朝食は昨日の夕食用に買っておいたサウス(souse)がメイン。豚の顔部分の肉をそこに含まれるゼラチン質で固めたもので、テリーヌの一種。ゼラチン質の食感がチーズに似ていることから、英語ではヘッドチーズと呼ばれている。ヘッドチーズはアメリカ南部の代表料理の1つで、ヘッドチーズの中でもスパイシーなものがサウスと呼ばれている。非常に美味しくてまた食べたくなる味だった。
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9時半に出発、ハイウェイを南下し、約1時間で州境を越え、再びルイジアナ州に入る。ルイジアナ州に入り、高速を降りるとしばらくは交通量の非常に少ない森の中の道が続く。
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11時20分、グリーンウェルスプリングスでガソリンスタンドに立ち寄る。そこの売店に入って見ると、銃や罠などの狩猟道具や狩られた動物のはく製などが所狭しと飾られている。置いてあるパンフレット類を見るとこの地域は狩猟が盛んな地域の様だ。
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狩猟関係だけでなく、昔のリンゴ圧搾機(サイダーを作る道具)を展示してあるなど、小さな博物館のようなところで、見ていて楽しい店だ。
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食堂も併設で、食べてみたいものが色々ある。私はここで食事をしたかったが、妻が狙っているルイジアナ州の代表料理がここにはないということで先に進む。
12時にバトンルージュ到着。ルイジアナ州の州都で、人口22万人、都市圏人口は87万人の大都市だ。
まずは郊外にある食堂へ。クローフィッシュが名物の店だ。クローフィッシュ(Crawfish)はクレイフィッシュ(Crayfish)と同じ意味で、クローフィッシュはアメリカ南部の方言だそう。要はザリガニだが、ここで料理に使うのは非常に美味しい種類のザリガニだ。
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まずはブディンボールズ(Boudin balls)。これは南部の伝統的な料理で、ブディンソーセージを肉団子状にし、揚げたもの。熱々の肉団子は普通に美味い。ひき肉やレバー、野菜などをから作るブディンソーセージは、昨日の昼もエッグロール(春巻きみたいな形)のフライで食べている。
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シーフードガンボはもっとも有名な南部料理の1つ。こってりしたシチューでご飯によく合う。
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クローフィッシュエトフェも有名な南部料理の1つだ。ガンボよりも色が薄い。味も上品。これも美味しいが、ガンボとの2択ならガンボが好きかも。
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ポーボーイ(po' boy)は、ルイジアナ州の伝統的なサンドイッチ。元々はエビのフライのサンドイッチなので、ひとつはシュリンプポーボーイを頼んでみた。
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もう一品は、オイスターポーポーイ。今では色々な具のポーボーイがあるが、中でも人気なのがオイスターポーボーイ。牡蛎が好きなのでお勧めならばつい食べてしまう。期待通りの味だ。
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食事の後は、州都の観光。まずは州会議事堂へ向かう。大都市だし、何やらイベントが開かれているために中々車を停める場所が見つからない。やっぱり都会を車で行くのは面倒だ…。何とか車を停めて州会議事堂へ。1931年に完成したこのビルは高さ137メートル。高層ビルの少ないこの街では非常に目立つ建物だ。
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米国のビルとしては珍しく、無料で上部の展望台に上がれる。観光都市でないためか、並ぶこともなくすんなりと展望階へ。4方がよく見えている。北側の湖の向こうは工業地帯だ。ミシシッピの河岸には大きな港も見え、大型船も行き来していた。
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南側を見ると緑地の通りに人が大勢いるのが分かる。その向こうが商業の中心地域。
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行われていたのは古本市。それほど興味をひくものではないのでさっさと行こうとしたが、料理教室のデモンストレーションに妻がハマって、結構時間を使ってしまった。
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15時前に出発。バトンルージュまでは段丘上で水はけの良い土地だが、そこから河口まではミシシッピデルタの低地となっている。耕作物はサトウキビが多くみられた。
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ラッチャーでスーパーマーケットに立ち寄る。南部料理の食材が多い店でこれまでの店とは品揃えが異なり、面白い店だった。
ラッチャーを過ぎると道の両側が沼地の森林地帯となって、人の住めそうにない場所が続く。
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16時半頃にニューオリンズの都市地域に入った。そしてそのまま観光の中心フレンチクオーターへ。ニューオーリンズは、フランスが1718年に建設し、その後1763年にスペインに譲渡された。1788年と1794年に大火があったため、1790年代の後半に防火対策のなされたレンガ造りの町がスペインによって新たに建設され、そこが現在のフレンチクオーターとなっている。
混雑しており車を停める場所はないので、徐行しながら街を楽しむ。最初はフィリップ通りを東南方向へ。写真は、バーボンストリートとの交差点。
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フィリップ通りを右折し、ロイヤル通りに入る。この辺りは、アンティークなホテルとアートギャラリーが立ち並ぶ。
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ロイヤル通りから聖アン通りに入り、ジャクソンスクエアを目指すが、広場を周回する道は入れず。
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迂回してミシシッピ川に一番近いディケイタ―通りに出た。馬車の向こうがフレンチマーケット。その向こうがミシシッピ川だがこの辺りの車道からは見えない。
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渋滞で全く進まないので、私だけちょこっとこの辺りで車を降りてみた。写真の左、木のあるところが、ジャクソンスクエア。
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ディケイタ―通りで見かけた路上ミュージシャン。路上ミュージシャンはあちこちにいたが、演奏中の人はあまり見かけず。
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ディケイタ―通りには2階にバルコニーのある店が並んでいる。この辺りにビジターセンターがあるが、車が停められず、入れなかった。
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フレンチクオーター全体でおしゃれな観光客が多いが、特にディケイタ―通りに集まっている気がした。
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フレンチクオーターを抜けてカナルストリートに出た。ここからホテルに向かうつもりだったが、車から見るフレンチクオーターがおもしろかったので、もう一度入ることにする。賑やかそうなところに突っ込んでみると先ほども賑やかそうだったバーボン通りだった。
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観光客に人気の通りなので路上ミュージシャンも大勢いる。
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路上チェス屋さん。
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大きな管楽器(チューバ?)を抱えて歩くお兄さん。
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目立つ女性達。車のスピードが歩くスピードと同じくらいなので、この人たちがずっと写真に写ってしまっていた。
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バーの入口にはいかついガードマン?
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最初の写真と同じ、バーボン通りとフィリップ通りの交差点。時間が遅くなって、さらに人が増えている。ここのバーは人気で、席はなく立ち飲みをしている人も大勢いた。
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このままフレンチクオーターを抜け、大きなウォルマートへ。これまでどこの店でもあったセルフレジがここにないのがちょっと気になった。治安の問題だろうか。
18時半にホテル到着。本日の走行は230マイル、370キロだった。
夕食はダーティーライス。ひき肉、レバー、ピーマン、セロリ、玉ねぎなどの炊き込みご飯で、カイエンペッパーと黒コショウで味付けする。ルイジアナの名物料理だ。
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もう一品がジャンバラヤ。こちらもルイジアナ名物の炊き込みご飯。ソーセージが入っていた。見た目の色はダーティーライスと違うが、どちらもよく似た味で、根本的な違いは良く分からず。
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久しぶりにワインを買ったが、ダーティーライスもジャンバラヤもつまみになる味ではなく、少し飲んだだけに終わってしまった。