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南ロシアの旅

~クリミア、北コーカサス、カラムイク~
日記:2018年06月07日(Thu)

3日目 シンフェロポリ-バフチサライ-セヴァストポリ-シンフェロポリ

 寝たのが遅かったにもかかわらず、時差ぼけもあって早朝から目が覚める。頭痛がひどいが寝不足が原因だろうからさほど心配はせず。クリミアは見どころが多く、3泊ではそのごく一部しか訪れることができない。せっかく早起きしたので予定より早く観光に出ることにする。
 宿周辺の街路樹の多くがさくらんぼで、今が収穫のシーズン。美味しくてどんどん食べてしまった。
18/06/07 13:04:44
 市内バスに乗ってまずは鉄道駅前へ。ウクライナからの長距離列車は途絶え、現在はクリミア半島内の中距離列車のみ走っている。2か月前にロシアとクリミアを結ぶ橋が開通したが、現在鉄道部分はまだ工事中で、モスクワ行などの長距離路線が復活するのはもう少し先だ。
18/06/07 13:25:50
 鉄道駅の前にバスターミナルがあり、ここからクリミア中へのバスが出ている。1532年から1783年までクリミア・ハン国の首都であったバフチサライまでの切符を購入し、出発までの間に急いで朝食を取る。
 約1時間でバフチサライ到着。バスターミナルから見どころであるバフチサライ宮殿まではバスも出ているが、案内板に幾通りかのウォーキングルートがあったので、歩いていくことにする。バスターミナルは丘陵地帯にあり、川沿いにある町までは田舎道。道に入ってからはモスクなど古い建物が並ぶ裏道を進んでみた。写真はハマム(トルコ式浴場)だった建物だが、中は廃墟となっていた。
18/06/07 15:39:20
 バフチサライ宮殿に到着、付近は土産物屋やレストランがいっぱいで、入り口付近にはレストランの客引きが待ち構えていた。ゲートを超えて左にあるモスクはハーンモスクで16世紀前半に建てられたもの。
18/06/07 15:59:00
 宮殿内は基本的にはツアー形式で見学することになっているが、ロシア語ガイドしかいないため、内部を自由に歩かせてもらう。建物はトルコや中央アジアの宮殿と似ている。英語の案内板があるので、普通に見学するのには十分だと思うが、ツアーのガイドたちは延々としゃべっていた。
18/06/07 16:36:28
 宮殿から川を隔てた先の地形が面白く、もっと時間があればそちらも歩いてみたいところ。
18/06/07 16:20:48
 宮殿見学を終えて、近くのレストランで昼食。趣のある博物館のようなレストランだった。
18/06/07 17:02:14
 バスでバスターミナルに戻り、今度はバスでセヴァストポリに向かう。軍港のあるセヴァストポリはソビエト時代は外国人の立ち入れない閉鎖都市で、国が直轄し、ほかのクリミア半島部分とは別の行政組織となっていた。ソ連が崩壊しウクライナになった折にもクリミア自治共和国には属さず、セヴァストポリは直轄市となっていた。ロシア編入時はクリミア自治共和国と行動を共にしたが、ロシア連邦構成国のクリミア共和国には所属せず、ロシア連邦直轄で、モスクワ市、サンクトペテルブルグ市とともに連邦市となっている。
 セヴァストポリの街も見たかったが、バスターミナルに到着したらすぐに市バスに乗り換えて古代都市遺跡であるケルソネソスに向かう。市バスは街の中心部を通っていくのだが、こじんまりしており、モスクワ、サンクトペテルブルグと並んで連邦都市となっているのは不思議なくらい。バス停から遺跡に向かう街路樹にここもさくらんぼが多く、とても美味しい。子供が木に登って実を食べている木はクワの実だ。これも食べ頃で夢中になって食べた。
 ケルソネソスは紀元前7世紀頃にギリシャの植民都市として発展し、その後黒海北岸の大半を支配下におさめたボスポロス王国の主要都市となり栄えた古代都市遺跡である。「ケルソネソス・タウリケの古代都市とその農業領域」という名称で世界遺産に登録されている。タウリケはクリミア半島全体を指す言葉で、それならケルソネソスを名称に加えなくても良いのではと思うが、この世界遺産の中心を成しているということだ。ウクライナ統治下の2013年の登録なので、今も国際的にはウクライナの世界遺産とされている。もし一年でも登録が延期されていれば、ロシア併合によってそのまま延期され、登録されなかったのではと思われる。
 チケット売り場に300ルーブルとあるので買おうとしたらロシア語ガイドのツアーで、ツアーに参加しないなら入場料はなんと無料! だだっ広い敷地内に色々な時代の遺物が点在している。いくつかの案内板には英語もあったが、ない場所も多。モデルコースも示されておらず、どこからどう回るのが良いかは分からない。適当に人が多い場所やツアーが長く留まっている場所を中心に、歩き回った。他の多くの古代ギリシャ時代の遺跡同様にタイルが何カ所も残っているが、これといった美しいものはない。他のロシアの遺跡同様にエルミタージュ博物館に持って行かれたのかなとつい思ってしまう。
18/06/07 20:37:50
 遺跡は海辺にまで広がっており、景色は非常に良い。水泳禁止の看板があるのに泳いでいるロシア人もいた。
18/06/07 20:43:58
 遺跡から軍艦も見える。この湾だけでなく、バスからはもっとたくさんの軍艦が停泊しているのが見えた。さすが軍港で閉鎖都市だった場所だけのことはある。
18/06/07 21:08:14
 朝早かったので時間的には街を見ることもできたが、時差ぼけもあり体がついていかず、そのままシンフェロポリに戻る。途中ブドウ畑がたくさん! クリミアは昔からワインで有名な場所なのだ。
18/06/07 22:51:26
 最後に宿近くで買出しし、宿で夕食をとる。せっかくなので高めのクリミアワインを買ってみたら非常に美味しかった。
18/06/08 03:29:20
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