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2023年インドネシア»18日目 -サマリンダ-
2023年09月13日(Wed)
18日目 -サマリンダ-
夜が明けて外を見ていたら、大きな船影が前方に見えてきた。よく見ると丸太の山だ。巨木を筏に組んで運んでいるのは何度か見たが、このサイズの丸太を積み上げているのを見るのは初めてだ。熱帯雨林のカリマンタンでさえこのサイズの木材を切り出すようになったのかと思うと悲しくなる。
水上集落が現れ始め、その先には街が見えてきた。テンガロンである。
テンガロンの港で幾人かの人が下船。乗船する乗客はいないが、弁当売りが何人か乗り込んできた。普通の弁当売りが多かったが、伝統食であるラマン(Lemang)も売られている。ラマンは、もち米をバナナの葉に包んで竹筒を用い、ココナツミルクで炊くご飯である。
ラマンは定番としてサンバルとゆで卵で食べる。付いてきた卵はアヒルの卵を塩漬けにしたもので、普通のゆで卵よりも味が濃くて、うまかった。
9時前にサマリンダのマハカム橋が見えてきた。帰りは下りなので、やはり早い。楽しかったマハカム川の船旅が終わってしまった。
東カリマンタン州の旅はこれで終了し、今夜の夜行バスで南カリマンタン州のバンジャルマシンに向かう。あまりに早い時間のバスに乗ると到着が早くなりすぎるので、サマリンダを少し歩くことにする。川沿いに歩いたが、遊歩道的なものはなく、全く川は見えず。ビックモールという大きなショッピングモールに入る。各種ブランド店に交じって、ユニクロやそごうも入っている。食べ物屋には吉野家や丸亀製麺。こんな田舎にも日本企業がたくさん進出しているのだ。
時間を潰すためもあり、良さ気なレストランに入りたいが、カリマンタン料理の店が見当たらない。きれいなバリ料理の店が最上階にあり、そこのメニューに妻がインドネシアで食べたかったという料理を見つけ、入ることにする。
ドリンクに妻が、ショウガとレモングラスのドリンクを頼んだら、砕いたショウガがどっさり底に沈んでおり、レモングラスが何本も刺さった見た目のすごいドリンクが出てきた。私は普通にパパイヤジュース。
妻が食べたかったのはウンパル(Empal)という料理で、スンダ名物らしい。スンダ語ではゲプク(Gepuk)といい、牛肉をマリネし、数時間煮てから揚げる手間のかかる料理だ。サンバルトラシというチリソースをつけて食べる。見た目は固そうな肉だが、非常に柔らかく美味しかった。
もう一品はナシゴレンパンギ。ナシゴレンは焼き飯、パンギはラウォン(マカッサル空港とサマリンダ旧バスターミナルで食べた黒い牛肉スープ)を作る時の調味料を指す言葉。ナシゴレンパンギはラウォン同様に黒い色をしており、牛肉が入っていた。
ビックモールはマハカム橋に近かったので、歩いて橋を渡ってみる。橋の上からの景色は船からと大差ないが、橋のたもとから見上げる巨大橋は迫力がある。
最後は配車アプリでタクシーを呼んで、新バスターミナルへ。バリクパパンからのバスが着いたターミナルは旧ターミナルで中心部に近いところにあるが、新ターミナルはマハカム川の対岸にある。ターミナルの規模に比べて停まっているバスが少ないが、これから増えていくのだろう。
バンジャルマシン行きのバスは1時間に1本くらいあるということだったが、まだコロナで減便してからの復活途上のようで、一日に数本のみだった。それでも次のバスが1時間以内にあったので問題はなし。13時半発のバスで出発する。新しくきれいなバスだが、座席間隔がかなり狭く、乗り心地は良くない。バリクパパンまでは来た時と同じルートだった。バリクパパンのターミナルには立ち寄ったが、下車する人も乗車する人もいない。さらに少し進んで、バリクパパンにあるバス会社の駐車場へ15時半に到着した。ここで乗って来た人が数人。そのまま、中々出発せず、1時間以上客待ちし、いつの間にかバスは混んでいた。
バリクパパンを出発し、しばらく走ってフェリー乗り場に到着する。ここからバスごとフェリーに乗ってバリクパパン湾を渡るのだ。
船の売店で売っていたナシゴレンで夕食とする。昼に食べたナシゴレンに比べると味は格段に落ちるし、量も少ない。続けて食べたのは失敗だ。
煙突の林立するバリクパパンの湾岸部を船は進む。
船は1時間以上かかり、日没は船の上で見た。18時半、対岸に着いた頃にはもう暗かった。
20時に食事休憩。バイキング形式で自分で皿に好きなだけ盛れるシステムだ。ナシゴレンを食べてお腹が空いていなかったので何も食べなかったが、そういう時に見ていると食事が美味しそうに見えてしまう。次回から長距離バスに乗る時はちゃんと食事休憩で食事をしようと思った。
後は乗客の乗り降りもなく、バスは夜道をひた走る。エアコンがきつくて寒かった。