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2023年インド»4日目 ムンバイ-ヴァピ
2023年05月28日(Sun)
4日目 ムンバイ-ヴァピ
8時を過ぎないと店が開かないことが分かったので、今朝は8時過ぎにホテルを出た。朝から賑わっているレストランをホテルの近くで見つけ入ってみる。伝統的ムガール料理を誇っている店で、メニューを見ると美味しそうなものがたくさんある。しかし、そのほとんどがランチタイム以降だそうで、朝から食べられるものは非常に限られていた。そんな中、これはと思ったのがキーマカレー。キーマはミンチの意味で、ミンチ肉のカレーだが、ここでは牛のミンチを使っているという。ヒンズー教徒は牛も豚も食べないので、普通のキーマカレーは鶏ミンチかヤギミンチである。ムガール料理というのは16世紀から19世紀まで栄えたムガール帝国の料理であり、ムガール帝国はイスラム教国家だったので、豚は食べないが牛は問題なく食べていた。その流れをくむイスラム教徒の店なので牛ミンチがあるのだ。主食がパンなのはやはりムンバイらしいところだ。
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もう一品食べたのはエッグバジ、青唐辛子の辛みが効いたスクランブルエッグだ。
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朝食後はホテルに戻り、10時のチェックアウト時間までのんびり過ごす。チェックアウト後は荷物をもってホテル近くから市バスに乗ってバイカラ(Byculla)へ。目的地は洗濯場で知られるドービーガートだが、ホテルから公共交通機関だけで行くならバイカラから1.4キロ歩くのが一番早いとグーグルマップで出たのだ。荷物があるのでバスと列車を乗り継いでいくことも考えたが、もう少し街も見たいので市場があるバイカラにやって来た。
バイカラ駅の東側にある市場は、蜘蛛の巣の目立つ薄暗い屋内市場だ。ビル街から一歩入るとこの市場で、ここだけ時が停まっているように感じる。
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線路を渡ると露店が並ぶよくある市場だ。こちらもビル街の一角によく残っていると思える場所だが、先ほどの市場を見た後なので普通の風景に思えてしまう。
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ドービーガートの手前で、代表的なストリートフードであるダヒカチョリ(Dahi Kachori)を食べる。ロティにスナック菓子と野菜に数種類のソースを混ぜたもので、美味しく食べられて、食べ応えもある軽食だ。
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そしてドービーガートヘ。ドービーは、洗濯を職業とする階層の人々を指す言葉だ。ドービーたちが暮らすこの場所は巨大洗濯場となっている。ドービーガートの入り口には自称ガイドが待ち構えており、彼らに付きまとわれて大変だとガイドブックには書かれているらしい。現在は陸橋に展望台が設けられており、そこからなら平和に見学ができるようになっている。事前に旅行記を色々チェックしたところ、大半が展望台のみの訪問。最初からガイド付きのツアーで中に入ったものや、中に入ったが自称ガイドは寄ってこず問題なかったというものはいくつかあったが、自称ガイドで嫌な思いをしたというものは一つも見つからない。調べたのは中に入ろうと思っていたからだが、日程の都合で全荷物を背負ったままなので、我々も展望台から見るのみにしておく。展望台から中の様子は良く見えるので、ここからで十分に面白い。
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ドービーガート最寄りのマハラクシミ駅から近郊列車に一駅乗って、ムンバイセントラル駅に移動。今日はここからグジャラート州のヴァピに移動するのだ。アーメダバード行き急行は、始発駅なので1時間前からホームに入線していた。昼間だけ走る列車なので、寝台はなく、エアコン座席と2等座席の2種類の車両のみの列車である。
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ホームの売店でチャースとバタタワダポー(Batata vada pav)を購入。チャースは昨日も飲んだスパイス入りのバターミルク。バタタワダは、マッシュポテトにひよこ豆の粉でコーティングしたコロッケのようなもので、ポーはパン。コロッケサンドに近いもので、マハラシュトラ州の名物だそう。
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ムンバイからヴァピまでは170キロ。所要時間は約2時間、無事定刻の14時5分に出発した。唯一の停車駅であるボリヴァリを過ぎたあたりに塩田が見えた。
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塩田の先に大きな川があり、川を越えると景色は急に田舎ぽくなってくる。列車は全席指定で、前日には売り切れていたが、無座席の人が乗っていないので快適だ。昔と違ってルールが守られるようになったのかとこの時は期待してしまったが、それが甘かったことを知るのは後日のこと。
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列車は20分ほど遅れ、16時半にヴァピ駅到着。今日の宿は駅にあるリタイアリングルームだ。インドではある程度の規模の駅なら宿泊設備が備わっている。それがリタイアリングルーム。駅構内にあって便利だし、比較的安いと聞いて何度かトライしたことはあるが、いつ行っても満室で泊まれたことはない。時間の無駄だと思っていつしかトライをしなくなっていた。オンライン予約できるようになったので、一度は泊まってみたいと予約したのだ。ただしオンライン予約は列車予約を先にしなければ空き状況も料金も見れないシステムとなっている。出発前に列車予約をすませ、いざ予約をしようとすると、予約にはインドの住所と電話番号が必要だった。住所は泊まる予定のホテルを書けば良いのだろうが、電話番号は予約確認書がSMSを使うようなことが書いてあった。仕方ないのでインドに到着しSIMカードを買った後、ムンバイのホテルから予約を入れたのだ。この時同時にひと月先のムンバイやハイデラバードもチェックしたが、どちらもすでに満室。大きな駅ではかなり早くからの予約が必要なようだ。ほとんどの駅の予約システムでは、チェックインとチェックアウトの時間はいずれも8時と20時のみとなっている。滞在が48時間までというは全駅共通のルールだ。今回は28日16時到着で、30日19時出発の列車予約なので、リタイアリングルームの予約は28日20時から48時間としている。部屋が空いていれば早くても入れてくれるだろうと期待したが、あいにくの満室。時間までは空いているドミトリーで休んで良いよと言ってもらったが、そのまま荷物をもって駅前の商店街を散歩する。
夕食には少し早いが、レストランへ。グジャラート州といえばターリーだ。他の州で食べるターリーは当たり外れがあるが、グジャラート州で食べたターリーはどの街でも美味しく、昔グジャラートを旅した時はターリーばかり食べていたのだ。この話を何度か妻にしていたので、ここでの妻はターリーにこだわっている。食事時でないので何軒か探すことになったが、無事にターリーを出してくれる店が見つかり、お腹いっぱい食べる。写真にある以外にもバターミルクなど数品目付いてくる。そしてお代わりは自由でどんどん盛ってくれる。
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駅に戻り、エアコンの効いた待合室で20時まで過ごし、リタイアリングルームに移動する。シャワーは水のみで、テレビなどのないシンプルな部屋だが広さは十分。テーブルもある。2泊で930ルピー(1600円)なら悪くない。