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2023-24年地中海»44日目 テッサロニキ-ウラノポリ-デフニ-クトゥルムシウ修道院-イヴィロン修道院
2024年01月23日(Tue)
44日目 テッサロニキ-ウラノポリ-デフニ-クトゥルムシウ修道院-イヴィロン修道院
目覚ましを3時45分にセットしていたが、目が覚めてしまい3時半に起床。
予定通り4時半に出発。外気温はマイナス4度だが、ダウンを2枚重ねしているとさほど寒く感じない。昨夜下見したバスストップで約10分待つ間は寒さでじっとはしていられなかったが…。バスは定刻に到着、誰も乗っていなかったが次のバス停以降はどんどん乗車してきて、立ち客がいるほどになる。
定刻よりも早い5時15分にKTELのバスターミナル到着。待合室は暖かでトイレも無料でありがたい。
6時発のウラノポリ行バスは定刻出発。ほとんどの席が埋まるほど混んでいた。バスでは何度もうつらうつらと寝てしまう。
定刻よりも20分遅れてウラノポリ到着。まずは巡礼者事務所でアトス自治修道士共和国の入域許可書を取得する。正式名称の日本語訳は共和国となっているが、ギリシャ共和国の一地域である。ただし、ギリシャとは別の独自法制度に基づいて、20ある修道院の共同体が運営する完全な自治地域となっている。正教徒でないビジターは一日10名という入域枠があり、夏は半年以上前から枠が埋まるというが、冬の今は2か月割っていても問題なく事前予約はできた。オフィスでパスポートと予約記録を照合し、許可書発行。30ユーロかかるが、滞在中のアコモデーションや食事代は無料となるので、まったく高くはない。次に9時45分発のフェリー切符を購入し、最低限の用事はスムーズに終了した。
港までの通りにはレストランが軒を並べており、朝食をとる人で賑わっている。寒いので店に入りたいが、昨夜のディナーの残りが弁当となり、食べきれないほどあるので、ここは素通りする。
港入口にはビザンチン様式であるプロフォリオの塔がそびえている。
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塔脇の海岸で弁当を開けようと思ったが、良い場所がなく、周りに人が大勢いた塔近くのベンチで朝食にする。
9時20分頃に乗船、外で景色を見たいと思ったが、寒いので船室に入る。オフシーズンなので空いていると思っていたが、予想外に混んでおり、船室の座席はすぐに満席となった。寒い甲板の座席は空いているが、驚きの込み方だ。入域にはきつい人数制限があるので、渡航人数はオンシーズンと大差ないのだろうか? フェリーのスピードは遅く、周りを飛ぶカモメに遊ばれている感じがする。
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修道院に着くたびに下船する人達がおり、船はだんだん空いてくる。クセノフォントス修道院は港からすぐにそびえたっており、ここにしておけば楽に来れたのにと思ってしまった。
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聖パンテレイモン修道院は海岸部では一番美しい修道院。アトス山にありながらロシアの教会だそう。ここでも大勢が下船した。人気の修道院なのだろう。
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船がすいたので、弁当を開き、また少し食べる。2食済んでもまだ半分以上ある。食事中にダフニ到着のアナウンスが入り、急いで下船準備をするが、下船は最後の方になってしまう。夏だとバスに乗れずに次のバスが来るまで長時間待つことがあるそうだが、さすがにそんなことはなく、港で写真を撮ったりしてからバスに乗っても空席があった。
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バスはなぜか(道が崩れて迂回したことが後から判明)遠回りをし、カリエスからイヴィロンに向かう道にあるクトゥルムシウ修道院にやって来た。アトスの首都とされるカリエスを見たい気持ちもあったが、今日の目的地はイヴィロン修道院なので、ここで下車し、歩き出す。
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歩道も一部崩れているのか、予定の道が歩けない。大回りを余儀なくされ、聖パンテレイモン修道院に迷い込む。建物は多いが、人が見当たらず、道は尋ねられない。とりあえずここで一休み。
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聖パンテレイモン修道院と記したが、ここは20ある修道院=モナステリー(Monastery)の1つではなく、スキート(Skete)と呼ばれる組織である。スキートは全部で17か所あり、モナステリーよりも小規模な場所が多い。アトス山の運営に直接かかわらず、いずれかのモナステリーに従属している。
民家の脇を通って、ようやく進むべき道が判明した。
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川を渡って、当初予定の道に合流する。
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ここからは石畳の歩きやすい道。
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石橋を渡るともうすぐ、イヴィロン修道院だ。
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修道院では食事も付くので、頑張ってもう一度弁当を食べる。これで4分の3くらいは食べたかな。残りは明日まで食べられない。
2時40分、イヴィロン修道院に到着する。ここは大きく立派な修道院だ。
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チェックイン時によくあるというウェルカムドリンクのウゾはなく、巡礼者担当の修道士が来るまでコーヒーをセルフでどうぞ・・・、入れ方が分からず。水を飲み、菓子をいただいた。
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15時頃に部屋に入ることができた。空いているので2人部屋を一人で使わせてもらう。きれいな部屋でホッとする。
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15時半から教会でもお祈りに参加する。修道院によっては異教徒は別の部屋でお祈りとなるそうだが、ここは中まで入れた。ただし写真撮影は禁止。
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1時間ほど教会でのお祈りの時間は終わり、礼拝堂に移動し、さらに30分。ギリシャ語で意味は分からないが、歌うように祈るので、安らかな気分になる。寝不足なので眠くて大変だった。
そして17時から食事。修道士と巡礼者は別テーブルで、巡礼者は私を含め5人。修道士の朗読をしている間に食べきる規則なので急いで食べる。ポリッジやパイ、チーズは美味。ワインも普通に美味しいワインだ。オムレツは油でべとべとでまずかったが、それ以外は全部美味しい。しかし、15分で食べきるのはちと難しかった。
他の巡礼者にここも写真はだめだと言われたが、教会や礼拝堂と違ってこの建物には撮影禁止のマークはない。皆が食べ終わって出た後で、食べていないテーブルの写真をスマホで撮影。
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この修道院には日本人の修道士がいるそうで、話が聞けるかと期待していたが、風邪で寝込んでいるらしい。彼の友人らしき修道士から日本語の手紙でも書いてやってほしいと頼まれたので、承諾したら、すぐそのあとで日本人修道士のティモセオスさんが会いに来てくれた。インフルエンザで寝込んでいたがもう大丈夫で明日から仕事に復帰するとのこと。いろいろ面白い話が聞けて、この修道院に来てよかったと思った。部屋は快適だし、シャワーも熱々で問題なし。
アトスは一人なので、毎日日記はつけておくことにする。久しぶりなので書くのに時間がかかったが、やはりその日に書いておいた方が、覚えているので書きやすい。