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2024スペイン、アルジェリア»4日目 アブダビ-マドリード-グアダルーペ-カセレス-バルデサロル
西サハラ難民キャンプ訪問とスペイン全自治州訪問完了の旅
2024年04月24日(Wed)
4日目 アブダビ-マドリード-グアダルーペ-カセレス-バルデサロル
定刻午前2時45分発のエティハド航空機でマドリードに向かう。今回も座席指定をしなかったが、前方のシートピッチの広い場所で、しかも3席を2人で使えありがたい。離陸1時間後の最初の食事はポテトチップスとビスケットのオレオが飲み物に付いてきただけ。でもUAEではアルコールを飲んでいないのでワインが美味い。中央の3席のシートに2人で座るとどちらに飲み物が来ても頼めるので、お代わりもしやすかった。ワインを飲んだ後は熟睡する。
約4時間後に2度目の食事。アブダビ時間で8時、スペイン時間で6時だから朝食だが、チキンパスタにデザート、フルーツ、パンにジュースと結構ボリュームのある食事だ。
定刻より若干遅れて8時半過ぎにマドリード到着。到着ターミナルのT4はT4とT4Sに分かれており、実際に着いたT4Sから入国手続きをするT4までは列車移動もあり、すごく遠い。スムーズに入国手続きを終え、レンタカー会社に着いたらもう10時前だった。車はほとんどまだ走っていないトヨタの新車で素晴らしい。
空港からそのまま高速に入り、西に向かう。マドリード州とカスティーリャ・ラマンチャ州は素通りし、エストレマドゥーラ州にやって来た。州境を越えると山岳地帯となる。遠くまで広がる谷を見下ろす展望台で一休み。エストレーチョデラピーナアマリージャ展望台で、スペインで生息するほぼ全種の猛禽類がこの辺りで観測できるそう。遠くに飛んでいる猛禽類は見えるが、肉眼では種類は全く分からない。名前の意味は、黄色い(amarilla)露頭(peña)の海峡(estrecho)で、発見される化石からスペインの中心近くの山の上なのにここが海の底だったことが知られている。(*露頭は地層が地表に見えている場所のこと)
坂を下ると草花の美しい草原地帯が続く。
午後1時半過ぎにグアダルーペにやって来た。世界遺産登録された「サンタ・マリア・デ・グアダルーペ王立修道院」で知られる山間の小さな町だ。
車を停めて、まずはレストランへ。スペインのセットメニューには通常飲み物がセットに含まれる。スペインなのでワインを飲みたいところだが、レンタカーなのでアルコールの少ないビールを注文する。
今日のレストランではセットメニューが2種類ある。メヌデルディアは、7種類のから選ぶプリメロ(1皿目)と6種類から選ぶセグンド(2皿目)に、飲み物、パン、デザートがついて12.5€(約2100円)。エヌエスペシアルは、2種類から選ぶ前菜に、3種類から選ぶプリメロ、3種類から選ぶセグンドに、飲み物、パン、デザートがついて22.95€(約3900円)。どちらにも食べたかったこの州の名物料理が選択肢にあるということで、両方頼むことになった。
1品目は、エスペシャルの前菜で、モルシージャ=ニンニク、唐辛子、ハーブなどが入った血のソーセージ。パンによく合う味で、ビールも進んでしまう。
2品目は、サルモレホ=トマトベースの冷たいスープ。トッピングに入った生ハムや卵が美味しさをすごく引き出している。こちらはデルディアのプリメロだ。
エスペシャルのプリメロが3品目。ミガス=パンくずを意味する名前で、細かくちぎったパンをオリーブオイルやトマトソースニンニクなどで炒めたもの。上に乗せられたベーコン、パプリカ、目玉焼き、チョリソーが、ミガスを豪華なものにしてくれている。これもビールに合う。
デルディアのセグンダが、4品目。ロモアラプランチャ、ロモは豚ロース、プランチャは鉄板焼きなので、普通に豚を焼いたもの。付け合わせでポテトフライとピーマン。それまでは名物でもあり、美味しかったが、これは普通の味だった。
5品目は、エスペシャルのセグンダ。バカラオドラード、金色のタラという名を持つタラ料理。スペイン内陸部の伝統的魚料理だそう。内陸部なので、塩漬けのタラを使っていると思われるが、塩の味はほぼ感じなかった。優しい味の料理だ。
かなりの量のあるコースだったので、お腹はいっぱいだったが、デザートもしっかり頂いた。昼食に要した時間は1時間以上。さすがスペインである。
15時を過ぎているのに、修道院はまだ昼休みで閉まっている。大聖堂は開いていたので、大聖堂に入る。
非常に大きく、きらびやかな大聖堂だった。
修道院はツアーに参加しないとメインの場所は見られず、ツアーには1時間かかるという。昼休みが終わるのを待ってすぐにツアーに参加できたとしても、出発はかなり遅くなる。修道院内部は諦め、周辺のツーリスティックな街を散策し、出発することにする。
15時半にグアドルーペを出発。1時間半ほど走ったトルヒーリョでスーパーに立ち寄って買い出しをする。
本日2ヶ所目の目的地カセレスには18時に到着した。この街の旧市街も「カセレス旧市街」として世界遺産登録されている。カセレスは紀元前にローマ人が建設した都市で、ローマ時代やイスラムの時代を経て、レコンキスタによってスペイン人の街となった。スペイン黄金の世紀と呼ばれる16世紀半ばから17世紀に交易の中継都市として非常に栄えた街で、旧市街はその頃の姿を多く残している。
旧市街のすぐ外に車を停めて、街の散策を始める。細い路地を進むと最初の見どころ、サンティアゴマヨール教会の塔が見えてきた。高さが高すぎて、近づいても中々良い写真ポイントはなし。
見どころはたくさんあるので、写真を気にせず色々見て歩く。観光地だけあって、分かりやすい看板が何ヶ所かあり、助かった。
大聖堂らしき建物がたくさんあるが、その中でもカセレス大聖堂とも呼ばれるサンタマリア大聖堂はトップランクの見どころとなっている。入ろうとすると待てといわれ、待っているとすぐに大勢の聖職者が出てきた。
サンホルヘ広場に面した聖フランシスコジャヴィエル教会は白く美しい教会で、周りには修道院がいくつかある。
坂を登った一番上がべレタス広場で、写真左はサンマテオ教会、その右がコウノトリの宮殿。
カセレスの観光を終え、出発したのが19時15分。バルデサロルにある本日の宿に着いたのは19時40分。中央ヨーロッパ時間を採用するスペインの西部にあるこの辺りは、1時間時差のあるグリニッジ標準時よりも西にある。その上夏時間を採用しているので、経度から割り出される時間よりも実際の時計は2時間早くすすんでいる。なので20時を過ぎても日が出ており明るい。
ガリシアのサンティアゴ・デ・コンポステーラを目指す巡礼の道は何本もあるが、その中で銀の道と呼ばれるセビリアからの巡礼道が、ここを通っている。小さな町だが巡礼者が多く訪れるので、ここには宿はいくつもある。巡礼者専用の宿よりは少し贅沢だが、巡礼者も良く来る宿が今日の宿。シンプルな宿だが、きれいで気持ち良いところだ。
飛行機で3時間ほど寝ただけで長距離ドライブをし、観光もしたので、今日は非常に疲れた。巡礼者が集まるバルで夕食をとるつもりだったが、そのまま食事もとらず早めに寝てしまった。