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2023-24年地中海»12日目 トリポリ
2023年12月22日(Fri)
12日目 トリポリ
残るリビア滞在は今日明日の2日のみ。とはいえ、ガダミス行きの中止でもう行く場所は残っていない。仕方ないので市内をプラプラするのみである。
ガイドの希望で通常よりも遅い9時半を出発時間にしたのに、今朝は遅刻魔の警官だけでなくガイドも来ない。ホテルのインターネットは3日前から切れているので連絡も不可能。金曜朝は魚市場の一番賑やかな時だと知ってまず行きたかったのに、ふざけた奴ら。
30分ほど待ったが来ないのでホテルに伝言をし、2人だけで出掛ける。こんなことなら最初から勝手に出かければ良かったと思いながら歩いていると、車が停まり、慌てた様子のガイドが出てきた。これ以上もめても仕方ないので、車に乗って魚市場に向かう。自分たちが遅れたせいだと分かっているのでガイドは色々言い訳していた一方で、警官は何も言わず。まあ監視役が注意してこないのは自分たちの失敗だと理解している?
リビアの休日は日曜日ではなく、本日金曜日である。なので午前中は大半の店が閉まっている。しかし魚市場は金曜朝が一週間で一番混雑する時で、大勢の人々が魚を買いに来る。
一昨日ののんびりした感じとは一変し、市場はものすごく活気があった。並んでいる魚は前回とほぼ同じだが、次々と魚は売れてゆき、忙し気な店の人とゆっくり話をすることができない。
魚を買った人は皆さん隣の建物に入ってゆく。こちらは魚処理のコーナーで、買った魚を別料金でさばいてもらうのだ。こういうシステムがあるからヌメリがあって処理の面倒なウツボなども普通に売られていたのだろう。
魚市場で魚の下処理コーナーがあるのはどこかで見たなと記憶をたどるとサウジアラビアの魚市場を思い出した。アラブの国以外でこういうのはあるのだろうか。
魚市場から近いので今日も街歩きはマルクス・アウレリウス門がスタート。
先日一人で眺めていたドアノブを妻と一緒に見に行く。色々な形のノブがおもしろく、しばらく写真を撮りながら歩いた。
女子生徒の一群と出会って賑やかだったローマ銀行広場はガラーンとしている。金曜日の午前中は家でゆっくりする習慣なのだそう。
教会ではミサが開かれていた。集まっていたのは西アフリカ諸国から働きに来ている人々で司祭さんもそうだった。「リビア人にキリスト教徒はいるの?」との質問に、「いない」と即答。ローマ帝国の版図でキリスト教が国境であった時代も長い土地だが、その後のイスラム化が完全だったようだ。
今日は特に目的地もないので自由に路地を散策する。ガイドと警官は後ろから来ているが、離れているので、久しぶりに自由旅行をしている気分だ。
店は休んでいるが、その代わり露店がいくつか出ている。
昼近くになってようやく商店が開き始めた。客も少ない時間なのでゆっくりと衣類を見て歩く。これから行く寒い欧州に備え、妻は暖かそうなスパッツを購入した。
ターメイヤ、フール、コシャリといったエジプトと共通する料理の店をのぞく。昔来た時にはこの手の店がもっと多かった気がするが、今は非常に少ない。
海岸に出てみる。前回のリビアはフェリーでマルタに出国している。その乗り場が右奥の方だなぁと景色を見てなんとなく思い出した。ガイドはマルタに留学しており、その時には私が使ったのと同じフェリーを使ったそうだが、今はもうフェリーは運航していないとのこと。EUの制裁で飛行機もなく、身近だったマルタは遠くなってしまったと嘆いていた。
市役所や世界イスラムコール協会モスク(写真)などがあるアルジェリア広場を訪れる。
この広場には前回のリビアで何度か通ったカフェがある。そのカフェでのんびりとした時間を楽しむ。
本日のランチのリクエストはバジーン。基本的には家庭料理だが、先日オスバンを食べた店では金曜日のランチで出すというので、妻は非常に楽しみにしていた。金曜昼の礼拝が終わると人々はレストランに殺到する。その前に行こうと礼拝時間中に店に移動したが、開店は礼拝が終わる時間だというので外で待つことになってしまった。暇なのでその一角をプラプラ歩くとレストランの前のビルに見覚えがある。気になるのでガイドにWIFIを借りて、スマホで
昔自分で書いた地図をチェックする。やはりそう、昔のユースホステルで通算9泊したのがこの場所だった。なんだかとても懐かしい。
礼拝の時間が終わり、レストランに入る。バジーンはブラックアフリカの至るところにある穀物を練って作った餅状の主食を指している。東アフリカのウガリや南アフリカのパップなどと同系統の食べ物。北アフリカでは見たことがなかったが、家庭料理として食べられていたようだ。北アフリカもアフリカだなぁなんてつい考えてしまう。ブラックアフリカとは違ってソースに浸っているので、手がすぐにべたべたになってしまうのは仕方ない。
もう一品は牛モツの煮込みであるカムニア。モツ好きなのでこれも美味い。
食事の後、先日両替人で賑わっていた時計台を見に行く。まったく人はおらずガラーンとしている。店は両替所なので、金曜は午後もやっていないのだ。
この後、車で郊外にある巨大スーパーマーケットへ。品ぞろえは先進国と同じで何でもあるが、輸入品ばかり。買いたいと思えるようなものが私にはないが、妻は、謎の苔(スパイスらしい)、リップクリーム、コーヒー豆を買っていた。
車で旧市街の繁華街に戻った。
リビアのコシャリも食べておきたいと妻がいう。コシャリは、米にパスタ、ひよこ豆、レンズ豆のミックス、つまりは主食に主食に主食を重ねて混ぜた食べ物だ。栄養的にはどうかと思うが、ソースが美味くて癖になる。もう長いこと食べていないのでたまには良いかと、夕食用にテイクアウトで購入する。
夕食代が計算外に安くなったので、少しリビアディナールが余るかもしれないと妻に言うと速攻でスカーフを購入していた。
暗くなって、ライトアップしているかもとズナタ門やローマ銀行広場に行くが、街灯が明るいだけで、ライトアップではない。でも午前中よりは人が増え、カフェも営業していた。
トリポリでライトアップといえるのは初日から毎晩のように見ている3棟のビルだけのようで、今夜もガイドは遠回りし、撮影スポットで車を停めて、撮影を促すのだった。
夕食は部屋でコシャリ。エジプトで食べたのと同じ味がした。
コシャリは一人分だったので、食後に散歩するつもりが、意外に多くてお腹がいっぱい。暗くなるまで歩いたのでもう今日は良いかなということで、外出はせず。