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2023年インド»5日目 ヴァピ-ダマン-ヴァピ
2023年05月29日(Mon)
5日目 ヴァピ-ダマン-ヴァピ
インド連邦を構成する28州(states)、8連邦直轄領(union territories)の中で、未訪問である1州4連邦直轄領を出来るだけ訪問してみたいというのが、今回の旅のテーマの一つ。見どころの特にないヴァピに2泊もするのは未訪問であるダードラー・ナガル・ハヴェーリーおよびダマン・ディーウ連邦直轄領を訪問するためである。
この長い名の連邦直轄領は、英領インドが独立を勝ち取った際にポルトガル領だったために独立できなかったポルトガル領インドだったところだ。後にインド連邦共和国に併合されたポルトガル領インドだった地域は、まとめて連邦直轄領となり、その後ゴアは州に昇格。残ったダードラー、ナガル・ハヴェーリー、ダマン、ディーウの4地区が現在は一つの行政区にまとめられ、ダードラー・ナガル・ハヴェーリーおよびダマン・ディーウ連邦直轄領となっている。
ダードラー・ナガル・ハヴェーリーおよびダマン・ディーウ連邦直轄領の首府がダマン、ヴァピ駅から約10キロの場所にある。ちなみに一番近いダマン領までは1.5キロほどで歩いても行ける。グジャラート州は禁酒州だが、ダマンは飲酒可なので、境界を越えたところにはバーがある。
朝食もとらずにヴァピのバスターミナルに行くがダマン行バスがない。聞いたらオートリキシャで行けという。Uberで見ると160ルピー(280円)と出た。バスを探すだけ時間の無駄なので近くにいたオートリキシャに交渉すると150ルピーになったので、オートリキシャで行くことにする。
まずはダマンの中心部にある魚市場に。港町なので期待していたが、市場の規模が小さいし、魚も大きいのがあまりない。
次に中央市場であるDMC市場へ。南欧風の建物で今もポルトガル領だった影響が強いようだ。
大体のものがそろう市場だが、規模は大きくない。一通り見たので朝食に行きたかったが、帽子を失くした妻が帽子を買いたいという。この買い物に時間をとり、朝食のタイミングは逃した。
聖ジェローム要塞はダマン川の河口を北側から見下ろす大きな要塞で17世紀にポルトガルによって建てられたもの。広大な敷地を囲む城壁と門が残っているだけで、敷地内には新しい教会と学校がある。城壁の上を一周するが、気温が高く日差しも強いのに、日影がなく、きつかった。
お昼になったが、海鮮を食べられるような店は開いておらず、あるのは軽食のみ。朝食を抜いているので早く何か食べたくて、要塞近くの食堂でランチにする。
左がサモサで右がアールティッカ、どちらもジャガイモが具の主体だ。
そのまま食べても美味しいサモサやアールティッカだが、これらを使ってチャート(chaat)にしたものが、この店の名物。サモサチャートとアールティッカチャートをひとつづつ注文する。チャートはサモサやアールティッカを潰したものの上にあげてスナックになった麵やひよこ豆などを乗せて各種ソースをかけたもの。乗せるものが多いので出来たものの見た目はほとんど同じだが、写真はサモサチャート。
川を渡ってダマンワーダ地区に向かう。
川の南側にはモティダマン要塞がある。聖ジェローム要塞よりも古い16世紀の建設で広さもかなりこちらが広い。中には各種役所が入っており、教会や公園もあるダマン観光の中心だ。
入って左側にはパラゴラ庭園と呼ばれる公園が広がっているが、入口の日陰で一休み。あまりに暑くて無理したら日射病になりそう。妻がきつそうだったので公園の中には入らず、のんびり休む。
改装されたコロニアルな建物には各種役所が入っている。
1603年に完成したボンジェズ教会はダマンで最も古い教会。
街のほんの一画だが、カラフルにペイントされた建物が並ぶ地区があり、人気の写真スポットとなっている。
要塞を出たところに大きな木があり、木陰でカキ氷機を動かしている屋台があった。
カキ氷だろうと期待し注文したが、カキ氷の浮いたドリンク。ちょっとがっかりしたが、冷たくて、うまかった~。
インドではよくあるが、一緒に写真を撮ってくれと頼んでくる人が多い。今日のように暑さに負けて座っていると暇だと思われるのか、いつも以上に多かった。まあ実際暇なので今日は自分のカメラも出して一緒にとってみた。
ビーチリゾートとしても知られているダマンなので頑張ってビーチまで行ったものの、黒い砂浜で海はあまりきれいではない。インドのビーチはリゾートになっているところでもさほどきれいでないのは知っていたが、誰もいないのは初めてだ。酷暑の季節の暑い時間はインド人もビーチには来ないようだ。
暑さで体が火照り、本格的にやばい気がするので、エアコンの効いたカフェに入り休むことにした。マンゴージュースのスラッシュを飲んで1時間以上ここで休ませてもらった。
インターネットで天気予報を見るとこの日のダマンの最高気温は34度。これから行くジャイプールやチャンディガールは38度を越えていた。この先大丈夫なのかと不安になる。
17時になり少しは涼しくなったかと店を出るがやっぱり暑い。店の近くでしばらくオートリキシャを待つが来ないので、賑やかだった川の北に戻る。
裏道の住宅街もコロニアル風な建物が多い。日が傾き、陰が多くなったので歩き易くはなった。
DCM市場に戻って来た。果物を買おうと思ったが、結局買わず。
帰りもオートリキシャに乗る。来る時よりも高い値段をいう運ちゃんばかりで、少々てこずるが、無事に出発。
グジャラート州に入るところの検問で、リキシャを停められ、荷物検査を受ける。何を探してるのかと思ったら、アルコールだ。禁酒州のグジャラート州へはアルコールの持ち込みが禁止されている。自由に売られているダマンで買って持ち帰る人をチェックしているのだった。
ヴァピに戻り着いたのは18時過ぎ。昨夜は蚊が多かったので、蚊取り線香を買いにスーパーへ。ついでにマンゴージュースなども買って、宿に戻る。
夕食は昨日時間が早すぎて食べられなかったターリー専門店へ。大人気の店で相席当たり前、席が空くのを待っている人もいる。常に誰かがお代わりを注文するので、お代わりのおかずを持った人がずっと近くにいる。外国人で目立っている我々の器はずっと見ていて、食べたらすぐに入れてくれる。わんこそばを思い出してしまった。これぞグジャラートターリーで、大満足。ダマンに泊まらずヴァピに泊まっているのは、ダマンよりもグジャラート料理、中でもグジャラートターリーを極めたいという妻の希望に沿ったものだ。妻は厨房まで行き作り方を聞いたりしてこのレストランを満喫していた。