9時前に出発、1時間弱走って、ヘレナにあるデルタ文化センターに到着した。ここでいうデルタというのは、ミシシッピデルタのことで、アメリカ南部なかでも最も南部らしい地域として知られている。実際には地形学上のデルタではなく定義上では沖積平野に分類される低地帯からなる地域だ。元々駅舎であった建物に文化センターがあり、使われなくなった車両の展示などもある。ここは、ネイティブアメリカンの生活から始まり、森と湿地に覆われたデルタを開拓していく開拓の時代、そして綿花栽培の労働力として連れてこられた黒人の生活などが分かる素晴らしい博物館となっている。
メインの建物から少し離れた別館には、南部音楽の代表であるブルースを中心とした音楽関係の展示があり、様々な楽器やミュージシャンの写真などを見ることができた。昔の音源が色々聞けるブースがあって実際の音楽を楽しむこともできる。その一角では米国で最も長く80年以上毎日放送されているブルースのラジオ番組が発信されており、昼の放送時間に居合わせた旅行者は番組出演を求められるのだそう。
街を少し歩いた後今度はアーカーソン州のウェルカムセンターに立ち寄る。アメリカでは州境前後に州の観光案内所の役割がメインとなるウェルカムセンターがある。ここのウェルカムセンターはパンフレット類が非常に多く、展示物も多い。写真は州都特産品を展示したもので、綿花、大豆、小麦、トウモロコシ、米などが写っている。
11時過ぎに出発。すぐにミシシッピー川を渡って、ミシシッピ州に入る。
この辺りは綿花地帯で、どこまで行っても綿花畑が続いている。ちょうど収穫の時期で、集められた綿花が円筒形に固められ畑の中に転がされている。
道路上にも綿花が散乱している。
円筒形に固められた綿花が集められている工場。
まだ収穫されていない畑もあり、立ち寄って観察する。収穫前の段階だが、触ってみると綿そのものだ。
グリーンビルの郊外にある南部料理のレストランは倉庫を改造した建物で、地元の人々で賑わっている。
フライ尽くしのランチは非常に美味しかったが、さすがにこの量を2人で食べると後でもたれた。ナマズのフライは期待通りの美味さだ。ソースが4種類もついているが、つけなくても美味い。
ランチセット一人前+単品で頼んでいたが、セットにだけつくドリンクとデザートはサービスで2つ出してくれた。
外国人どころか、観光客自体全く来ない田舎のレストランなのに妻が色々質問しまくって目立っていたら、オーナーが店の奥から店のロゴの入ったTシャツを出してきてプレゼントしてくれた。
昼食後は再びミシシッピ川を渡って、アーカンソー州に戻り、レイクポートプランテーションを訪れる。1831年に設立された農園で、メインのプランテーションハウスは1859年に建てられたもの。国家歴史登録財に登録されており、現在は博物館になっている。
プランテーションハウスは今も綿花畑が広がり、黒人奴隷が働いていた時代とそう変わりない風景がここには残されている。
15時半頃にルイジアナ州に入り、16時にポバティポイントに到着した。ここは紀元前1700年から紀元前1100年の間に先住民によって築かれた土塁や塚がある遺跡で、州の史跡、米国国定公園、米国国定歴史建造物、およびユネスコ 世界遺産に指定されている。まずはビジターセンターの展示物を見学する。数多くの発掘品を見た後、遺跡に関するビデオなども見学した。
古い時代の遺跡なので、ビジターセンターで事前に学ばないと、現存するものだけ見ても見応えは少ない。とはいえ円形の建築物跡がいくつも残り、分かりやすいように石を置いている部分もある。
北米のピラミッドとしては中米のものよりも古く、北米最古のピラミッドの1つと考えられている。
17時が閉園時間だったようで、我々が見学を終えて戻ってきたら、すぐに入口を絞めていた。アメリカでは終了時間ギリギリだと追い立てられるところが多いが、ここはそうではなく、ちょっと嬉しかった。
1時間ほど走って、再びミシシッピ州に入る。州境を越えた最初の町でスーパーに入り、買い出し。ハローウィンが終了し、かぼちゃがそれまでの数分の一の値段で売られていた。
スーパーを出た18時半にはもう暗くなっており、久しぶりの夜間走行で雨まで降ってきた。
19時40分、無事にヘーズルハーストにある宿に到着する。本日の走行は329マイル、530キロ。500キロ越の走行が6日間続いたが、これで終了。明日からは走行予定距離が短く、ホッとする。
夕食用に買い出しはしていたが、昼食が重かったので、腹が空かず、夕食はなし。