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2023-24年地中海»8日目 トリポリ-フムス(レプティスマグナ)-トリポリ
2023年12月18日(Mon)
8日目 トリポリ-フムス(レプティスマグナ)-トリポリ
欠航になったチュニスエアーの払い戻しを、昨夜のうちに航空券を購入した
KIWI.COMに申請していた。夜中に来た返信は、「欠航していないので払戻できません」。他社が取り扱っていなかったので仕方なく評判の悪い会社=
KIWI.COMで購入したらこの対応…、朝から憂鬱だ。欠航となっている電光掲示板の写真を撮ってあったので、添付し、航空会社に確認するよう依頼する。
ホテルのレストランでバイキング形式の朝食をとる。リビア風のものと欧風のものがあり、なるべくリビアらしいものを選んで食べる。
9時出発のはずが、監視員である警官が来ず出掛けられない。時間が惜しいのでガイドと交渉し、ロビーではなく、近所の店で待つことにする。何種類ものパンが並ぶ大きなパン屋で、揚げパンも作っている。
妻はパン屋で色々質問をしていたが、私は飽きて勝手に外に出ていた。慌ててガイドがやって来て、険悪な雰囲気になるが、そこにようやく警官が来て、出発できることになり、話はうやむやに終わる。
最初に両替商に連れて行ってもらう。事前に調べてあったのより良いレートで両替できた。闇両替は無くなってはいるが、まだまだ公のレートと実際のレートにはかなり差があるのだ。その結果、予定よりもリビアディナールがたくさん来てしまった。まだ昨夕の食事代しか知らないので物価がよく分からない。再両替不可なので、少なめの両替にするつもりだったのに、これでは仮計算で全滞在期間に使うと予測した金額よりも多い。
予定より1時間遅くトリポリを出発する。目的地は世界遺産にもなっているレプティスマグナ、トリポリの東120キロほどの場所にある。
40キロほど走った所のファストフード店で休憩する。遅刻してきた警官は朝食をとっていなかったようで、ここで食事をしていた。我々は時間つぶしにコーヒーを飲む。この店でも砂糖と共に芳香蒸留水が置いてあった。
11時過ぎにレプティスマグナに到着する。
トリポリはギリシャ語の3つの都市の意味を持つトリポリスがその語源である。紀元前7世紀にフェニキア人が建設した植民都市「オエア」「サブラタ」「レプティス」の3つが、トリポリスと呼ばれていた。その後、サブラタとレプティスは廃れてしまい、トリポリスは残ったオエア、すなわち今のトリポリを指す言葉となり、現在に至る。サブラタもレプティスも非常に栄えた大きな都市であっただけに、廃墟となってもたくさんの遺物が残っており、どちらも世界遺産登録されている。
やって来たレプティスマグナはこのレプティスの遺跡であり、偉大を意味するマグナを付けて今は呼ばれている。入口に博物館があるのだが、現在はすべての博物館が閉鎖されており、中は見ることができない。博物館を通り過ぎ進んでゆくと大きな門が見える。セプティミウス・セウェルスの凱旋門だ。セプティミウス・セウェルスはローマ皇帝としては初めてのアフリカ出身者で、彼は故郷であるレプティスの発展に尽くした。凱旋門から十字に道が延びており、ここが街の中心であったことが分かる。近づいてみるとレリーフがたくさん残っており、素晴らしい。
ハドリアヌス帝の浴場には珍しいローマ時代のトイレがきれいに並んでいた。
その奥にあるセヴェランフォーラムはセプティミウス・セウェルスの建てた公共広場で、神殿や市場などもここに集まっている。
フォーラムの一角に女性の顔が並ぶゲートがあった。この女性はギリシャ神話に出てくるメデューサだという。
以前は入れたバシリカには入れず、外から眺めただけ。オールドバシリカなら入れるとそちらに移動。途中の広場には、地面に掘られた古代のゲーム版が残っており、遊び方を教えてもらう。
バシリカの後は市場へ。市場は魚ゾーン、肉ゾーン、野菜ゾーンに分かれていた。写真は魚ゾーン。よく見ると魚をさばく場所などが分かった。
紀元前7世紀頃に建てられた劇場でのんびり過ごす。ここで見学は終わりのように言われたが、前回一番印象に残っている場所がまだなので、そこに行きたいとガイドと交渉し、さらに奥に進むことにする。
記憶にある遺跡が見えてきた。千数百年間砂に埋もれていた遺跡で、2000年に訪問した時に発掘されたばかりだった場所だ。
中には記憶にある壁画がちゃんと残っていた。しかし、こんなに鮮やかな色の残る遺跡は見たことがないと感動した色は失われ、くすんでしまっている。きちんとした保護対策なしに20数年放置されればこうなっても仕方ないか。
いったん車に戻り、少し離れた円形劇場に訪れる。ここは初めての場所だったのでうれしかった。
予定よりも遅くなったが、車で移動し、レストランへ。15時で昼食時間は過ぎていると思われるのに、待たねば座れないほど大人気のレストランだ。土の中で蒸し焼きにする料理法であるブルディムを出す店をリクエストして連れてきてもらった店である。注文したのはノスラ―スハルーフブルディム、ノスは2分の1、ラースは頭、ハルーフは羊肉。ホホの肉はゼラチンでトロトロ、脳みそはふわふわでトローリ。タンや目も食べられて素晴らしい味だ。
帰り道はお茶屋で休憩。ここでもチュニジアのようにお茶にナッツを入れている。
出発が遅かったので、帰りは日が暮れてしまい、昨夜と同じ夜景スポットで一休み。ビルの照明は次々変わって目を楽しませてくれる。
19時に帰着。昼食が遅かったし多かったので、夕食でレストランに行くのはパス。近くでターメイヤ(エジプトによくある豆コロッケ)で済ませた。
KIWI.COMが、欠航証明を出せとふざけたことを言ってきた。仕方ないので明日観光前にチュニスエアーのオフィスに寄ってもらうことにする。