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2023-24年地中海»38日目 レスボス
2024年01月17日(Wed)
38日目 レスボス
レスボス島2日目、朝から雨が降っており、部屋で過ごしていたら、いつの間にか止んで、日が射してきた。
出掛ける頃にはすっかり青空が広がっている。昨日行かなかった上の城を目指し、登って行くも、何故か行き止まり。裏側からなら城門に車道があるので本当の入口はそちら側か。下に戻るのが面倒で道なき道を進んでいくが、妻が中々来ない。昨日美味しかったホルタの採集に夢中になっているのだった。
やはり上の城への入口は車道があるところだけだった。管理小屋があり、入場料を支払って中へ。城壁に囲まれた広大な敷地内にはたくさんの廃墟と建物に使われていただろう石が散らばっている。遠くの方は修復工事がなされており、修復の終わった建物もいくつか見えている。
まずはクリスと呼ばれる地下宮殿に入る。セメントでの補修が目立って趣きには欠けるが、これだけ広い建造物が地下にあるのはすごい。
城壁に上がると景色は最高。そのまま一周出来れば良いが、上に上がれる場所はほんの一部だけだった。
オスマン帝国時代のモスク。
14世紀に建てられた石の塔に残るレリーフ。
一通り見学し、昨日見た海辺のレストランに向かう。何軒か並ぶ店の一番西側に入る。タベルナ-ウゼリなので、レストランというよりはウゾ酒場である。
ウゾはギリシャ名物の蒸留酒で、ブドウから造られ、アニスで香りづけされる。アルコール度数は40%程度あり、水で割ると白濁することで知られている。ここに来るまで知らなかったが、レスボス島はウゾの発祥の地であり、今でも主要な生産地となっている。店のカウンターに並べられている酒は島で作られるウゾ。今までウゾはあまり好きではなかったが、ここではさすがにウゾを注文する。
過去に飲んだ時は水に入れて白濁するのを試したかったので、水割りだったが、ここではロックがおすすめといわれロックにする。
入れた瞬間は水と違って白濁しないが、氷が溶けだすと徐々に白濁しおもしろい。それよりも味にビックリ。今まで何度か飲んだがいずれも甘ったるくて、まずい酒だという印象だったのに、このウゾはめちゃくちゃ美味い。これなら皆さんウゾばかり飲んでいるわけだ。「アテネで飲んだウゾと全然味が違う」と隣のテーブルの人に伝えたら、「当たり前だろう。レスボスのウゾを飲んだら他のは飲めない」と返された。
居酒屋なので、つまみとして4品頼んだ。左上がファバと呼ばれるエンドウ豆のピューレ。その右はトースト、居酒屋なのでパンが自動で付いてくるわけではない。その下はサメ。その左はチーズ揚げ。全部美味しく良いつまみになり、ウゾが楽しくすすんだ。
海際のテーブルで景色も最高。
隣のテーブルの人がホルタを注文しており、色々教えてもらう。店で出てくるのは栽培ものだそう。今日我々が採ったのを見てもらったところ、区別するなら野草はコルタゾコーズと呼ぶという。ゾコーズはワイルドの意味で、直訳すれば野のコルタ。
飲んでいると小鳥がすぐそばまでやって来て、楽しさを増してくれる。
今日も昼から気分よく飲んでしまったが、部屋ではないので昼寝はできない。ホルタを採集したので今夜も自炊の予定で買い物をする。妻は調理をやる気になったようで、大きな鶏を一羽分丸々購入。これで明日も夜は部屋食決定だ。この街は午後に閉まる店が多く、今日もだんだん寂しくなってくる。夕方になり閉まった店の前で野で集めてきたホルタやキノコを販売している人もいる。皆さん普通に食べるのだろう。
早目に宿に戻り、大洗濯。1本しかないズボンも洗ったので、これが乾かないと外出できない。
夕食の鶏はリゾットになった。美味い。