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2023年インド»26日目 ジャグダルプル-トカパール-ジャグダルプル
2023年06月19日(Mon)
26日目 ジャグダルプル-トカパール-ジャグダルプル
昨夜遅かったことや窓がなく暗い部屋だったことで、起きたのはいつもより遅かった。
9時頃から出掛け、市場へ。大きな市場で色々なものが売られている。その一角に腕に刺青をした女性の売り子がいた。カメラを向けても嫌がらず、ポーズをとってくれる。バトラ(Bhatra)族だそう。
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ジャグダルプールを含むチャッティースガル州バスター地区は人口の3分の2が部族民と呼ばれる少数民族で、それぞれが独自の文化を保っていることで知られている。バトラ族はこの地区では2番目に多い部族であり、同じような葉物野菜を売ってここに大勢が集まっていた。
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朝食は市場でプリを食べる。アツアツの揚げたてでうまい。
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市場の後はバスターミナルに移動する。バスターミナルの敷地に入ったところで出てきたバスが、今から行こうとしているトカパールに行くということで、待つことなく乗ることができた。
トカパールまで約20キロだが、道が分岐するところで何度も客待ちをするので、時間はかかる。途中の村でヒンズーの神であるジャガンナートを何度か見かけた。元はこの辺りの土着の神だったジャガンナートがヒンズー教に取り入れられたらしく、この辺りはジャガンナート信仰が強いのだそう。
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約1時間かかってトカパールに到着。この辺りは各村でウイークリーマーケットが開かれ、周辺に住む各部族の人が集まるのだそう。月曜市が開かれているのがこのトカパールだ。売っているものは基本的にはジャグダルプールと同じようなもので、市場に来れば何でも手に入る感じ。ここは竹を編んだマットや籠で有名だとガイドブックにあったが、それほど多くはなく、売れている感じもない。ただ帰る前に見た時にはかなり減っていたので、大きいものは後から買うのだろうと思われる。
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まだ早い時間で食べるものはあまり売っていなかったが、パコーラを作る準備をしており、調理には薪を使っていた。
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ここでも刺青を入れた女性が大勢いる。英語が通じる人は少なく、どの人がどの部族なのかは良く分からないまま。
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木の根元のお供え物を見ているとヒンズー教でなく、土着信仰が生きているように思われる。
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ジャグダルプール同様に写真撮影がウエルカムなのでありがたい。茶色いボールはヤシ砂糖。
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ローカル酒が飲めることで知られており、最初からずっと探していたが、中々見つからず。市場の一番奥でようやく酒売り場を見つけた。
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最初に飲んだのはドロドロの穀物酒ランダ(Landa)。注文すると葉っぱを取り出し、それで器用にカップを作ってくれた。そしてバケツから、金属のカップでランダをすくう。カップ一杯で10ルピー(18円)だったので、葉っぱの容器に3杯くらいあった。味は西アフリカで飲んだ穀物(ミレット)酒に似ており、懐かしいなと思ったが、妻はどぶろくでコメの味だという。後から調べたところ、ランダはマディアペイジ(Madiya page)を数日かけて発酵させたものであり、マディアペイジはラギ(和名はシコクビエという雑穀)とライスを半々くらいに薬味を何種か入れて一晩煮込んだものだそう。つまり穀物酒であり、どぶろくでもあったのだ。
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ライスだけのどぶろくはハンディア(Handia)というものがあったようだが、同じに見えてしまい存在に気づけず。
次に飲んだのがクウォーター(Quarter)。マフアという蒸留酒を作る時に残った液体にヤシ砂糖を加え発酵させた発酵酒。
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つまみに売っているのは、奥からチキンカレー、ひこよ豆の煮物、小魚の煮物、ゆで卵。
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お昼になって地元の人も皆さん酒を飲みに集まって来て、あちらこちらで宴会が始まっている。
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酔う前に昼食になるものも欲しかったので、いったん酒場を離れ市場の中心に戻る。このくらいの時間から帰る人も多いようで、満員のトラックが何台か出ていく。
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食べ物は酒場の周りにしかなく、また戻って来て、3種類目のヤシ酒(Salpi)を注文するとつまみにと塩と唐辛子を混ぜたものを頂いた。これをつまみにするのは日本だと完全なのんべえだ。
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主食になりそうなのはひよこ豆くらいか。
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パコーラも売っていた。
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最終的に選んで買ったのは最初に見た店のチキンカレーと小魚。そしてマフアという蒸留酒を買ってきた。マフアは、マフア(日本名はモア)という木の花から作られる蒸留酒だ。マフアの花は食用にもなり、乾燥させて茶色くなったものが市場でたくさん売られていた。蒸留酒だけあってこれが一番アルコール度が高かった。つまみはどちらもかなりしょっぱい。
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隣のグループと仲良くなり乾杯。そしてひよこ豆を頂く。
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周りの人々も楽しそうに宴会をしており、どんどん人が増えてくる。これがウイークリーマーケットの楽しみなのだろう。
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隣のグループの兄ちゃんが驚かそうと思ったのかチャプラ(Chapdaa)という蟻のつまみ買って来てくれた。生きたままの蟻と塩、唐辛子がセットで売られており、指で捏ねてペースト状にして食べる。蟻酸の酸味が素晴らしい調味料となり、美味しさにびっくりした。蟻の足や羽は全く気にならず、蟻といわれずに食べていれば蟻とは思わなかったと思う。イギリスでベストセラーになったインド料理の本に世界最高のチャツネと紹介されたために、世界的に知られている食べ物だそう。食べたのが羽蟻だったので羽蟻の料理だと思っていたが、画像検索して出てくるのは普通の蟻のものばかり。たまたま羽蟻の時期だったのだろう。マンゴーの木に巣を作る蟻だそうで、実際に見た巣は画像検索で出てくるものと同じだった。
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ほろ酔いになって来たので戻ることにした。つまみだけでは食事に足りないのでバナナを買ったが、一束20ルピーは今まで見た中で一番安い。
帰りに乗ったバスは長距離バスだったのか、寝台バスになっていた。でも料金は来る時に乗ったローカルバスと同じで30ルピー(55円)と安い。
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帰りはほぼノンストップで走ったので25分しかかからず。16時過ぎには宿に戻っていた。酒を飲んだせいか夕食の時間まで寝てしまう。
夕食は近くの人気レストランへ。メニューには色々料理が書いているが、ほぼ全員がターリーを食べている。普通のターリー(100ルピー)とスペシャルターリー(150ルピー)があり、スペシャルを注文する。スペシャルは、チーズ料理とライタがついて、ライスがジーラライス(クミンを入れて炊いたご飯でこの時はパクチー入りだった)になるというのが普通のとの違い。人気の店だけあっておいしく、久しぶりにお腹が苦しくなるまでお替りしてしまった。