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2023年インドネシア»15日目 コタバグン-
2023年09月10日(Sun)
15日目 コタバグン-
朝食を探しながら散歩していると葉にくるまれたものを炭火で焼いている食堂を見つけた。他に並んでいるおかずも美味しそうだったので、この店で食事をすることにする。
焼かれていたのはパティン(patin)と呼ばれるナマズで、和名はカイヤンという種類。料理名はペペスパティン。ペペスはバナナの葉で食材とハーブ、スパイスなどを包み蒸し焼きにするインドネシアでは人気の調理法である。白身の魚肉が蒸し焼きでふんわりと仕上がっており、非常に美味だった。黄色いスープはサユールロデ、野菜をココナツスープで煮込んだスープで、この日の野菜はタケノコとジャックフルーツ。左の野菜料理はウラップと呼ばれるゆで野菜をココナツとスパイスで味付けしたもので、こちらも美味しかった。
次々とお客さんがテイクアウトで買いに来る人気の店だが、店で食べる人はいない。日曜日だからなのかは分からないが、朝食は家で食べる習慣のようだ。
宿に戻ってチェックアウト時間を確かめると15時で良いという。15時半に来る船で出発する予定なのでギリギリまで部屋を使えるのはありがたい。今日も天気がよく、暑くなりそうなので、ズボンなどを洗濯する。
短パン姿で散歩に出る。ツバメの巣の建物近くを歩くと子育ての時期のようで、ひなの声が本当にうるさい。人間の住んでいる建物よりも新しいものばかりで、ツバメを住まわせ巣をとる技術が広まったのはそんなに古いことではないように思われる。
船着き場に白人旅行者がいた。もう少し上流にあるムアラムンタイから戻って来たのだそう。ここからテンガロンまでスピードボートをチャーターするしかないと船頭に騙されかけていたので「バスがある」と教えたところ、ホッとしていた。
対岸に行く船着き場があったので行ってみようかなと思ったが、先ほどの白人とのやり取りで、船頭がぼって来そうに思えてしまい行かず。
川から離れ、木道を散策する。ツバメタワーがどちらを向いても目立っている。先駆者は良いが、これだけ新しい建物が目立つということはツバメの巣の供給量が急増するに違いなく、当然価格は暴落するはず。大丈夫なのだろうか?
14時に宿をチェックアウトし、港にやって来た。港の横にあるレストランで昼食をとって、そのまま船が来るのを待とうと思ったのだ。しかし、そのレストランで値段を聞いたところ、あまりのぼったくり価格で驚いた。船しか移動手段を持たないダヤク族の村々をマハカム川の船に乗って遊覧するのが、カリマンタンでは一番人気ツアーである。コロナ前には大勢の外国人旅行者がここに集まっていたときく。大勢の旅行者がこの川の見えるレストランで食事をしてきたのだろうと思うと分からないでもない値段だが、そこで食べる気にはなれなかった。
仕方がないので荷物を持って他のレストランを探すが、昼食時間が終わってしまい開いている店が見つからない。ここで洋食は本意ではないが、ハンバーガー屋のテイクアウトを食べることにする。ホットドッグ、ミニチキンバーガー、ミニビーフバーガー、ポテトにドリンクのセット。注文してからバーガーを焼き、ポテトを揚げるのですごく時間がかかったが、味は良かった。
レストランで船が来るのを待つことが出来なかったので、船着き場で船が来るのを待つ。
15時半、サマリンダを朝7時に出た船が、時間通りにやって来た。しかし、船は船着き場には着いてくれず、スピードボートに乗って追いつかねばならないシステムだ。そしてスピードボートの船頭はぼってくる。ここで嫌な思いして乗るよりもサマリンダから乗る方が良かったかもと思いながら交渉し、何とか船にたどり着いた。
船はロングボートと呼ばれる縦に長い船で、2階がVIPと呼ばれる寝台、1階は雑魚寝部屋で貨物も詰め込んでおり、トイレやキッチンも1階にある。乗った時は2階はいっぱいだと船員に言われたが、何とか空きベッドを見つかり、助かった。布団の下にはバッグを入れるスペースがあり、食べ物などは屋根から吊るせる。電源もあって快適に過ごせそうな船だ。
インドネシアは産油国であり、天然ガスの産出でも知られているが、国内消費のエネルギー源で一番多いのは石炭。そしてインドネシアの石炭生産が一番多いのが、ここ東カリマンタン州となっている。しかもその大半がマハカム川流域で採掘され、はしけによってインドネシア全土に運ばれていく。という訳で、一日に何度も石炭運搬船とすれ違うのだった。
途中の小さな集落にもツバメのタワーが目立っている。
よく見ると仕掛け網もあちこちにある。
きれいなカワセミ(コウハシショウビン)も何度か見かけた。
食器洗いや洗濯も川でしている。トイレも洗い場の隣にある。
マハカム川といえば、木材運搬船も知られているが、数が減っているようで、数度しかすれ違わなかった。
ムアラマンタイに近づくと建物が増えてきた。貨物の積み下ろしで、ムアラマンタイ港よりも手前で一度船をつけ、荷物の積み下ろし。
ムアラマンタイ港の船付き場には誰もおらず、あれっという感じ。
さらに進んだところで船をつけて荷物の積み下ろし。乗客の乗り降りもここで行われた。
ムアラムンタイでは下船客の方が多かったので、1階席にも余裕が出てきた。このくらいならここでも良いが、夜中の乗り降りの度に起こされそうなので、やはり2階が良い。
キッチンでは食事のほかに、コーヒーなどの飲み物やお菓子などが売られている。
ムアラムンタイで弁当売りが来ると聞いていたが、来ず。キッチンでコーヒーを購入し、ティドレで買ってまだ残っていたサゴで夕食にする。乗船前に買ったバナナとミカンがデザートだ。
トイレ兼シャワー室は、川がそのまま見えているボットントイレで、ホースからは川の水がふんだんに流れてくる。せっかくなのでここで私もシャワーを浴びた。
ムアラムンタイから約2時間、20時半頃にペニエガハン村に着く。ここでも結構乗り降りがあった。
時間は早いが、夜中に終着マラック(Melak)に着く予定なので、皆さん就寝が早く、我々も寝てしまった。