7時半からホテルの朝食。コーヒーは2ブレンドからの選択で、どちらも美味しい。今回はずっと美味しいコーヒーが続き、嬉しいところだ。前回訪れた西半分の米国は、どこのコーヒーも薄いアメリカンだったので、米国全土でそれが普通かと思っていた。しかし、東北部はここまでずっと日本同様に濃いコーヒーが出てくる。地方差なのだろうけど、これが続いて欲しいものだ。
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朝食は、ベーグル。プレーンだけだったニュージャージの時とは違って、ベーグル本体に味が付けられている。ベーグルだけで食べると風味の違いが分かって楽しいが、やっぱり美味しく感じるのはクリームチーズをたくさんぬったもので、ぬってしまうと微妙なベーグル本体の味の違いは分からなくなってしまう。今回はワッフルもちゃんといただき、お腹いっぱい。茹で卵やヨーグルト、果物などもあり、非常に美味しい朝食である。
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今日はちゃんと早くに出るつもりだったが、またまた出発は10時近くになってしまう。45分ほど走って、大きなメモリアル橋に。これを超えると再びニューハンプシャー州である。橋を渡ると日露講和条約が締結された場所として知られるポーツマスだ。
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ポーツマス条約としても知られるこの条約が結ばれたのは1905年の事である。この時に日本とロシア双方の代表団が宿泊し実質の交渉をしたホテルが今もあるというので訪れることに。
ホテルはポーツマス近郊のニューキャッスル島にある。ニューキャッスル島までは橋が架かっており、途中で2つの島を経由する。その2つ目の島であるゴート島で一休み。メイン州とニューパンプシャー州の境をなすピスカタクア川にある島で、池のように見える水面は、川ということになる。しかし、川面は水の流れも波もなく、非常に静かで澄んでいる。
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公園にもなっており、大きな楓が赤くてきれいだ。
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ニューキャッスル島に移動し、ポーツマス会議の実質会場で会ったホテルにやって来た。1874年に建設されたホテルだったが、1982年に閉館。取り壊しも決まっていたが、全米歴史保存トラスト(NTHP)の活動などの結果修復され、2003年に営業を再開した。2023年からはウェントワースバイザシーホテルとして営業している。海際の美しいホテルで、専用の波止場もある。実際の条約締結はメイン州側にある別の島で行われ、代表団はここから船で通ったのだそう。
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ホテル内部も見学したが、印象に残ったのは入口にあったハロウィンのカボチャ。種類もすごいが最大のものの大きさがまたすごかった。
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ホテルを11時20分に出発、12時にマサチューセッツ州に入った。最初の街ニューベリーポートでスーパーに立ち寄る。ニューイングランド地方の郷土料理として人気のあるベイクドビーンズだが、家庭料理なためか、レストランのメニューでは中々見つからないそう。その缶詰が何種類もスーパーには並んでおり、ここで買うことになった。しかし、日本ではあまり見ない缶切りが必要なタイプの缶ばかり。ナイフやスプーンをホテルで借りれば開けられるし、今まではそうやって来たが、妻が回転式の缶切りを欲しがった。今時日本で缶切りを使うことなどほぼないので要らないが、今回だけでもあった方が便利なので、買ってしまった。これは飛行機の手荷物に出来ないので、帰りは荷物を預けることが決定となる。
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昼食もスーパーで購入する。朝食が多かったためにまだ空腹ではなく、13時だが先に進むことにする。ニューイングランド地方最大の都市ボストンは素通り。しかし、高速が渋滞していたので車窓からはいくつかの観光ポイントが見えた。写真はバンカーヒル記念塔、米国最初のオベリスクと称されるもので、1843年の完成。
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チャールズ川を渡っていよいよダウンタウンと思ったら、ダウンタウン辺りのハイウェイはトンネルで景色は見ることが出来なかった。
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そのままプリマスまで走り、海岸のネルソン記念公園でようやく昼食休みとなる。時間は既に15時を過ぎている。砂州に囲まれた湾内なので波はなく、穏やかな海岸。
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昼食はニューヨークでヒーローとして食べたのと同じサブマリンサンドイッチの1つで、ここではサブと呼ばれている。3種類もハムやサラミがしっかりと入っており、お腹いっぱいになる。
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16時半、ハイアニスの宿に到着。本日の走行は173マイル、278キロだった。夕食がてら街を少し歩くつもりだったが、昼食が遅かったのでお腹は空かない。朝用に買ったボストンベイクドビーンズを食べようと開けたが、激甘で少し味見しただけに終わる。
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