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ロシア、ボルガ&ウラル周遊
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ロシア・沿ヴォルガ管区&ウラル管区32日の旅、ロシア内6共和国訪問
カザン
カザンは今回初めての朝食付き宿だ。安い宿なので期待はしていなかったが、ビュッフェ形式で色々と選べるようになっていた。しかし、朝から肉類と揚げパンの類は豊富なのに、サラダやスープはなし。朝から肉々した内容だ。ロシアは一般的にこうなのか、タタールスタン共和国だからか、あるいはこの宿がたまたまか。この宿だけでは分からないが、少し驚いた。
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バスに乗ってまずは港へ。大都市だけあって朝から大渋滞している。世界遺産登録されたボルガル遺跡に船で観光に行くつもりだったが、出発が遅れたこと、大渋滞、聞いていたよりも船の出港が早かったことなどが重なり、一日一便の船に乗り損ねた。事前に切符を買っておかないと満席のことも多いという船なので、乗れない事態も想定内、そのまま明日の切符を購入する。しかし、出航時間が早いのはきつい。朝食付きの宿なので、明日朝は相当あわただしくなりそうである。
今日明日の予定が入れ替わり、今日は市内観光である。カザンは人口114万人、これはロシア第8位で、今回訪れたサマラやチェリャビンスクと同規模である。しかし、この地方の中心都市として繁栄するカザンは、モスクワ、サンクトペテルブルクに次ぎ、ロシアで3番目の経済規模を誇る大都市となっている。
まずはバスに乗って、駅に戻る。写真はメインのカザンパッセンジャー駅の横にあるカザン1駅。
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駅から南東に広がる地区が、昔からタタール人の多い地区で、市場やモスクがたくさん集まっている。中央市場は大きな建物だが、周辺には青空市場のようになった伝統的な市場が数多く集まっている。
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1868年に建てられたソルタンモスクは、カザンに残る最も古いモスクの一つ。1931年にソビエト政府により閉鎖させられていたが、1994年に再び信者に解放された。
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次に訪れたガリーヴモスクは、1798年に建てられたが、その後何度も改増築された。1930年代にこちらもソビエト政府によって閉鎖させられ、1992年まではホテルとして使われた。
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カザンで最も古いヌルラモスクを経由し、中央市場に戻る。蚊取り線香を見つけ、即購入。これで今のホテルの快適度が増すはずだ。
花として売っているかと思ったら、ハーブティー。一束頂いたので、宿に戻ってから飲んだらすごく美味しかった。
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中央アジアのどこかで食べて美味しかった記憶のある食べ物を久しぶりに見た。味見させてもらったら懐かしい味! 名前はパスティラというそう。
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中央市場を出てタタール人地区のショッピングビルで妻はタタールの帽子を購入。
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お祝いごとの時に食べられたというチャクチャクに焦点を当てたチャクチャク博物館を訪れた。ツアー形式のガイド説明が主な博物館だが、英語ガイドが16時までいないということだったので、出直すことに。
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カザンに一番賑やかな通りといわれるバウマン通りへ。ここは歩行者天国になっており、様々なお店が並んでいる。その入り口付近にあるのがエピファニー大聖堂。バウマン通りは、ここから世界遺産登録されたクレムリンまで続いている。
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バウマン通り中ほどにあるドムタタールスコイクリナリという高級なタタールレストランでランチ。建物や雰囲気、料理の出し方がすごい。もちろん皆さん民族衣装を着ている。
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昼食後は、シナゴーグを経て、ピーター&ポール大聖堂へ。タタールらしい模様の施された教会だ。
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いよいよ市内観光のメイン、「カザン・クレムリンの歴史的・建築的複合体」として世界遺産登録されたクレムリンだ。入り口に建つ白いスパスカヤ(救世主)塔は、美しい時計塔だ。
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2005年に再建されたクル=シャーリフ・モスクはカザンクレムリンの象徴だ。
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クレムリンの南端にあるのが、スュユンビケ塔。名称は、1800年にカザンが占領された際にこの塔から身を投げて亡くなった最後のカザン・ハーン妃の名前に由来するという。いつ建てられたのか判明していない古い塔で、傾斜している。
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カザンクレムリンの中で現存するもっとも古い建物が、ブラゴヴェシェンスキー大聖堂。16世紀半ばに建てられたもの。
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まだ体調の戻らない妻は、チャクチャク博物館に歩いて戻るのも苦しいというので、博物館集合にし、ここで別行動となった。彼女はメトロを一駅だけ乗った。駅にはきれいなタイル絵がたくさんあったそうだ。
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博物館へ先に着いた妻はカフェでタタールティーを飲んでゆっくり休んで、元気を取り戻していた。
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1時間自由時間が出来て、省略した観光地に私は行こうと思ったが、ここからの移動を確認しておこうと、バスターミナルと鉄道駅に行ったら時間切れ。そのままチャクチャク博物館に向かった。
チャクチャク博物館で16時からの英語ツアーに参加したのは、我々2人と中国人の女の子2人だけ。陸続きでもあるロシアのビザが不要とあって、中国人にとってロシアは最も簡単に訪れられる国の一つ。ロシアの意外なところで会う旅行者は中国人が多い。博物館ではいきなりチャクチャクの作り方から始まり、妻は嬉々として聞いている。チャクチャクのデコレーションにマシュマロを使うといわれ、イメージできないでいたら、午前中に市場で試食したパスティラの英訳がマシュマロで??? チャクチャクやタタールティーを頂きながら、伝統生活の説明などもしていただいた。伝統衣装や家具、楽器などを展示してあり、どれも触ることが出来、質問にも一生懸命答えてくれる。非常に楽しく、有意義な博物館だった。
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チャクチャク博物館の近くに午前中にも見たヌルラモスクがあるが、光の方向が午後の方が良く、良い写真が撮れた。
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メトロで宿に戻る。蚊取り線香の効果で蚊の攻撃が少なくなり、助かった。