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2023-24年地中海»6日目 スース-エルジェム-スファックス
2023年12月16日(Sat)
6日目 スース-エルジェム-スファックス
パッキングを済ませてから、朝食に出る。グランドモスクの前でフリカッセと呼ばれるサンドイッチを食べる。ふわふわの揚げパンに具を挟んだサンドイッチで、油分がサクサク感を出しており非常においしい。
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次々と皆さんフリカッセを買いに来る。チュニジアでは非常に人気の朝食メニューだ。
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宿に戻って荷物をピックアップし、鉄道駅へ。チュニス始発の列車だが、ほぼ定刻の8時半頃に列車はやって来た。電化はされておらず、ディーゼル機関車が客車を引いている。元々は指定席で、1等車、2等車とあったようだが、車両はボロボロになっており、等級の区別さえしていない。
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エルジェムまで1時間のはずが、1時間40分もかかってしまった。。逆方向の列車が遅れて、すれ違い待ちが長かったのだ。
無事にエルジェムに到着。駅前はにぎやかな市場になっている。荷物を持ったままなので、ゆっくり見ることは難しいが、市場を見ながら、遺跡に向かう。
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市場を抜けて、商店街を進んでいくと正面に円形闘技場が見えてきた。3世紀に建てられたローマ時代の円形闘技場は世界遺産にも登録された見どころだ。
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市場や商店街を歩いていると美味しそうなものがたくさんあり、円形闘技場に入る前に早目の昼食をとることにする。
朝のフリカシと同様にチュニジア名物のサンドイッチであるチャパティを注文する。インドのチャパティと違って厚みのある丸パンを開き、鉄板の上で具をのせ温める。
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鉄板の上で十分アツアツになったら、2枚で挟んでサンドイッチにする。上の写真の下2枚でサンドイッチにしたのが、チャパティフリート。フライドポテトサンドイッチだ。上の2枚は野菜の下に6Pチーズをのせてあり、チャパティフロマージュと呼ばれるチーズサンドイッチとなる。
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円形闘技場正面の見晴らし良い場所で、先ほどのチャパティーを食べる。
写真右下の小屋が切符売り場で、荷物もここで預かってくれた。
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闘技場は楕円形になっており、ローマ時代には剣士の戦いや戦車の競争に使用されていた。オリジナルが残っている部分に比べ、修復された左側観客席はきれいで浮いた感じがする。
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建物内部の通路も趣きがあり、素晴らしい。1979年の世界遺産登録以降は修復が続けられ、今も工事をしている場所が多かった。
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円形闘技場の観光を終え、街はずれのエルジェム博物館を訪れる。円形闘技場や周辺の遺跡から発掘された土器などが展示されている。展示物の大半はモザイクタイルで見事なものが数多く集められていた。
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博物館に隣接し、古代貴族の別荘遺跡も見学できるようになっている。巨大な円形闘技場作られたほど栄えていた都市だったので、実は街のあちらこちらに遺跡が点在している。時間があれば宿泊してゆっくりしたい街だが、今日は先に進まねばならない。
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駅前に戻ってきてカフェに入る。コーヒーは店の人がマシンを使って入れてくれるが、カウンターでそれを受け取り自分で砂糖やミントを入れるシステムになっている。ペットボトルは初日の夜にも見た花の芳香蒸留水だ。
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見ていたら地元のおじさんはビックリするほど大量に芳香蒸留水を注いでいた。
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エルジェム駅に列車が来たのは定刻より50分遅れの14時20分。そして目的地のスファックスまでは定刻ならちょうど1時間だが2時間以上かかり、2時間遅れの到着となる。列車は、バスやルアージュ(乗合ミニバス)よりも快適で値段も安い。でもこれでは人気がなくなる訳だ。昔来た時よりも随分と列車は廃れている。いつまで走っているだろうか。
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スファックスはチュニスに次ぐチュニジア第2の都市だ。見どころは少ないのでツーリストはあまり訪れず、私も前回は素通りしている。今回はここから飛行機でリビアに飛ぶので立ち寄ったのだ。とはいえ、ここにも城壁に囲まれたメディナがあり、初めての場所なので楽しみにしていた。なのに列車が2時間遅れて、時間が無くなってしまった。
スファックスはビジネスタウンなのでバックパッカー向けの安宿はない。地元の人向けの安宿はもちろんあり、事前にいくつかチェックしていたが、初日の南京虫で懲りてしまって、ネット予約できない場所は避けた。その結果、いつもの予算には収まらないが、ランクを上げてまともなホテルを予約した。駅に近いそのホテルは期待以上にまともで、日本人のツアーでも使えそうなところ。部屋の居心地は良く、ホッとできる宿だった。
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チュニジアはイスラムの国だが、アルコールは禁止されておらず、ワインも生産している。とはいえ、アルコールは一部のリカーショップにしかなく、目にすることは少ない。スーパーでも大きな店はライセンスを取っているそうだが、この街では探しても見つからず。見つけたスーパーに並んでいたのはノンアルコールビールだった。明日から完全禁酒国のリビアなので、一口飲んでおきたかったのだが・・・。
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夜になってしまったがメディナを訪れる。ライトアップを期待したが、城壁前の広場の街灯が明るいだけ。
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遅い時間なので中に入るつもりはなかったが、ゲートをくぐっていく人が結構いるので、中に足を踏み入れた。ほとんどの商店は閉まっているか、閉店準備中だったが、レストランは開いていた。
何軒かメニューをチェックした後、店を決め、クスクスを注文する。ここでもサラダ3種類とパンがまず出てくる。ペースト状のサラダミシュイアがパンにあうので今日もメインが来る前に腹がいっぱいになってくる。
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チュニジアは水道水が飲めるので、ドリンクを注文する必要がない。といっても多くの店では外国人はミネラルウォーターしか飲まないだろうと無料の水を中々出してはくれない。
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クスクスは、羊肉と鶏肉を一つづつ頼んだ。鶏も美味いが、やっぱり羊肉が絶品で美味い。
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妻が他テーブルの人の食事の写真を撮っている見て、店の人がサービスだからどうぞとマカローナ(マカロニ)を持って来てくれた。しっかり味がついており、美味しい。
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さらにレバ焼きもサービスしてくれた。レバーは大好物なのでこれは嬉しいサプライズだ。
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店の人や他の客と仲良くなり、最後は皆さん店の前で見送ってくれた。