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2015-16 フィリピン縦断
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ミンダナオ島南岸からルソン島北岸へ、陸&海の旅
Day25 マイニット-ボントック-バナウエ-バンガアン
マイニット村を出るジプニーは朝7時半と8時しかない。できれば昨日訪れたバシ醸造所や公衆浴場にもう一度行きたいが、そのためには連泊するしかないようだ。連泊も考えたが、1泊で出ることに決め、朝からまた温泉に入る。
7時40分頃宿をチェックアウトして村に向かう。宿の前でジプニーを待っても良かったが、少しだけでももう一度村を歩こうと思ったのだ。少し歩くと眼下に泊まった宿が見えた。入浴した温泉は奥の丸いプールで、その手前のプールはぬるいので入らず。さらに手前の大きなトタン屋根の部分が部屋や食堂になっている。
村のあちこちにサトウキビが植えられており、朝から収穫をしていた。これもバシにするのだろうか?
村の一番入口のところでジプニーを待つ人が大勢降り、さらに荷物を持った人々が上から降りてくる。到着時は村の上部までジプニーは走り、人々は徐々に降りて行ったが、出発時は村の一番入口での乗車となるようだ。ギリギリまで村を見て歩きたかったが、乗り遅れるとまずいので、少しだけ歩いてジプニーを待つ。
景色は昨日見ているし、やっぱり車内の方が楽なので本日も車内に入れてもらったが、昨日よりも乗る人が多く、屋根の上には女の子も次々と上がっていった。
昨日は良く見えなかったが、途中に唯一ある村ギナアンにも棚田は広がっている。
ボントックに到着し、まずは朝食をとる。この辺りはライスが食べ放題で、いえばお代わりもくれる。ここまでの地域ではライスはカップで計って出され盛り切りであり、お代わりには追加料金が必要だった。そのカップが小さく、お代わりで追加を払うことが多かったことを考えると食べ放題は本当にありがたい。しかも水が良いせいか、この辺りのライスはおいしいのだ。
ボントックからは10時発の乗り合いバンに乗ってバナウエに向かう。乗り合いバンは人が満席まで集まってから出るのが一般的なのだが、ここでは時間が決まっており、空席があるままの出発だった。棚田のある谷を車は登って行き、一番高い辺りが州境となっていた。ここからはイフガオ州である。
州境を過ぎたところでトイレ休憩があった。棚田のビューポイントかなと思ったが、標高が高すぎるためか棚田はに当たらず、段々畑が少し見えた。
休憩所辺りに並ぶ売店には野菜がたくさん売られている。標高が高い場所なので、涼しい気候を利用して高原野菜が作られているのだろう。
無事、昼前にバナウエに到着した。12時すぎに世界遺産登録の村バンガアンを通るバスがあるとガイドブックにあり、期待して尋ねたが、13時すぎだよとのことだった。待っても良かったが、バナウエ近辺にも美しい棚田は多く、バンガアン方向のバス道沿いにも棚田は広がっている。一時間くらいならと散歩がてら歩いて、バスが来たらそこで乗ることにする。バナウエは急峻な斜面に広がっており、まずはぐんぐんと階段を下った。
美しい棚田を見ながら歩くのはやはり楽しいものだ。
バナウエから4キロの場所にギホブナチュラルプールという名勝地がある。ここで休んでバスを待とうと思っていたが、入場料が必要だった上に、泳げるという滝壺は少し奥のよう。いつバスが来てもおかしくない時間になっていたので、さらに少し歩いた木陰でバスを待つことにした。
すぐにバスはやって来たが、満席で屋根にまで人が乗っている。景色の良い場所だということもあり、躊躇なく屋根に上がった。しかし、ジプニーと違って捕まるところもないので、より危なっかしい場所である。しかし、高さがあるのでさらに景色は良い。
途中で見かけた焼き畑。
バンガアン村の中心は道路から下に広がる棚田の真ん中にある。宿は道路沿いにあり、観光客向けのレストランが併設されている。チェックインし、まずはビールで乾杯! 暑い中を歩いたのでビールがうまい。
この地方の人々はビンロウをかむ習慣があり、多くの人が口を赤くしながらかんでいる。レストランに来たこのおばあさんはビンロウを器具で砕いてから口にしていた。
宿の子供に普段住んでいる家を見せてもらった。ネズミ返しの付いている高床式の伝統家屋だが、屋根はトタンだ。
宿の子供がパパイヤの木にするすると登り、我々のためにパパイヤをもいでくれた。
世界遺産登録のバンガアンの棚田。これまでにずっと見てきた棚田に比べ規模が大きいとかいう訳ではないが、中心部に藁葺きの伝統家屋が見える。
田植えは手作業だ。この村の米は自給用であって、特に出荷はしていないといっていた。
中心部に残る伝統家屋。石畳の上に立つ高床式家屋で、ネズミ返しが付いている。
入り口付近にはいろいろな木彫りが美しく飾られている。
水牛をはじめとするさまざまな骨も木彫りとともに飾られている。
内部には炊事場があり、薪で火がたかれている。右側のポットなどが現代的であるが、かえってそれで生活感が感じられる。
棚田で緑の濃い部分は苗床である。
ここでも他に宿泊客はいなかったが、昼間に観光客が来て食事をする場所だけあって、夕食のメニューは色々ある。ただ、豚肉が切れており、鶏肉と魚(テラピア)からの選択だったのが、残念に思う。豚を多く見るので、やはり豚肉が食べたくなっているのだ。昼間にビールを飲んでしまったので、夜は飲まず。
山間部で行きたかったところは今日で見終え、フィリピンの旅がほぼ終わったという気持ちになってしまった。他の世界遺産の棚田を見に行くことも考えていたが、気持ちが日本に向いてきたので、明日からはマニラを目指すことにする。
*本日の宿:Bangaan Family inn
*本日の移動:ジプニー:マイニット→ボントック、バン:ボントック→バナウエ、徒歩+バス:バナウエ→バンガアン