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2023年インド»3日目 ムンバイ
2023年05月27日(Sat)
3日目 ムンバイ
まだ体が時差に慣れていないので、早朝に目覚める。7時半まで待って外に出るが、店は閉まっており、街自体がガランとしている。泊まっているホテルの入る建物は世界遺産登録された「ムンバイのヴィクトリアン・ゴシックとアール・デコの遺産群」のバッファーゾーンにあり、周辺にはたくさんの世界遺産登録された建物がある。まずホテルの部屋からも見えている向かいの建物は、1909年にムンバイで最高級のホテルとして開業したマジェスティックホテル。
そして隣の建物はアールデコ様式のリーガルシネマ、こちらは今も営業している。
世界遺産登録物件をいくつか見ながら朝食を探すが、朝が遅い街のようで、店は全く開いていない。ムンバイの代表的観光地であるインド門まで行けば屋台くらいあるかと思ったが、屋台はまだ準備中で、もうしばらく待たねばならない様子だ。そのままコラバ市場まで歩くが、市場もまだ開店準備中。8時過ぎにようやく店が開き始めた。今回の旅では各州をどんどん移動していく予定なので、現在いる州の料理をどんどん食べていきたいところだが、これだけ店が閉まっていると仕方なし。最初に見つけた食事処であるカフェに入ることにする。マドラスカフェの名前で分かるように、南インド料理店だ。ドーナツのようなワダと黄色くて甘いシーラを食べる。飲み物はチャイとバダンミルク。
9時から運行を始めるフェリーがインド門のところから出るので、インド門の方に戻る。まだ少し時間があるのでインド門の前にあるインドを代表する高級ホテルとして知られるタージマハルホテルに入ってみる。外とは別世界の落ち着いたロビーには楽器の生演奏の音が流れていた。
写真の左がインド門、右がタージマハルホテル。観光客でいっぱいだ。
9時になって動き出したフェリーに乗ってエレファンタ島に向かう。
直線で10キロほどの距離だが、1時間かかり、10時過ぎにエレファンタ島に到着する。食べ物屋や土産物屋などが並ぶ桟橋からの道を進むと切符売り場がある。この島は石窟寺院が点在しており、世界遺産にも登録されている。世界遺産の入場料が600ルピー(1000円)というのは高くはないが、インド人料金の15倍というのは少しモヤっとする。まあ昔からインドはこんな感じだったから仕方なし。入場した後は坂を登る。暑くなってきたのでかなりきついだろうと覚悟していたが、予想よりもずっと短く、あっという間に石窟寺院に到着だ。
最初にある第1窟は大きな仏像がいくつもあり、見応えがある。
しかし、これ以外の石窟は小さいし、仏像は残っていない。それに思ったよりも全体的に小規模である。エローラ、アジャンタと共にインドの3大石窟寺院として並び称されるが、エローラやアジャンタに比べると見劣りするのは否めない。
サルがたくさんいて、観光客からお菓子をもらったりしている。ペットボトルを手に持って歩いていたら「サルに襲われるから飲むとき以外はバッグに仕舞え」と警備員に注意された。大げさだなと思っていたが、その後、目の前で観光客が食べの入ったバッグを猿にひったくられた。大人の男性でかなり抵抗したのに負けてしまったのにはびっくりだ。
帰りの船は来る時よりもさらに遅く、1時間15分もかかった。ムンバイ帰着は13時10分。
船着き場とホテルの中間くらいにあったレストランに入り、昼食にする。まずはマトンビリヤニ。一人前をシェアしてもいいくらいの量があり、うまい。
そしてマトンマサラ。こちらもたっぷりの量があったので、2人で2品食べるとお腹いっぱいで食べすぎなくらいだ。
最後にマサラチャースというドリンクを注文する。ラッシーよりも水っぽいヨーグルトドリンクにパクチーやフェンネルを混ぜた飲み物ですっきりしている。
暑くなってきたこともあり、いったんホテルに戻り、クーラーをかけて昼寝をする。
16時20分、再び街歩きを開始。まずは宿のすぐ近くにあるマハーラーシュトラ州警察本部。元々は船員のための療養センターとして1876年に完成したヴィクトリア朝ネオゴシック様式の建物で、その後立法議会として使用されたあと、1982年にマハーラーシュトラ州警察本部となっている。
さらにインドサラセン様式のチャトラパティシヴァージーマハラジヴァストゥサングラハラヤ、昨夜見た時計台を含むムンバイ大学、最高裁判所などを見て歩く。
世界遺産の建物群が終わると繁華街となる。まだまだ暑いが、いろんなところに無料冷水器が設置してあり、助かる。
ムンバイ名物のパオバジ(ポウパジ)の屋台を見つけたので食べてみる。主食がパンなのがムンバイらしい食べ物といえるだろう。
「チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス」は、1887年に完成したムンバイのターミナル駅で、2004年に世界遺産登録されている。ここもヴィクトリア朝時代の代表的なゴシック建築なので、「ムンバイのヴィクトリアン・ゴシックとアール・デコの遺産群」と同じ登録で良いと思うのだが、別個の物件となっている。なのでエレファンタ島を含め、今日一日で、3ヶ所も世界遺産を訪れたことになる。切符売り場の壁や天井の装飾はとても素晴らしいものとなっている。
サトウキビジュースを飲んで一休み。インドの路上では様々なドリンクが売られているが、サトウキビジュースはシンプルで一番飲みやすく感じる。
駅の北側から広がるクロフォード市場はムンバイで最も有名な市場の1つだ。。入口近くにある時計台は1880年代の完成以降100年に渡って時を刻んできたが、その後壊れて動くなくなっていた。20年以上放置された後、5年前に中身を現代の電子機構に置き換えて、復活させたそう。
インドらしい市場の混雑ぶりは歩くのも大変だが、楽しくなってくる。
帰りはバスに乗ろうとしばらくバス停で待つが、中々来ない。休んだところで元気になったので、違う道を通ってホテルに向かう。19時を過ぎ、夕食の時間となるが、中途半端な時間に軽食を食べたのでお腹が空かない。美味しそうな軽食があったので、夕食はこのベルプリにする。スナック菓子と野菜のミックスしたもので、結構うまいものだ。
もう一種類くらい何か食べたかったところだが、これといったものが見つからないまま宿に帰着する。東西に長いインドだが、時差を設けていないので、西部にあるこの辺りは日没が遅い。明るいのでもう少し早いと思っていたが、宿に着いた時のは20時過ぎ。そのまま出かけることなく、寝るまでゆったりと過ごした。