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ロシア、ボルガ&ウラル周遊
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ロシア・沿ヴォルガ管区&ウラル管区32日の旅、ロシア内6共和国訪問
スーズダリ
朝食は、昨夜の残りのスープとサンドイッチ。サンドイッチは半分ランチに持って行く予定だ。
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ゆったりとした朝を過ごし、9時半頃にようやく出かける。まずは部屋からも見えている世界遺産物件のスパソ・エフフィミエフ修道院へ向かう。見えているといっても広大な敷地を持つ建築群であり、逆側にあるゲートまで15分も歩いた。なんとオープンは10時からで、ゲートがまだ開いていない。すぐ目の前にスクチョロヴァ居住区教会があり、時間つぶしに入る。しかし、中は厳粛な雰囲気でミサのようなものが行われており、カメラを出すのもはばかれるような雰囲気で、すぐに出てしまった。
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しばらくしてふと先ほどの教会の方を見ると何やら人々がぞろぞろ出てきた。先頭で棺桶が担がれており、葬式だったようだ。もう一度見に行くと、教会裏の墓地に行列は進んで行った。
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葬列を見ている間に10時を過ぎたので、スパソ・エフフィミエフ修道院へ戻る。中にはたくさんの建物があるが、メインの教会は写真正面の建物。
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時間が来ると音楽の演奏のように鐘楼の鐘が鳴り響く。演奏しているのは一人で、たくさんの鐘を一カ所から引っ張り、演奏している。
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演奏が終わるとメインの教会にツアー客が続々と入って行くので、何かあるのかなと思いながら続いた。教会内のフレスコ画は見事なもので感心して見惚れていると、3人の修道士がやってきて、見事な歌声を聞かせてくれた。
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ヴラジーミルの世界遺産登録物件は3件とも12世紀の建造物だが、こちらは14世紀に造られた修道院で、残っている建物は16世紀ものとなっている。18世紀からは一部を牢獄として使われるようになり、博物館の一室として再現されている。
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広大な敷地の半分くらいが今は空き地となっている。
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一角が菜園になっており、きれいに整備されていた。自宅で家庭菜園に力を入れている妻はここで夢中になった。ちょうど係りの人が手入れをしているところで、色々質問している。敷地内には博物館などたくさんあってまだ見ていない場所も残っていた。妻は菜園に居たいというので、ここからは一人で見学となる。写真は城壁の中から撮ったもの。
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城壁内にも博物館があり、ここで囚人に対して行われた拷問に使われた器具が展示してあった。
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昼食のサンドイッチは、菜園を見ながら。スパソ・エフフィミエフ修道院で2時間以上過ごし、出たのは昼過ぎ。
スパソ・エフフィミエフ修道院から川を隔てた先には、ポークロフスキー修道院が見える。こちらは女子修道院である。
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スーズダリの世界遺産登録物件は2ヶ所だけだが、それ以外にたくさんの美しい教会や修道院などが並んでいる。リゾポロジェンスキー尼僧院は鐘楼は修復中だが、中庭は大勢の人々で賑わっていた。
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アンティピエヴスカヤ教会はカラフルで、白壁主体のスーズダリでは特に目立って見える。
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町の中心にある交易所だった建物は今はショッピングセンターのようになっており、その外では観光客用の青空市が立っている。
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青空市の前の広場には大きな木彫りがたくさん展示してあり、子供たちが大勢遊んでいる。
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もう一つの世界遺産登録物件が、「クレムリンと生神女誕生大聖堂」。写真はクレムリン内にある生神女誕生大聖堂。
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クレムリン近くでカメンカ川を渡って対岸に移動する。橋のすぐ近くにあるのが、木造建築と田舎暮らしの博物館。周辺から数多くの古い建物を移築して展示した野外博物館である。このような野外博物館はロシア各地にあるが、郊外にあるものが多く、中々行けないままでいた。スーズダリに泊まったからこそ入れた場所なのでじっくりと見学する。
博物館には10数棟の建物が移築されている。入り口付近に目立っていた18世紀のトランスフィグレイション教会は、ロシア北部のキジ島にある世界遺産登録された同名の教会とよく似ているが、スーズダリ近郊から移築されたもの。
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数棟ある田舎屋敷の内部展示が私には非常に興味深かった。
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18世紀の宿屋も移築されており、中も残されていた。
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ここにも菜園があったが、植えられていたのは麦や雑穀の類。
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来る時と違ってカメンカ川の西側を宿方面に向かって歩く。預言者エリヤ教会の辺りまでは町といえる程度の建物はあるが、そこからは農地や荒れ地が続く田舎風景である。
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お昼に対岸から眺めたポークロフスキー修道院を見学。
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橋を渡るとスパソ・エフフィミエフ修道院の裏手で、宿はすぐ先。
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時間は十分にあるからと朝はゆっくりしたが、結局観光に6時間ほど要した。ヴラジーミルからの日帰りではきつかったに違いない。
ロシアのWIFIは空港でも基本的にSIMカードによる認証があるので、現地のSIMを持っていないと使えない。日本に着くまでインターネットにアクセスできないことを想定し、ロシア最後の夜は遅くまでネットで調べ物などし過ごした。