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2023年インド»30日目 -ハイデラバード-
2023年06月23日(Fri)
30日目 -ハイデラバード-
定刻よりも2時間遅れの8時15分にハイデラバードへ到着した。元はヴィシャカパトナムから一気にムンバイに戻る計画だったが、有名なハイデラバードビリヤニを食べたいと妻がいうので、途中下車。宿泊するほど日程に余裕はなく、出発予定は今夜22時半だ。若いころはホテルのデイユースなんて考えもしなかったが、今は朝から夜遅くまで歩きまわる元気はない。まずは駅の近くで安宿にチェックインし、荷物を置く。
市バスに乗って街の中心部へ移動する。チャイの種類が10以上メニューに書かれたティースタンドがあり、朝から大勢の人がチャイを飲んでいる。ハイデラバードダムティー(Hyderabadi Dum Tea)の店だ。ハイデラバードダムティーは、イランティーと一般的に呼ばれているもので、イランから移住してきた移民が広めた入れ方で入れる紅茶を指している。紅茶とともにスパイスを入れ、密封して2~30分煮込んだ後に、濾して固形物を取り除き、最後にミルクを加えミルクティーにするのがハイデラバードダムティーの入れ方。密封して煮込むことによってスパイスの香りや味が逃げない定着するのだそう。メニューの多さはスパイスの違い。濃厚で美味しいチャイだったが、値段は通常の屋台の3倍する。
歩き回ると喉が渇き、サトウキビジュースを飲む。大量に次々作ってコップを並べているのは他では見なかったやり方だ。
17世紀に建てられたメッカマスジッドはインド最大のモスクの1つで1万人が同時に礼拝できるという。世界遺産の暫定リストに挙げられているので、そのうち世界遺産登録されるかもしれない。
モスク南端には、ハイデラバードを長く統治したアサフ・ジャイ王朝の王やその家族の墓が並んでいる。
規模の割には落ち着いたモスクだが、勝手に説明をしだすガイドが付きまとってきて、のんびりできず。
ハイデラバードの中心にあり、シンボルともいわれているのがチャールミナ―ル。4本の塔という意味。16世紀に建てられたこの大建造物は、一辺が20メートル、高さ20メートルの立方体から20メートル突き出した塔が4本あるという構造で、非常に美しい。
チャールミナ―ルからはビリヤニが有名なハイデラバードの中でも特に知られるホテルシャダブ(Hotel Shadab)に向かった。ビリヤニは昼からだと分かっていたが、店は朝から空いているというので11前だが訪れてみた。しかし、朝から空いているのは軽食を出しているから。デリバリ用のビリヤニはもう出来ており、次々とパック付けされていたが、店で食べられるのは12時か12時半頃からだという。
周辺のレストランも少し見たが、ビリヤニはどこも昼以降にしかない。仕方ないので飲み物を飲みながら待つ。お店用のビリヤニが炊きあがったのは12時半。注文したのはマトンビリヤニ。ビリヤニの食べ歩きをする予定なので、一人前を2人でシェアする。
一人前でも2皿に分けてみたらかなり多い。一人で一人前を食べきるのは難しいのではないかと思われる量だ。有名料理を有名店で食べただけあって、当然ながらうまい。
世界遺産の城塞などもある都市だが、妻はビリヤニ食べ歩きしか興味がなく、以前観光をしている私も2度目の観光はしなくても良い。とはいえ続けて2軒目には行きたくない。腹ごなしを兼ね、2キロ先の別の有名店を目指し、歩くことにする。
ハイデラバードの中心部を流れるムーシー川はオールドタウンとニュータウンの境界をなしている。
ムーシー川の北側に市バスターミナルがあり、屋台がたくさん出ていた。ビリヤニ10ルピーの看板を出している店が数店あり、学生が大勢集まっている。見せてもらって写真だけ撮る。量がほんの少しなのは当然だが、先ほど食べた高級店のに比べると見るからにベシャッとしており、美味しそうには見えない。いつもなら味見でこれも買うところだが自重した。
ホテルシャダブ以上に名前が知られているのが、パラダイスビリヤニ。こちらは大きなチェーン店で支店がたくさんある。食べたのは長距離バスターミナルであるマハトマガンジーバススタンド(Mahatma Gandhi Bus Stand、通称MGBS)にあるパラダイスビリヤニMGBS店。先ほどマトンビリヤニを食べたので今度はチキンビリヤニ。肉の味がライスに浸み込みライスは美味いが、チキンはパサパサだった。ラムの方が肉に味が残りやすいのだろうか。
メトロで宿に戻り、シャワーを浴びて昼寝をする。昨夜の居心地悪い夜行列車の疲れもあり、熟睡した。
起きたら暗くなっており、夕食に出る。もちろんビリヤニを探す。近くに専門店はなかったので色々食べられる食堂に入り、エッグビリヤニを注文する。ゆで卵が中に2つ入っており、今回も結構な量だ。安いのに非常においしかった。
21時過ぎにチェックアウトし、駅に向かう。定刻22時35分のムンバイ行き急行列車は定刻の一時間前からホームに入っていた。もう夕食は食べ終わっていたのに、妻が今日4食目のビリヤニを買ってきた。今度はベジタブルビリヤニだ。ご飯の下からチーズがゴロゴロ、ニンジンやインゲンも入っていたがチーズがメイン。チーズビリヤニというべきもののよう。駅の食堂なので味に期待をしていなかったが、すごく美味しく、驚いた。
一日4食ビリヤニを食べ、まさにビリヤニ三昧の一日だった。
出発前に列車はまた定員を超え、うんざりだ。