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南ロシアの旅

~クリミア、北コーカサス、カラムイク~
日記:2018年06月11日(Mon)

7日目 アナパ→クラスノダール→マイコープ

 日本を出てから初めて十分に眠れ、やっと睡眠不足が解消された。宿をチェックアウトし、市場で朝食をとって、バスターミナルへ。せっかく事前に買ったチケットだったが、バスは半分以上空席だ。予定時間よりもかなり早く、クラスノダールに到着する。クラスノダール地方の中心で、北コーカサス最大の都市である。滞在してみたい街だが、今回は素通りで、同じバスでアディゲ共和国の首都マイコープに向かう。写真はクラスノダール駅。
18/06/11 18:08:20
 時間調整で1時間停車となったので、バスターミナルで昼食をとる。
18/06/11 18:33:16
 現在のアディゲ共和国はクラスノダール地方に周囲を囲まれた小さな共和国だが、アディゲ人は紀元前4世紀の初めに建国されたアディゲ王国の人々の末裔で、様々な民族の侵略や支配を受けながらも北カフカスに広く住み続けてきた民族だ。ソ連はアディゲ人を4つの行政区画に分断した上で、アディゲ共和国のアディゲ人、カラチャイ・チェルケス共和国のチェルケス人、カバルダ・バルカル共和国のカバルド人、クラスノダール地方のシャプスグ人と名称を分け、分断を図った。そのためトルコや中東諸国に移住したアディゲ人が多く、現在北コーカサスに暮らすアディゲ人の何倍もの人々が国外で暮らしているといわれている。
 クラスノダール市はもともとアディゲ人の住んでいた地域に建設された都市で、アディゲ共和国に隣接している。バスターミナルから1キロ強走ればもう境界の川で、アディゲ共和国となる。この辺りは首都マイコープ周辺よりもアディゲ人の比率が高いので、こちらに滞在することも考えたが、あまりに見るものがなさそうなので止めておいた。町は小さく、ずっと農地が広がっている。
18/06/11 19:18:52
 15時過ぎに無事マイコープ到着。バスターミナルは鉄道駅前にある。駅屋根にある名称の左側はロシア語でマイコープ、右側はアディゲ語でマイェクワッパ、リンゴの木の谷という意味だそう。
18/06/11 21:23:34
 ここでも街路樹は果樹が多く、さくらんぼとクワの実が今の季節は食べ放題だ。長時間のバス移動だと飲み物を控えてしまうのでのどが渇いており、宿に向かう途中のさくらんぼはありがたい。
 これから旅する北コーカサスの国々の観光地は、主にコーカサスの山や渓谷で、街に見どころはそう多くない。とはいえ共和国の文化や暮らしに興味があるので街を見なければ話にならず、時間的な制約もあって中々山には入っていけない。ほとんどの共和国で2泊しか予定が取れていないので、中日に日帰りで遠出するかどうかというところとなる。特にマイコープ市内に必見のものはなく、明日の遠出も考慮して、まずは街の中心部に向かう。
 アディゲ人は基本的にイスラム教徒で、街の中心部には新しく大きなモスクがある。手前のテントはラマダン月の間、日没後にモスクから提供される食事の会場。今はラマダン期間中なのだ。
18/06/11 23:49:00
 モスクの中はのんびりしたもの。まだ工事中の手洗い場なども見学させてくれた。
18/06/12 00:20:10
 テントの向こうでポロフが作られていた。大勢のために作っているのですごい大鍋だ。メインに作っているおじさんはウズベキスタン人である。昨年訪れたウラル地方でも同じだったが、ソビエト時代にロシア内ではイスラム教の信仰ができなかったためローカルで高位の聖職者が足りないようで、中央アジア、特にウズベキスタンからきている人が多い。
18/06/12 00:18:34
 手伝いをしていた若者はトルクメニスタンなど中央アジアからの留学生でみんな陽気だ。
18/06/12 00:54:06
 同時進行で、モスク内のキッチンではサラダなどが女性陣によって作られている。日没時間が近づいてくるとテント内に続々と運ばれていく。
18/06/12 00:30:24
 大なべの底にあった羊が取り出され、細かく刻まれている。
18/06/12 01:39:08
 完成したポロフ、ニンジンなどと米は最後に鍋でかき混ぜられ、肉が上に盛られる。来れない人用にもらいに来る人も何人かいた。
18/06/12 01:55:00
 この日の日没は20時15分頃。それまで待って一緒に頂ければと思っていたが、できたところで先に食べなさいと言われ、頂いてしまう。断食している人のいるところで食べ難いなと思ったが、一口味見したらあまりに美味しくて、すすめられるままにお変わりまでしてしまう。
 先に食べたおかげで、日没時の様子が観察で来ておもしろかった。エジプトやモロッコで見たのと同じように、まず水を飲んでナツメを食べる人々が多かったが、嬉しそうにいきなり肉にかぶりつく人もいておもしろい。最初はテントにほとんど客が来ないと思っていたら、スタッフ以外の人々はモスク内で日没を迎え、そこで水とナツメを味わっていたそう。パラパラ人が来たなと思ったら、どどどと人が押し寄せてあっという間にテントがいっぱいになった。
18/06/12 02:33:20
 女性は外のテントではなくモスクの地下に食事会場がある。妻は外で食べた後に女性の会場に行ったのだが、そこでも食べろ食べろと言われ盛り上がっていたそうで、全然出て来なかった。
18/06/12 02:56:08
 外の会場が終わっても妻は出て来ず、ライトアップされたモスクの写真を撮っていると食事を終えた留学生に囲まれた。タジキスタン人とアフガニスタン人、いろいろな国から留学生が来ているということだ。
18/06/12 02:44:48
 6月で日が長く、日中の断食はつらいだろうと思うが、楽しそうで何より。明日もぜひ来るように誘ってもらったので、遠出気分はなくなり、明日も市内でのんびりすることが決定。
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