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~クリミア、北コーカサス、カラムイク~
14日目 ナリチク
朝は近所の店をのぞきつつ、市場に向かう。ファーストフードの店がやたら多い。バス停のベンチの屋根が傘になっているなどおしゃれな街だ。
ゴミ収集場も城壁に囲まれるなど、いろいろとユニークで味のある街路が続く。
市場は大きく何でもそろう感じがする。ナッツ類が多く、クルミのシーズンなのか、あちこちでくるみを割っていた。
市場の外の通りにはチーズなどの乳製品がずらりと並ぶ。
ジュースのペットボトルに入れて売られているどろっとした液体はトウモロコシのお酒。味見したところ美味かったので一本購入した。
市場で昼食をとる。肉にかかったソースが美味い。
土産物屋で見た18-9世紀のチェルケスを示す地図。次に訪問する予定の現北オセチア共和国のウラジカフカスからクリミアの次に訪れたアナパまで、クリミアを除く今回の訪問地域のほぼすべてがチェルケスの地だったのだ。現在、この元来のチェルケスの地に住むチェルケス人(=アディゲ人)は約70万人で、そのうち50万人がここカバルダ・バルカル共和国に住み、カバルド人と現在定義されている人々だ。カバルダ・バルカル共和国の人口の過半数を占めていることもあり、話をした印象では圧倒的にここの人々がチェルケス人としての意識を強く持っているように感じた。
大通りを歩いて、カバルダ・バルカル共和国議会へ。議会前は大きな広場で、レーニン像などもある。
市の南部に大きなアタジュキンスキー公園がある。森や花壇の続く小道が連なり、木々には鳥の巣箱なども設置されている。犬の散歩などが禁止された公園で、ゆったりと自然を楽しみながら散歩する人々が多い。ベンチで鳥を見つつ、先ほど買ったトウモロコシ酒を少し飲む。そしてまた少し。気づいたら500mlなどあっという間だ。
「生命の樹」のモニュメント。
さらに北へ歩くと、新しく歩行者天国にした道路が続く。まだ改装中のビルも多いが、おしゃれなカフェなどが出来つつある。
電話ボックスのような建物はブックエクスチェンジ。読み終えた本を自由に交換できるようにしている。
折れた古代の石柱がぽつんと飾られている。本当にユニークな都市景観を作り出そうとしている街で、散歩が楽しくなるところだ。
歩行者天国が終わるとソビエト時代の名残りのような街並みになり、その対比も面白い。駅前にあるモスクは新しく、こじんまりとしていた。
宿に戻るとワールドカップの試合が始まっていたので、テレビ観戦。一試合目が終わった後に、夕食を探しに出る。スーパーでこれといったものがあれば買って、テレビを見ながら食べようと思ったが、スーパーの品揃えが今一食欲をそそるものではない。ファーストフード店をのぞくが、疲れが溜まっているのか、やはり食欲が湧かない。ファーストフード店で注文をしていた兵士が、チェルケスの旗を持っていたので写真を撮らせてもらう。12の星がチェルケスの12氏族を表す民族旗だ。
部屋でサッカーを見るのはあきらめて、食欲を回復させようと良さ気なレストランに入る。すでに始まっていた次の試合は大画面のテレビで放映していたので、テレビの前の席を陣取る。この地域では高級魚の鯉を注文。大きくておいしかった。サッカーを見ていたのでかなりゆっくりした後、勘定を頼んだところ、いらないという。だいぶ前に帰っていった隣のテーブルのお客さんが払ってくれたとのこと。ほとんど話もしていない人なのに、もうほんとうにビックリだ! カバルダ・バルカル共和国の人は優しい。感謝、感謝。