今日の宿も朝食付き。ベーグルやワッフル、シリアルやソーセージなど定番メニューで内容はまずまず。帰国が近くなり、明るい時間に車内の荷物整理などしていて出発は少し遅くなり、10時前だった。
30分ほど走り、メリーランド州最大の都市ボルチモアにあるマクヘンリー要塞国定公園に到着した。
ボルチモアは首都ワシントンの外港として栄えた港湾都市である。

マクヘンリー要塞の周辺はきれいな公園になっており、水鳥を眺めながら海辺の散歩するのに良いところだ。

ここはアメリカ合衆国の独立確定後に首都に近い港であるボルチモアを守るために造られた要塞で、1814年の米英戦争の際には激しい攻撃に耐え抜いた要塞として知られる。猛攻の翌朝に翻る国旗に感動してつくられた詩が、今のアメリカ国家の歌詞となっている。観光客の皆さんが一生懸命国旗の写真を撮っていたのだが、後から説明を読んで納得した。

第一次世界大戦時には軍の総合病院として使われ、数多くの負傷者がここで治療を受けた。

米英戦争時代の司令官の夕食。毎晩食事中に作戦会議をしていたのだそう。チキンと牡蛎で豪華に見えるが、特に味付けをしたわけではない素材の味を楽しむしかない食事なのが軍隊らしいところだろう。

たくさん並んでいる大砲には錆が全くなく、復元だろうと思われる。

大都市ボルチモアの街中は見ないつもりだったが、有料道路を避けるナビ設定にしていたので、混雑しているダウンタウンを走る羽目になってしまった。正面の塔は初代大統領ワシントンを称えるモニュメントで、1829年に完成したもの。

州境手前サクスエハナ川を渡る橋が有料道路で再び迂回で大回り。そして13時過ぎにデラウエア州に入る。ここがアメリカ本土にある48州最後の訪問州だ。いよいよ今回の旅も終わりが見えてきた。
デラウエア川沿いにあるニューキャッスルは17世紀前半に建てられた歴史ある町だ。その中心部の古い街並みはファースト・ステート国立歴史公園として整備されている。その中心はニューキャッスル裁判所博物館だ。開いているはずの曜日と時間なのに、閉まっていて入れず。復員軍人の日という祭日だからかも。

1831年に開通した鉄道のニューキャッスル駅。鉄道が運行していたのは1877年まで。

アムステルハウスは1730年代に建てられた建物で、1977年に国家歴史登録財に登録されている。現在は往時の暮らしが分かる博物館になっているそうだが、ここも閉まっていた。

ランチは住宅街にある小さな店。ウエスタンオムレットエッグチーズサンドイッチ。ウエスタンオムレットは、ハム、玉ねぎ、緑パプリカの入った定番のオムレツ。パンは種類が選べ全粒粉で作った食パンだ。

もう一つが、スクラップルエッグチーズサンドイッチ。スクラップルは、豚肉の切れ端や切り屑のマッシュをコーンミールや小麦粉、蕎麦粉、香辛料と混ぜ合わせた伝統的な料理で、ここのはレバーも混ざっていておいしかった。

15時過ぎにガソリンを入れてから出発する。デラウエア州最大の都市ウイルミントンのスーパーマーケットで買い出し。缶切りを買ったので帰りは飛行機に荷物を預けることになる。そのためのバッグがないので、スーパーで段ボール箱をもらってきた。
ブランディワインにあるホテルに着いたのは17時前。宿の近くに州立公園があり、そこに行くためにこの宿を選んでいたが、時間が無くなったので今日はここまで。本日の走行は129マイル、207キロだった。
夕食は昨日のカニカマディップとパン。新たにスープとしてビーフブロスを買ってみた。牛だけで作る透明なスープで、他の料理のベースとして使うことが多いが、これだけでも非常に美味しいスープとして飲める。

宿は残るところニューヨークの一泊だけ。明日は遅くに着く予定だし、その翌朝は早朝出発となるので、色々集めた資料の整理などを遅くまで進めた。