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2023年インドネシア»19日目 -バンジャルマシン
2023年09月14日(Thu)
19日目 -バンジャルマシン
まだ真っ暗な朝5時半、バスはバスターミナルに着いた。スマホのGPSで場所を確かめるとバンジャルバル市にあるターミナルで、バンジャルマシンのターミナルまで後り12キロだ。すぐに下車した人々は半数以下、一部の乗客は運転手に猛抗議している。どうやら運転手側はバスがここまでだといっているのに対し、乗客がここはバンジャルマシンではないと主張している様子だ。こんな遠い場所で降りたくはなかったので抗議する乗客を応援していたが、結局全員がここで下車することになった。
下車したターミナルは新しい大ターミナルで、ここがバンジャルマシンの新ターミナルなのだ。一応配車アプリでここからもタクシーを呼べることは確認したが、予想外に高い。どうやってバンジャルマシンに行こうかとターミナルで考えている時に、新しい市バス路線図の張り紙を見つけた。ここから市バスがあるなら問題ない。外は明るくなっており、ターミナル敷地内に市バスターミナルもあるのが見えた。次のバスまでしばらく待つことになったが、無事に市バスでバンジャルマシンの中心部へと移動出来た。
宿に行くには早すぎるのでそのまま観光しながら宿方面に向かう。スチヌラニ寺は、19世紀に建てられた道教寺院。時間が早すぎて閉まっていたので、外から見ただけ。
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バンジャルマシンの中心部を流れるマルタプラ川沿いにあるバル市場は店が開きだしたところだ。大きなぶつ切り魚を赤いたれにつけて焼いており、非常に美味そう。
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マルタプラ川を渡る。右側がバル市場で、川沿いは水上家屋が並んでいる。
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バンジャルマシンは南カリマンタン州の州都であり、最大の都市だ。愛称は、コタスリブスンガイ(Kota Seribu Sungai)、意味するところは「1000の川の街」である。たくさんの河川が市内を縦横に流れる川の街だ。先ほど広い川を渡ってすぐ、今度は幅の狭い川。橋の上から網を降ろして魚を獲っている。
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紅しょうがのような真っ赤な麺が食事処で目立っている。ミーハバン(mie habang)と呼ばれるバンジャルマシンの名物だ。バンジャールの人々が赤い料理を好むことから製麺屋が着色し、それが人気を博して名物になったもので、麺自体は小麦粉から作る一般的な麺だそう。インドネシア語で、赤いがメラ、この麺をミーメラと呼ぶこともある。いろんな食べ方があるようだが、この店では、鶏の茹で汁と小さなミカンの汁などを生麺にかけて食べる。具は茹でた鶏足か鶏の頭。さっぱりした味でおいしい朝食になった。
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川沿いの遊歩道を歩いてホテルへ着いたのが8時半。時間が早くて心配だったが、無事に部屋に入れた。昨夜は狭くて眠れない夜行バス、その前は眠れたとはいえ夜行の船と二晩連続の夜行だったので、非常に疲れている。頑張ってシャワーを浴び、洗濯をした後は、すぐに寝てしまっう。
昼に起きて出掛ける。宿の近くにも小さな市場があり、散歩。その後、マルタプラ川を再び渡って街の中心部へ。
廃タイヤで容器を作り、ペインティングをしたものが、路上に並べられ、売られている。廃タイヤの活用はいろんな国で見てきたが、この容器が今までで一番気に入った。これなら家にあっても良いかも。
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昼食はクトゥパカンダガン(Ketupat kandangan)。南カリマンタン州の名物料理である。カンダガンはバンジャルマシンの北約100キロにある地域の名前で、夜中にバスで通ってきた場所だ。クトゥパはご飯を押し固めたもので、これまでにも何度か食べている。クトゥパカンダガンは、濃厚なココナツミルクスープをクトゥパにかけ、川魚の燻製と一緒に食べる料理だ。このメニューしかない専門店で食べたところ本当に美味かった。
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市役所ロビーで民族衣装で着飾った人々が記念写真を撮っていたので便乗する。バンジャルマシンの主要民族はバンジャール族で人口の8割を占めている。男性の帽子はバンジャル族の民族帽だ。
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朝は入れなかった道教寺院が開いていたので入る。中国系の住民が普通にお祈りをしている。
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この後も街の中心部にある市場や商店街、公園などをのんびり歩く。サビラルムフタディン大モスクは、バンジャルマシン最大のモスクで15000人が同時に祈れる広さがある。
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メルデカ橋はカラフルにペインティングがなされている。先ほど見た廃タイヤのペインティングと色遣いが似ている気がするのだがどうだろう。
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橋を渡ると川沿いには遊歩道。まずは宿とは逆側に歩いてみる。よく整備された公園で、川沿いには遊覧船乗り場がある。この辺りは市が観光客用に水上マーケットを誘致していたはずだが、コロナでそんなものはなくなってしまったようだ。観光案内所もここにあるので来たのだが、学校の団体でごった返しており、何か聞けるような雰囲気ではなかった。
屋台も並んでおり、何故かたこ焼き屋もある。この街で見るのは2軒目なので、写真を撮って少し話を聞いてみる。インドネシア語の名前はなく、彼らもタコヤキと呼んでおり、ちゃんと日本の食べ物だということも知っていた。
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メルデカ橋に戻り、橋のたもとのお寺に入る。このソエジヌラニ寺も道教寺院だ。
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お寺の南には強大なテングザルのモニュメント。ユーモラスな表情でおもしろい像だ。
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川はきれいに見えないが、洗濯や水浴をしている人も多い。
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バンジャルマシン最大の市場ハンヤー市場に行く。売っているものは当然他の市場と大差はないが、全体的に暗い感じがする。空き店舗も多いようだ。そんな中で目を引いたのは、呪物を売っている店。アクセサリーの店かと思ったが、よく見ると呪物的なものが多かった。
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市場の周りにも商店街が続き、場所が分からなくなるほど広い。GPS付きのスマホがあるから迷わないが、川で行き止まりになるところも多く、昔なら抜け出すのが大変だったと思われる場所だ。
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川を見て一休みしていると、大きなものが泳いでいる。よく見るとワニだ。スーッと民家の軒下に入って消えた。水浴びをしている人がいるようなところにワニがいるとはびっくりだ。
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ワニを見た場所からカメラをひいて撮った写真。こんなところにワニが泳いでいたのだ。
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16時頃に宿に戻り、夕食時間までのんびり明日行く場所を考えながら過ごす。
夕食は宿の近くで、チャプチャイゴレン。鶏肉の乗った野菜炒めだ。
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もう一品がナシゴレンマウオ。麺とご飯を一緒に炒めたそばめしだ。赤い色はトマトケチャップの色だが、朝のミーハバン同様に赤い色が好まれるから赤くしている感じがする。
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味は良かったが、蚊が多く、ボコボコにやられた。二度と入りたくない食堂となる。