イスタンブール行きの航空機に搭乗する。離陸はほぼ定刻の1時15分だった。
上海からイスタンブールはノンストップで約12時間の予定だ。時差が5時間あり、到着予定時間はトルコ時間の朝8時半である。深夜発ではあるが、12時間のフライトということもあり、機内食は夕食と朝食の2回となる。この夜としては2度目の夕食だが、8時間経っているので十分空腹になっており、美味しく食べることが出来た。しかし、この長距離フライトでもアルコールはビールのみだった。
朝食も夕食とボリュームに大差なく、お腹いっぱい食べられた。写真のもののほかにパンを配ってくれるが、デザートまで食べ終わってから来るのは何とかならないのかとは思う。
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8時45分、定刻よりも若干遅れてイスタンブール空港に到着する。2018年に開港したばかりの新空港で、滑走路からターミナルがすごく遠かった。きれいなターミナルを見て、前回イスタンブール空港に来た時も新しい空港できれいだと思ったのを思い出す。それから20数年しかたっていないのに、旧空港は既に閉鎖済み。空港の寿命はそんなに短いのだろうか。調べてみると2001年に旧イスタンブール空港には新しいターミナルが建設され、その年に訪れているのだった。キャパシティーの問題で新しい空港を建設するのは仕方ないが、新ターミナルを建設して20年経たないで閉鎖してしまった旧空港はそんなに問題があったのだろうか。街に近くて便利だったのに。
新空港は街から遠く、不便な場所にある。開港後しばらくはエアポートバスしか交通機関がなく、ただでさえ遅いのに渋滞に巻き込まれることもしばしばだったそう。幸い今年からメトロが開通しているが、まだ空港からイスタンブールの郊外までしか繋がっておらず、中心部に行くには2度も乗り換える必要がある。メトロ終点からバスに乗ると1度の乗り換えだけなので、時間はかかるが、メトロとバスを乗り継いで、イスタンブールの中心部にあるガラタ橋までやって来た。それほど時間をロスしたつもりはないが着陸してから3時間かかっている。金角湾にかかるガラタ橋は橋の下がレストラン街になっているイスタンブールのランドマークだ。
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昼なので名物のサバサンドを食べることにする。以前は船の上で焼いているのを岸から購入して食べる立ち食いだったが、今はテーブルとイスが並べられた食堂になっている。注文やサンドイッチの受け渡しは奥のカウンターだが、その奥は海で、サバを焼いている調理場は昔と同じ船の上だ。
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分厚いサバを贅沢に挟んだサンドイッチは一つでお腹いっぱいになるサイズ、有名になるのが分かるおいしさだ。しかし一つで100リラ=500円もして、安くはない。
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ガラタ橋周辺を少し歩いた後、トラムに乗ってホテルに向かう。ホテル代も昔に比べると非常に高くなっているが、どこもそうなので仕方はない。安い部屋を予約していたが、空いているからとアップグレードしてくれ、少しうれしくなる。
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当初の予定ではここからリビアに飛ぶはずだった。航空機のネット予約はできたものの、購入は3日以内に現地でというシステムで、購入できず。2社飛んでいるのだが2社ともそうだった。リビアは現在旅行会社に全手配を依頼しないとビザ取得が出来ない。飛行機予約ができた時点で依頼してしまっていたので、変更は効かず、リビア入国までの日程は厳しくなっている。ここは1泊だけで明日にはチュニジアに飛ぶ計画だ。リビアはEUの制裁でEU諸国からの航空便はなく、トルコがダメならエジプトがチュニジアから飛ばねばならないのだ。
部屋で休んでしまうと時差ぼけで寝てしまいそうなので、荷物を置いてすぐに観光に出る。まずは東ローマ帝国の首都コンスタンティノープルの競馬場だった場所へ。ここにはテオドシウス1世のオベリスク(写真奥)、蛇の柱(写真左手前)と切石積みのオベリスクの3本が並んで立っている。蛇の柱は紀元前5世紀にペルシア戦争の一部であるプラタイアの戦いの戦勝を記念して作られたもので、4世紀頃にここに持ち込まれたと伝えられている。2本のオベリスクは紀元前1490年にルクソールのカルナック神殿に建てられたもので、4世紀にエジプトから運ばれている。
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そしてブルーモスク。正式名称をスルタンアフメト・モスクといい、17世紀に建てられた。「世界で最も美しいモスク」と評される素敵なモスクだ。
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ブルーモスクは外観も素晴らしいが、中も素晴らしく何度来ても飽きないところだ。
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ブルーモスクと双璧をなす美しいモスクがアヤソフィア。元々は6世紀に建てられた正教教会で、東ローマ帝国がほろんだ15世紀からはモスクとして使用されてきた。1935年からは博物館となっていたが、2020年から再びモスクとして復活した。
ブルーモスクが空いていたのに、アヤソフィアには異常に長い行列が出来ていた。これは並んでも今日中には入れないのではないかという長さである。時間が惜しいので外観だけに次に進むことにする。この時は知らなかったのだが、モスクなのに1月15日からの有料化(25€=4000円!!!)が決まっていたために皆さん並んでいたのだった。
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美しいヌールオスマニィエモスクが見えてきたら、有名なグランドバザールはすぐそばだ。
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以前のグランドバザールは客引きが非常にうるさいバザールだったが、今回はおとなしい客引きばかりで、少し寂しく思ったほど。でも広いバザールは見ていて飽きないおもしろい場所だ。
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トルコといえばトルコチャイにトルココーヒー。グランドバザール内には雰囲気の良い茶店がたくさんあったが、驚くほど高くてビックリしてしまった。完全にもう観光客向けのバザールとなってしまった感がある。
グランドバザールから出て宿近くに戻ると地元のおやじたちが集う昔ながらの茶店があり、ここでチャイを飲む。
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夕食を食べに宿近くのチーキョフテ専門店に行く。キョフテはミートボールで、トルコではよくある食べ物だが、火を通さない生肉のキョフテだという。チーキョフテはクルドで食べられているお祭り料理らしく、この店でもお祭り用の大皿の写真が飾られていた。しかし、生肉の料理を店で出すのは難しく、引き割り小麦を生肉の代わりに混ぜ込んでいるという。注文の仕方が分かららず戸惑っていると、一つ味見にくれた。美味しい! 宴会用にはこの形で出しており、注文はキロ単位。
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普通の食事用にはサンドイッチかロールにしてくれるというので、ロールを頼んでみる。これが肉入りならかなり重い食事になりそうな量だが、ベジ料理なのでサクッと食べることが出来た。妻が作り方などいろいろ質問したからか、初めて来た日本人だからお金はいらないといわれてしまい、ごちそうになった。
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夕食には物足りない量だったので、さらに散歩した後、ロカンタに入る。ロカンタは作り置きの料理が主体の安食堂だ。パンは基本的に食べ放題となっている。
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最後に土産物屋に立ち寄る。昔は安い宿と安いロカンタが多かったこの辺りだが、土産物屋や旅行会社が軒を並べるようになっており、驚いた。