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2023年酷暑期のインド

28日目 ジャグダルプル-ヴィシャーカパトナム

　朝食に部屋でマンゴーを食べ、9時前にホテルをチェックアウト。オートリキシャで駅へ行く。駅から来る時に苦労したのでリキシャがつかまらないことを想定し早めに出たのに、あっけなく駅に着いてしまった。駅は街から少し離れている上に一日に数本しか列車が来ない田舎なので、駅周辺には店もない。早朝5時の列車の次が、我々の乗る9時55分の列車。午前中に出発する列車はこの2本だけなのだ。
　駅舎の壁画にある牛車の御者が赤蟻。一昨日食べたのを思い出す。

　列車の定刻30分ほど前に駅売店が開いた。どこからか運ばれてきたサモサとドーサが店先に並んでいる。朝食にドーサとチャイを購入した。店でドーサを食べる時は注文してから焼くのでパリパリのものが出てくるが、弁当用に作り置かれたこのドーサはもともと少し分厚い上に具の水分でしっとりしている。焼きたてでないのは初めてだが、これはこれで美味しいものだ。

　ホームのマンゴーの木に赤蟻の巣がたくさん出来ていた。拡大すると蟻がいるのも見える。蟻を捕獲するときは巣ごとで捕獲するそうだ。

　定刻よりも30分ほど遅れてやってきた列車はガラガラだ。インドの列車にしては珍しく当日でも指定券がたくさん余っていたので空いているとは思ったが、ここまでとは。2等指定席もあるが、長時間の列車で横にもなりたく寝台車を選んだので、さらにガラガラなのだ。

　列車は山間をのんびり進んでゆく。

　オリッサ州のコラプットでしばらく停車し、やっと昼食用の弁当が買えた。

　コラプットも部族地域で、近郊の村でウイークリーマーケットが開かれる。ジャグダルプルの治安状況が良くなかった1990年代はコラプットのほうが部族マーケットで有名だった。近くにはダム湖があり、今もインド国内では有名な観光地の1つとなっている。

　ダム湖は赤茶けた湖岸であったが、下流域は広大な土地がダム湖の恩恵を受け農地となっている。

　定刻よりも1時間半遅れの22時前にアーンドラプラデシュ州最大の都市ヴィシャーカパトナムに到着した。ここでもリタイアリングルームを予約しており、すぐにチェックインできた。夜遅いのにかなり蒸し暑い土地だが、エアコンがあるので快適に過ごせる。

　荷物を置いてすぐに夕食に出る。私は今日もミールスだ。お椀に持った白飯にスプーンが刺さっているのはなぜだろう。

　食べ放題のターリー＆ミールスはシェアできないので、いつもは2人とも同じものを注文している。しかし、今日は意見が分かれ、妻はチキンビリヤニを注文した。コルカタで食べたチキンビリヤニと違ってチキンがゴロゴロ入っている。