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2023-24年地中海の旅

23日目 パレルモ-イメレーゼ-アグリジェント

　パレルモから次の目的地アグリジェントには列車で行くことにする。アグリジェント行き列車はパレルモ中央駅始発であるが、宿からパレルモ中央までは3.5キロある。しかし、宿の近くには鉄道の空港線が走っており、最寄り駅で空港線に乗ってパレルモ中央駅で乗り継げば、料金は同じで、さほど歩かないで済む。
　最寄りのノタルバルトロ駅に8時過ぎに到着した。しかし、駅に表示されている時刻が何故か違う。スケジュールが変更されたのか正月2日の特別スケジュールなのかは分からないが、時刻が10分違うのだ。列車が遅れたら乗り継げないことは覚悟していたが、タイムテーブル自体が変わっているとは…。
　結局、パレルモ中央駅では3分差で乗り継げず。次のアグリジェント行きは2時間後だが、ノタルバルトロ駅でアグリジェントまでの切符を買っているので、それを捨ててバスに変更する気にはならない。
　昨日も来たパレルモ中央駅で2時間待つのは嫌だったので、途中駅であるイメレーゼ行きの列車で出発する。イメレーゼまでは海沿いを東に進む。
　イメレーゼ到着が9時45分。アグリジェント行きの列車まで1時間半あるので街をプラプラ歩く。暦ではイタリアの正月休みは元日だけだが、2日の今日も閉まっている店が多い。カフェさえなく、歩き回っただけで駅に戻ってしまい、待合室で列車を待つ。
　11時過ぎにアグリジェント行きに乗車。アグリジェント駅到着は13時前だ。

　宿は坂の多いアグリジェント中心部のど真ん中にある。予定よりも2時間遅れているので、レストラン街は素通りし、宿に向かった。

　宿でコーヒーやビスケットのサービスがあったので、一休み。
　14時前に遺跡方面に行くバスの出るターミナルへ。バスはすぐに出そうなので、ランチ代わりにカフェでサンドイッチを購入する。

　バスは20分ほどでアグリジェントの郊外に広がる神殿の谷と呼ばれる遺跡群の入口に到着した。「アグリジェントの考古的地域」として世界遺産登録された古代ギリシャ時代からの遺跡である。13平方キロに渡る考古学公園は欧州一の面積を誇る。
　入場し、坂を登って最初の門を越えると、平らな大地一面に建物に使われていたであろう巨石が散らばっている。一部だけ修復し、組み立てられているあたりが、5世紀中ごろに建てられたカストレ・ポルーチェ神殿の場所。修復された部分はディオスクリ神殿と呼ばれるが、19世紀初頭に根拠なくされた修復で、いくつかの神殿の石が混ざっているといわれる。

　紀元前5世紀に建てられたといわれるゼウス神殿の周りに石が並べられている。テラモンと呼ばれる人型の支柱だ。

　紀元前6世紀末に建てられたヘラクルス神殿は丘の上にあり、巨大な柱がたくさん残っており、遺跡のかなり広い範囲から見いえていた。

　紀元前5世紀に建てられたコンコルディア神殿は保存状態が非常によく、ギリシャ時代の神殿構造の研究に大いなる成果を上げている。

　コンコルディア神殿の前に大きなブロンズ像がある。運べる像はすべて博物館などに持ち去られているのに・・・と思ったら、2001年に造られた現代アート作品。背景のコンコルディア神殿に合わせて造られたもので人気の写真スポットとなっている。

　神殿の谷を過ぎるとオリーブの古木が何本もあった。素晴らしく趣きのある木だが、みなさん素通り。現代アートのブロンズ像よりもこちらに私は魅かれるのだが…。

　さらにその先にはローマ時代後期からビザンチン時代の墓穴がずらりと並んでいる。

　最後に訪れた場所は紀元前5世紀のヘラの神殿。夕陽で赤く染まっている。

　遺跡公園から出た場所は入った場所と違っており、違う番号のバスが来た。市内行きであることを乗る時に確認したが、来る時よりもかなり大回りで、1時間以上かかり、市内に戻った時にはもう暗かった。そのまま夕食に行こうと思ったが、ディナータイムには早かったようで、まともなレストランはまだ閉まっている。一旦宿に戻って出直すことにする。
　19時半、クリスマスの電飾が残る街をレストランを探しながら歩く。

　夕食はシチリア名物のパスタを2種類。どちらも濃厚なソースで美味しかった。

　宿に戻って、先の計画を考える。この後、東欧に足を延ばす予定だが、週間予報を見ると滞在中に寒波が来て急激に気温が下がりそうなのだ。ただでさえ寒さを心配していたが、同じ場所で一日で最高気温も最低気温も10度以上下がり、最高気温でさえ氷点下10度、今の装備では難しい…。