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2015-16 フィリピン縦断
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ミンダナオ島南岸からルソン島北岸へ、陸&海の旅
Day23 アパリ-トゥゲガラオ-タブク-ティグラヤン
残すところ一週間となった。ルソン島は素通りで北まで来たので、ここからは見学をしながら出国の地マニラを目指す。
宿をチェックアウトし、まずは市場で朝食をとる。今朝もまずまず美味しい食事だ。
ここから南に行くバスはマニラ行ばかりで、早朝しかない。最終である5時半発に乗ることも考えたが、日数が足りない訳ではないので無理をせず、夜明け前の出発は控えた。そうなると来る時も乗り換えたトゥゲガラオには乗り合いバンで行かねばならない。町の中心からは川を渡った先に乗り場はある。フィリピンには珍しく、呼び込みが必死でこちらが躊躇してしまうほどだ。よく見ているとここに客を連れてきたトリシクルの運ちゃんにはコミッションを渡している。
出発してすぐに呼び込みの謎は解けた。もう少し先にも他社のトゥゲガラオ行バン乗り場があり、そちらの方が車が全体的に新しく、乗り心地が良さそうだったのだ。しかし、満席にならず出発したため、使った方の会社も乗り心地は悪くない。道も良いので快適なまま、トゥゲガラオに到着した。すぐに今度はタブク行のバンに乗り換える。タブクへは途中まで来る時と同じ道を進むが、途中で分岐し、坂道をぐんぐん上っていく。
11時頃にタブクに到着した。タブクはカリンガ州の州都である。カリンガ州は、ルソン島北部の山間部を占めるコルディリェーラ行政地域に含まれる州で、アパリやトゥゲガラオが含まれるカガヤン州とは言葉や習慣がかなり違っている。大聖堂の前でバンを下車し、すぐに乗り継ぎの車を探し始める。
車はここに来るよと教えられた場所でフライドチキンの昼食をとる。
待っているうちに、本当にトランスポートがここからあるのか心配になってきたが、まともに英語を話す人が近くにいない。お巡りさんなら英語を話すだろうと交番まで行き、乗り場を尋ねると案内してくれることになる。なんと先ほどとは違う場所で、ちゃんと目的地であるティグラヤン行のバンは客を集めていた。我々で車は満席となったが、その後も30分ほど出発せず。
ようやく出発したと思ったらすぐにトイレ休憩となる。ターミナルではない道端で長時間客集めをしていたので我慢をしていた人が多いのだろう。ここで屋根の上にもかなりの乗客がいることに気づいた。座席が満席になっても出なかったのはさらに客を集めていたということのようだ。写真では2人しか屋根に写っていないが走行中は少なくとも5人は乗っていたようだ。
道はずっと上り坂で標高を上げてゆく。コルディリェーラ地域の棚田は世界遺産にも登録されている。登録されているものはごく一部だけだが、この地方にはたくさんの棚田があり、その一部が途中から見えてきた。
トゥゲガラオから山岳州の中心都市ボントックまで今回のルートを使えば160キロくらいだが、ガイドブックに書かれているルートは100キロ以上大回りのサンチアゴ経由のみである。大回りルートはおもしろくないので色々調べた結果、今なら時間的にも値段的にも直行した方がメリットがあるように思えた。10年位前までは道がひどく、大変だったルートなので、その情報に引きずられ今も使う旅行者がほとんどいないだけのようなのだ。とはいえ、今も工事中の場所が多く、最近崩れたと思わしき場所もあった。
このような棚田の続く絶景のルートで、今回はこちらを通って本当に良かった。
15時半頃ティグラヤン村に到着した。我々もボントックを目指してこのルートをとったのだが、今日はここまでである。タブクを9時台に出ないとボントックまで着けないという情報を昨日見つけており、ならば途中で泊まれる村をと探したのがこのティグラヤンなのだ。フィリピンでは村人の買い出しの便を図るためか、村を朝出て街に行き、夕方村に帰るという交通手段は意外なほど発達している。町に泊まるより田舎に泊まる方が好きなこともあり、これは結構うれしいシステムといえる。
村を歩くとあちこちに豚が飼われており、28年前にボントックなどを訪れた時のことが懐かしく思い出された。
村の中心部にも2軒宿はある。しかし、対岸のルプルパ集落にある宿の写真がネット上にあり非常にきれいだったので、そちらに向かった。ルプルパへはこの吊り橋を渡らねばならない。高所恐怖症なら渡れないかも。
吊り橋の上から眺めるチコ川。この反対側では子供たちが楽し気に泳いでいた。
橋から集落までの道はこのような小道で、もちろん車など通れない。
巨木に囲まれたコートでバスケットボールを楽しむ少年たち。フィリピンではバスケが本当に盛んでどんな田舎でも楽しんでいるし、テレビでもアメリカのプロバスケをよく流している。
伝統家屋の中にデーンと建つホテル。行くまで知らなかったが、ドイツ人の経営だ。中にはいろいろな規則が張られており、フィリピンによくある宿とはかなり趣が違っている。
明日朝すぐに出るので、荷物を置いてすぐに村歩き。すぐにポーズをとってくれるアパリの人々に比べかなりシャイな人々だ。
大きな荷物を頭にのせて吊り橋を渡る村人。
村の中心にある別の宿で夕食をとる。一種類しかなかったが、おいしかった。
18時近くになっていたが、まだ先に進むジプニーがあり、出発準備をしている。屋根まで満席!
エアコンはもちろん扇風機もない宿なのに、窓に蚊帳がない。仕方なしに締め切っていたが、標高が高く、横になるころには十分に涼しくなっていた。
*本日の宿:Riverside inn
*本日の移動:バン:アパリ→トゥゲガラオ、トゥゲガラオ→タブク、タブク→ティグラヤン