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2023-24年地中海の旅

2023年12月21日(Thu)

11日目 トリポリ-クサルアルハッジ-テルミッサ-ジャドゥ-カバウ-ガリヤン-トリポリ

 出発時間が1時間早くなっても、ホテルの朝食時間は7時からのままなので、起床時間は変わらず。少しづつ朝食バイキングの中身は変わっているが、今日は西アフリカで食べたブイのような食べ物があった。サハラップという穀物の粥で、少し甘く味付けしてあった。毎日のように新たな伝統食が出てくるバイキングで、妻は大喜び。
23/12/21 14:14:24
 8時にガイドは来たが、また警官が遅刻している。今日は時間がないといっていたのに何を考えているのか。他のツアー客の警官は遅れているのを見たことがなく、今も一人が出発していった。さすがにこれで4ヶ所行けなくなったらどうしてくれるのだとガイドに強く迫った結果、車で警官を迎えに行くことになった。結局約30分の遅れで出発だ。
 最初はエアポートロードをひたすら南下する。サブラタ方面やレプティスマグナ方面と比べ、道幅は広いし、路面も良い。この道はトリポリ空港に行くために造られた道なのだ。内戦で破壊されたトリポリ空港は2011年から断続的に閉鎖されてきた。2014年以降、トリポリへの旅客便運航は、我々が着いたミティガ空港が使われてきた。しかし廃港になったわけではなく、現在は2024年の再開に向けて工事を続けている。おかげでエアポートロードは今のところ交通量が少なく、走りやすい道となっている。
23/12/21 16:58:44
 途中、枯れ川が道を横断していた。4年ぶりの雨の影響か、結構な水量だ。
23/12/21 17:28:12
 トリポリを出て、約2時間半。11時にクサルアルハッジに到着する。クサル(クサール)はベルベル人の伝統的住居を指すベルベルの言葉で、アラビア語では城を意味するカセルが使われる。ガイドはアラブ人なので、カセルアルハジといっていた。12世紀に成立したこのクサルは1996年まで使われていたそうだが、今は無人になり、国が管理している。
 メインの建物には他のツアーが来ていたので、先に周辺にある住居だった部分に入る。破棄されて30年弱の住居はほとんど崩れておらず、内部にまで立ち入ることができる。壁の落書きなどが残っており、往時の生活が偲ばれた。
23/12/21 18:01:36
 メインの建物は12世紀に成立した巨大な倉庫で、外壁は巨大な城壁のように見える。
23/12/21 18:09:06
 ゲート脇の部屋には残されていた様々な生活用品が展示されている。
23/12/21 18:10:04
 4層のフロアにたくさんの小部屋があり、一つ一つが倉庫として使われてきた。有事の際に村人はここに集まり、籠城したのだそう。食料は倉庫にたくさんあり、中心部には深井戸も掘られているので難攻不落の要塞と化したそうだ。
23/12/21 18:11:02
 次の目的地テルミッサは山の上にあり、車はつづら折りの急坂をどんどん登って行く。
23/12/21 18:56:34
 約40分ほどでテルミッサに到着する。テルミサもクサルの1つだが、倉庫群は先ほどよりも小規模。しかし、山の上、それこそ難攻不落だろうと思われる場所にある。
23/12/21 19:27:40
 クサルは急峻な崖に沿って建てられているのだ。
23/12/21 19:34:30
 クサルからは遥か彼方まで見通すことができる。
23/12/21 19:33:42
 この山岳地方は昔からオリーブオイルの生産が盛んで、建物内にはオイルを絞り出すためのミルなども残されていた。
23/12/21 19:59:36
 13時に見学を終え、近くのジャドゥ村でサンドイッチの軽い昼食。残り2ヶ所だが、この2つは遠い。時間の節約もあってレストランには入れなかったが、久しぶりの軽い食事で私はホッとする。
23/12/21 20:22:38
 この辺りはベルベル人の住む地域で、道路標識にはベルベルの文字であるティフィナグ文字での地名も併記されている。
23/12/21 20:34:20
 カバウへの分岐に到着したのが14時半。分岐にはきれいなホテルがあり、その前のカフェで休憩。ここで泊まらせてくれればとつい思ってしまう。
 分岐にはリビアの旗と共にベルベルの旗がはためいていた。
23/12/21 21:39:44
 カバウもクサルが見どころだ。住居に囲まれたクサルはここでも山の頂上にある。
23/12/21 21:51:30
 サイズ的にはクサルアルハジよりも小さいが、こちらは5階層まであり、それこそそびえるように建っており、素晴らしく見応えがある。
23/12/21 22:00:08
 クサル周辺の道路沿いで大勢の若者が植樹作業をしていた。乾いた景色の場所だが、緑の並木が育てばきっと美しいことだろう。
23/12/21 22:21:36
 カバウ出発が15時半、ここから最後の訪問地ガリヤンが遠いのだ。ガイドは運転しながら何度も遅いから帰らないかと提案してくるが、拒否し、進ませた。
 ガリヤン到着は日没後の18時半。ガリヤンは比較的大きな都市だが、その一角に伝統的地下住居が残されている。周りがどんどん薄暗くなる中、急いでその伝統住居を見に行く。
23/12/22 01:27:28
 ここはクサルではなく、地下に掘られた住居だ。中庭部分は地面から直接掘り、空が見える構造になっている。この中庭から四方に部屋や入口に繋がる地下道が掘られているのだ。
23/12/22 01:33:04
 1661年に造られたこの住居の部屋は、今も人が住めるように整えられている。お茶を出してもらって飲んでいたら、あっという間に真っ暗になっていた。
23/12/22 01:30:00
 明るい時間に来たくはあったが、月光下での地下住居は趣があって、これはこれで素晴らしい体験だった。色々あったが、頑張って4ヶ所案内してくれたガイドにも感謝だ。
 トリポリ帰着が20時。ホテルには寄らずそのまま夕食へ。今日は観光優先で食べ物のリクエストもしておらず、夕食は初日と同じホテル近くのレストランだ。注文したのはキブダハルーフ=羊のレバー。付け合わせが色々ついており、美味しかった。
23/12/22 03:15:34
 もう一品はルジュダビルグディード。グディードは塩漬け干し肉、うまみが出ていて生肉を調理したものとは味わいが違う。一緒に煮込まれたパスタがうどんのような食感で、これも美味かった。
23/12/22 03:17:36
 丸一日観光したので本日はさすがに疲れ、夜の外出という元気もなく終わる。
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