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2023-24年地中海»7日目 スファックス-トリポリ
2023年12月17日(Sun)
7日目 スファックス-トリポリ
小雨の降る中、朝食を探してメディナまで歩く。入口のところで開店準備をしている店があり、そこで食べることにする。
妻の注文したのはチュニジアの代表料理ブリック。南インドのドーサを思い出すような薄いクレープに、生卵やツナなどの具をのせる。
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サンドイッチのように二つ折りにして、これをフライにするとブリックの出来上がり。見た目はオムレツだ。
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ポテトフライとマヨネーズを添えて出てきた。
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私はいつもと同じラブラビを食べる。この店ではパンを店の人がちぎってくれた。勝手に卵とツナの両方入ったスペシャルにされてしまったが、美味しかったのでOK。
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タクシーに乗って9時頃空港に到着した。地方空港でこじんまりしており、出国するまでのロビーにはベンチもない地方空港だ。
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出発予定時間は11時45分。今回もウェブチェックインできなかったので早目に空港に行ったが、チェックインは始まっていなかった。チェックインが始まったのが9時半頃。小さな地方空港なので2時間前で十分だった。
昔はチュニジアディナールは持ち出し禁止だったので、今回再びチュニジアに戻るにあたり、チュニジア外務省のサイトを調べ、現在は5000ディナール以上は事前手続きが必要に変わっているのを確認していた。にもかかわらず800ディナールほどのチュニジアディナールの持ち出しを荷物検査の時に咎められた。新しい規則を知らないふりして没収し、自分のものにしようとしたのだろう。かなり拘束されたが、現在の規則は事前に調べてあると抵抗し、最終的には許された。しかし、規則の変更は認めず、見逃すから賄賂は当然だろうという態度を最後まで出していて、非常に不愉快な出国手続きとなる。
すべての手続きを終え、搭乗口の前でフェイスブックを見ていたら、フェイスブック友達が今トリポリにいるという記事を書いていたので、今からトリポリに飛ぶよとメッセージを流した。返信はすぐに来たが、既に昨日出国したとのこと。そこに、地下都市で知られるガダミスで紛争が勃発し、急遽出国したと記されている。今日から1週間のリビア滞在は、手配旅行であり、ガダミスが含まれている。何日も前からガダミスには行けないそうだが、旅行会社は何も言って来ないのは何故だ? リビアは内戦で東部や中部以南は現在訪問できないルール。トリポリ以外に泊りがけで訪問できるのはガダミスだけだったのに・・・。
搭乗時間が来ても、出発予定時間が来てもボーディングが始まらない。イライラしながら待っていると、アナウンスが入り、周りの人が騒ぎ始めた。緊急事態になると英語アナウンスさえ入らないのはよくあることで、周りの人に尋ねたところ、航空機は目の前に停まっているのにフライトキャンセルらしい。電光掲示板も表示はキャンセルに変わった。
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出国してしまっているのですぐに動くことはできない。航空機は来ているので航空会社の人が空港にいないはずはないが、雲隠れしてしまって質問もできない状態だ。今日飛べないのは確定で、出国を取り消さねばならないが、準備が出来ていないので待機するようアナウンスされているらしい。
しかし、朝10時のトリポリ行きがまだ出ておらず、それに乗ればトリポリには行けるはず。空港職員に交渉し、待機している人々の集団から抜け、職員同行の元でイミグレーションや税関を逆行。トリポリ行きのあるアフリキヤのオフィスまで連れて行ってもらった。座席はまだ空いており、遅れているが今日飛ぶというので、その場で切符を買うことにする。すんなり買えると思いきや、クレジットカードは使えず、チュニジアディナールの現金でしか航空券は買えない。先ほど咎められたディナールでは足りずに、両替所に走る。そこで前回2020年の旅行で余ったUKポンドを使おうとしたが、古い紙幣なので使えないという。リビアで使うために準備していたユーロの現金を両替し、何とか航空券を購入した。スファックスからの往復にしたかったが、戻りの23日にはトリポリスファックスの便がないという。国に行程表を出し手配しているので現地での日程変更は非常に難しい。仕方ないので戻りはチュニス行き。スファックス-トリポリ-チュニスの航空券を購入した。航空券はe-ticketで、写真のようなプリントをもらったのみ。
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キャンセルになったチュニスエアーのオフィスは開いておらず、払戻手続きの交渉さえできなかったが、仕方なし。チェックインを済ませ、セキュリティーと出国審査のところまでずっと係官に付いて来てもらい、何とか搭乗口前にまで戻った。搭乗時間が来るまでに、まずフライトキャンセルと搭乗予定の便をトリポリの空港に来ているガイドに連絡した。戻ってきた返信は、今日スファックスから来る便はもうないと空港係官に言われているが本当に飛んでくるの? 搭乗予定のアフリキヤ航空機は元々ミスラタに朝飛ぶはずだった飛行機で、遅延のために行先をより近いトリポリに変更しており、これをトリポリ空港の職員は知らなかったのだろう。電光掲示の表示を送ると、リビアでは時々あることなので待っているとの返信が来て、一安心。
14時にようやく搭乗だ。
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約1時間のフライトなのに食事が出て助かった。当然ながら昼食をとる時間などなかったのだ。リビア時間の16時20分、チュニジア時間で15時20分にようやくトリポリ到着だ。昔来た時とは違う空港なのにぼろい空港だ。内戦で以前の空港は壊滅し、現在は同じ場所に建設中なのだという。着いた空港は主に軍が使っているミティガ空港だ。
予定よりも3時間近く遅れた到着だったが、入国手続きでさらに手間取った。列から外され、理由も知らされないままに、ベンチもない場所で2時間近くも待たされたのだ。理由はビザの不備。本国からの許可ナンバーがビザに記されていなかったので、確認をしていたらしい。ビザにはそのような番号を記入する場所などなく、我々が気づくはずはない。余白に書くものなのだといわれたが、そんな大使館員も知らないような規則を作るな!!!
入国できたのは18時20分、半日観光のはずの日なのに何も見れず。妻は残る未訪問独立国の中で最難関と思われたリビアを訪問できただけでうれしそうであり、車を停めてもらって夜景の写真などを撮っている。私はもうぐったりで、車から降りる気にもなれず。
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ホテルの場所は全然約束と違うし、ガダミスに行けないことはこちらは言うまで黙っているつもりだったもよう。もともと手配旅行は嫌いだったこともあり、もう本当に嫌になってしまい帰りたくなるが、妻のために来たリビアなので耐える。
時間が遅くなったが、ぼろいホテルなので食堂はなく、夕食は外に出ることになる。自由に歩かせてくれればまだいいが、ガイドと警察の監視員が常に同行する規則だ。彼らは車で行きたがったが、歩いていくと主張し、ホテルからレストランは徒歩移動だ。
20時を過ぎても街が賑やかなのはホッとする。
リビアで最初の食事はショルバアラビアと呼ばれるアラビア風スープ。
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メインは、羊肉の串焼きとポテトフライにピーマン、ご飯など。
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フェルフェルマハシと呼ばれるビーマンの肉飯詰めも追加で注文。これが一番うまかった。
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ホテルのWIFIがロビーでしか使えず、ロビーにいたら、ホテルの人がコーヒーをごちそうしてくれた。
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ここでもチュニジアと同じように芳香蒸留水を入れる習慣があった。
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前回リビアに来た時は毎日のようにコーヒーを飲んでいたが、この習慣は知らなかった。バラ水はてっきり香水のように使うものとばかり思っており、飲み物に入れるものだったとは驚きだ。